北野異人館街/オーストリアの家 その2

オーストリアの家 2階

オーストリア館2階はこの1室だけです。入口は別なのですが1階展示室の真上で、奥のカーテンの隙間から1階のマリア・テレジアの肖像のある展示室を見下ろせます。

部屋の中央に置かれているのはピアノフォルテ。細身なのでチェンバロかと思いました。黒鍵と白鍵の配色を逆にしてあるのは演奏者の指を美しくみせるためなのだそうです。このタイプはモーツァルトが考案したと言われており、モーツァルトが作曲する際にも使われていたとか。

ピアノフォルテのそばには自筆譜が展示されています。『すみれkv.476』という曲のようです。

回りの壁にはモーツァルト一家の肖像が飾られています。
まず有名なモーツァルト自身(ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト)。歴史上最も有名、天才とよばれる作曲家です。35歳の若さで亡くなるまでに40曲以上の交響曲(最後が第41番だから全41曲とはいえないのが難しいところ)、『フィガロの結婚』『ドン・ジョヴァンニ』『魔笛』といったオペラなど、膨大な作品を残しています。

レオポルド(ヨハン・ゲオルグ・レオポルド・モーツァルト)。レオポルドも音楽家で、ザルツブルグ宮廷副楽長にまでなりました。ヴァイオリニスト/音楽教師としては当時有名だった一方、作曲については息子ヴォルフガングはもちろん同時代の他の作曲家と較べても有能とは言えなかったようです。レオポルドの作として最も有名だった『おもちゃの交響曲』も、現在では別人の作品という説が最有力です。

レオポルドはヴォルフガングが31歳の時に死去。映画『アマデウス』では父の死去をきっかけにヴォルフガングが精神のバランスを崩していくように描かれていました。

マリア(アンナ・マリア・ヴァルブルガ・モーツァルト)。ヴォルフガングの演奏旅行に何度か同行していましたが、パリ遠征時に熱病で倒れ亡くなってしまいました。

ところでヴォルフガングには姉がいるのですが、姉の名前はマリア・アンナ(愛称ナンネル)といいます。紛らわしい。

コンスタンツェ。不実で浪費家の悪妻として知られていますが、ネット時代の感覚からすると、これはゴシップを好む人々によっていろいろ話が大げさにされたり、悪意ある解釈をされたりした結果のようにも思えます。ヴォルフガングの没後にデンマークの外交官ニッセンと再婚していて、そのことが『不実である』証拠ともされていますが、ニッセンはコンスタンツェの連れ子(ヴォルフガングの子)を成人までちゃんと育て、ヴォルフガングの伝記を執筆しています。

コンスタンツェに音楽の才能があったかどうかはほとんど語られませんが、実は有名な作曲家カール・マリア・フォン・ウェーバーの従姉であり、自身もソプラノ歌手でした。

というわけで、モーツァルトづくしの2階でした。

データ

Webサイトオランダ館グループ公式サイト ウィーン・オーストリアの家の紹介
神戸北野異人館街公式サイト ウィーン・オーストリアの家の紹介
Google Mapウィーン・オーストリアの家
アクセス新幹線 新神戸駅より徒歩15分
JR三宮駅より徒歩20分
開館時間9:00~18:00(3~12月)
9:00~17:00(1~2月)
休館日なし
入館料ウィーン・オーストリアの家のみ500円
オランダ館グループ3館共通1,300円

コメント

タイトルとURLをコピーしました