北野異人館街/坂の上の異人館 その2

2階

浴室

階段を上るといきなり浴室です。床と壁、鏡台の上面も大理石でしょうか?便座にはなにやら模様が描かれ、蛇口とトイレットペーパーのカバーは金色に輝いています。並んでいる物の1つ1つは高級そうな作りなのですが…部屋は意外に狭いですね??

主室

2階は浴室・寝室・テラスを除いたほぼ全体が1つの部屋です。
1階以上に、ゆとりをもったレイアウトで広々とした印象です。家具調度は装飾の控えめな木製品に統一されており、また壁に飾られた絵画は水墨画が中心で、全体的に色味を抑えて上品で落ち着いた空間になっています。椅子のクッションが青系に統一され、木製品のと色相が対比してよいアクセントになっていると思います。家具はアンティークなのだと思いますが、レイアウトのセンスは現代的だと思います。

この壺には赤い竜が描かれています。中国では竜の絵がよく使われますが、赤い竜は縁起が良い物とされているそうです。もう1つ、脚の指の数にも注目してみましょう。通常は脚の指は4本で描かれますが、この壺に描かれた竜には5本の指があります。実は5本指の竜の柄は皇帝だけが使用することができるのです。
これらの点から、この壺は皇帝の身近に置かれていたものだと推測出来ます。

寝室

天蓋つきで幅広ですが、意外に質素なベッドです。
木製で周囲は幾何学的な模様の透かし彫りになっています。

寝室の壁に掛けられているこの服は黄衣おういといいます。図柄が5本指の竜であることから、皇帝の衣装と思われます。

テラス

テラス…と現地の案内には書いてありましたが、完全に建物内の細長い部屋です。ここだけは置かれたものが多くちょっとごちゃついた印象。机の上にはタイプライターがありますが、仕事用のスペースだった…という感じでもありません。椅子の背もたれは細かい透かし彫り、机にも装飾が施されていて、主室にある現代的なデザインの物とは趣が異なります。

机の脇に置かれた雲竜香筒。竜と雲をモチーフとした香筒です。竜は五本指で、これも皇帝ゆかりの品と考えられます。

次は建物の外へ出て庭へ。
入口には狛犬(とスタンプ帳のガイドには書かれていますが、これは狛犬の祖先である中華獅子ではないかと)。日本の狛犬は『(口を開けた形)』と『うん(口を閉じた形)』が対になるのですが、これは両方とも『』です。
この2匹の狛犬の間を通ると『愛情に恵まれ幸せになる』と言われており(誰に??) 、北野異人館街のパワースポットの1つとされています(スタンプ帳の解説より)。

庭全景。装飾品のほとんどないシンプルな庭です。が、ここからなら塀に囲まれて外からは見えにくい建物全体を見ることができます。
入口近く(初期方向右手奥)にある大きな鉢には『大清光緒年製(=清国末期の製作)』とあり、本物なら(元中国領事館の建物だし、さすがに本物だと思いますが)とんでもない値段の付く品でしょう。ただ図柄の竜は空を舞う竜より格が低い水竜で、指も4本です。なぜか清国最後の皇帝・光緒帝こうしょてい(1871-1908年)の死因について解説するパネルの台座のように扱われています。


というわけで、欧米風の建物の並ぶ異人館街にあって唯一の東洋、また美術品てんこ盛りの各館に較べて質素で落ち着いた雰囲気の『坂の上の異人館』、見学の中ほどに寄るにはちょうどいい館でした。

データ

Webサイトうろこグループ公式サイト内、坂の上の異人館の紹介
神戸北野異人館街公式サイト内、坂の上の異人館の紹介
地図坂の上の異人館
アクセス新幹線 新神戸駅より徒歩10分
JR三宮駅より徒歩20分
開館時間09:30~18:00(4~9月)
09:30~17:00(10~3月)
休館日年中無休
入館料坂の上の異人館のみ550円
プレミアムパス(うろこグループ7館)3,000円
備考・駐車場なし。駅前のコインパーキング等にとめるしかない

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