紫電改を観に行くよ!

愛媛旅行2日目は早朝から大移動です。目的地は宿泊していた松山市から南へ100km、南レク馬瀬山ばせやま公園です。

『南レク』とは『南予レクリエーション都市』、愛媛県主導で南予地方の宇和島市~愛南町の沿岸部に12の観光・レクリエーション地区を建設するという大規模開発構想でした。が、結局完成したのは一部にとどまり、交通の便の悪い広い範囲に小規模な施設が点在するだけという状態のまま計画は中断しています。当然、集客も芳しくないようです。

しかしここには一つだけ、他所にはないものがあります。

国内で唯一現存している紫電改

これだけは一度は観る価値がある。というわけでなんとか日程に組み込みました。

が…とにかく公共交通機関では行きにくいこと!

現地まで

松山から特急で90分、宇和島駅に到着。宇和島駅はホテルと一体となっていて立派に見えますが、駅施設は1階だけの小規模なものです。

バスの時間にはだいぶ余裕があったので、駅周辺をちょっと見て回ります。

宇和島では闘牛が行われています。といってもスペインの闘牛ような最終的に牛を刺し殺すものではなく、牛同士の相撲のようなものだそうです。
年に数度行われているようなので、次は開催日に訪れて闘牛を観てみたいですね。

この地を初めて走った機関車、独コッペル社製ケ220の模型がありました。鉄道唱歌誕生100周年記念で作られたものだそうです。

『汽笛一声新橋を はや我汽車は離れたり~』

と始まる鉄道唱歌を作詞した大和田建樹氏は宇和島出身なのです。

駅前は南国っぽいです。空も晴れて真っ青!
それにしても、車がほとんど走ってない…8時過ぎ、早朝というほどではないんだけど…

バスが来ました。まず『宿毛営業所行き』に乗車します。

乗車して1時間ほど、宇和島の青い海が見えてきました。

経路探索ソフトの案内に従って『平城札所前』というバス停で下車。ここで別の路線バスに乗り換えるのですが、乗り換え先のバス停がどこだか判りません。まぁ乗り換え時間は20分以上あるので周辺を探したところ、この写真の先の交差点を右に入って100mほど進んだところにバス停がありました。遠すぎるだろ…乗り換え時間が短かったらアウトだぞ…

※バス料金は若干増えますが、この先の『城辺営業所』でも乗り換えられます。

無事『武者泊まり』行きバスに乗車。そこからは10分かからず馬瀬山公園最寄りの『展望タワー入口』に到着。

って、ここで本当にあってるの?!

駐車場の隅に馬瀬山公園へ上る道を見つけました。ここから目的地の紫電改展示館まで850mほど歩きます。上りですが傾斜はそれほど急ではなく、ちゃんと歩道が車道から独立しているので安全には歩けます。

展望タワー。紫電改の次は展望タワーにも昇るつもりなのですが、ずいぶん遠くに見えます…。

紫電改展示館

というわけで、宇和島駅から2時間、松山駅を出発してからは4時間以上、ようやく紫電改展示館に到着…。

とにかく紫電改

機体が目に入った瞬間、長距離移動の疲れが吹き飛んだ…。

この機体は、昭和54年(1979年)に馬瀬山公園に近い久良湾で引き上げられたものです。
塗装は塗り直されていますが、よく観るとプロペラが曲がったままだったり外板が穴だらけでボロボロだったりです。

垂直尾翼の方向舵は骨組みだけになっています。

2階デッキの上から見下ろすこともできます。

紫電改は、零戦とは全長・全幅はほとんどかわらないのですが、全備重量もエンジン出力も2倍近いのです。細身な零戦に比べると『がっしりした体格』という印象です。

武装も20mm機関銃を片翼に2挺ずつ・合計4挺と零戦の2倍。携行弾数は合計900発と零戦の4倍です。

部品など

壁に沿って引き上げられた部品等が展示されています。

紫電改の特徴である自動空戦フラップの部品だそうです。

機銃の薬莢でしょうか。

紫電改の内部構造を解説するパネルがありました。

こちらは紫電改ではなく艦上攻撃機『天山』のプロペラです。宇和島近海で発見されて引きあげられたものです。

パイロット

紫電改が集中配備された第343海軍航空隊(343空、通称『剣』部隊)、松山基地のジオラマ。

343空の戦死者のプロフィール。

この紫のマフラーは、紫電改のパイロットたちに親しまれていた松山の食堂のおかみさんが、隊員たちに贈ったものです。

おかみさんが結婚したときの白無垢の布を紫に染め(紫電改だから、らしい)、済美高女(松山市内にある学校。現在は共学化して済美高校となっている。四国で最も生徒数の多い高校)の生徒たちが刺繍をしたもので、38枚が作られ隊員たちに贈られましたが、これを身につけたパイロットが撃墜されるなどして失われ、いまでは3枚しか残っていないのだそうです。

多くの見学者に見て貰うことが戦死者の供養に繋がる、として展示されているのだそうです。

データ

Webサイト南レク公式サイト内、紫電改展示館
Google Map紫電改展示館
アクセスJR宇和島駅より宇和島バス『宿毛すくも営業所』方面、
『平城札所前』または『城辺営業所』で宇和島バス『武者泊まり』行き利用、
『展望タワー入口』下車徒歩10分
※バスの本数が少ないので要時刻表確認
開館時間09:00~17:00
休館日12/29~1/1
入場料無料

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