北野異人館街/坂の上の異人館 その1

次はイタリア館前から坂を登りきって、坂の上の異人館です。
ここまで英国館・仏蘭西館(洋館長屋)・イタリア館(プラトン装飾美術館)と見てきたように、北野異人館街で公開されている異人館は大半が欧米のものですが、この坂の上の異人館は東洋・中国領事館として使われていたこともある建物です。明治後期の建築で、旧チン邸とも呼ばれています。

1階

玄関

玄関は螭首亀趺ちしゅきふによって守られています。螭首は龍の一種を象った石碑、亀趺が亀の形の台座のことだそうですが、、、つまりこの像は胴体が亀で頭が龍という意味でいいのかな。先祖を守護し家を守る霊獣だそうです。
日本でも亀は長寿の象徴で縁起が良いですね。西洋ではイソップ童話にしろアキレスと亀のパラドックスにしろのろまな動物の代表という扱いですが。

玄関ホール。ここまでに見学した4館にくらべると調度品が少なく質素な印象です。廊下自体広いかな?

応接室

居間、または応接室でしょうか。この部屋もやはり既に見学した他の異人館に較べ、床面積に対して家具や調度品が少なく、広々とした印象です。椅子や机は非常に凝った彫刻で、全面に光沢のある装飾…貝かな?…が施されています。周囲には西洋彫刻ではなく仏像が配置され、欧米とは明らかに異なる雰囲気です。
中国は赤を主体とした色使いで絢爛豪華に飾り立てるようなイメージもあるのですが、シックで落ち着いた内装です。

船の彫刻でしょうか、細かいところまでつくりこまれた緻密な造形です。

食堂

食堂のようです。他の異人館で見られたアール・ヌーヴォーやロココの家具調度と違って、机や椅子にほとんど装飾がありません。

台の下の段という見つけにくいところにおいてあるのですが、実はけっこう貴重品なのではないかと思われる俑馬。俑とは古代中国の副葬品で、これは5人の人物を乗せた馬車を象っています。人物はそれぞれ楽器を手にしているようです。他の彫刻と較べてずっと制作年代が古そうです。


次は2階へ。

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