シン・美術館こと国立新美術館で開催中の 庵野秀明展 に行ってきました。あいにくの雨だったのですが、平日の朝最初の枠ということもあってか見学者はそれほど多くなく、ゆっくりと見ることができました。
エントランス
展示室に入ってすぐ、仮面ライダーに扮した庵野氏がお出迎え…
庵野氏の自画像など。壁が舞台用のパネルっぽかったり、下にスポットライトがおかれているのは、シン・エヴァのクライマックスと同様の演出でしょうか。
第1章
まず最初は、『第1章・原点、或いは呪縛』と題して、庵野氏の子供時代~学生時代に親しんだ特撮やアニメの作品に関する展示です。エンタープライズやスカイダイバーなど、かつて大ヒットした特撮作品のモデルが並んでいます。
ジェットビートル、マイティジャック、ウルトラホーク1号、奥にはサンダーバード2号。
…ここは特撮ファンの天国ですか?
ウルトラマンのスーツ。実際に撮影に使われたもののようで、かなり古びているものもあります。
上映されている動画の撮影は禁止だったのですが、これらの展示の近くの大型スクリーンではウルトラマンや仮面ライダーのハイライトシーンが見られます。
ファーストガンダムの劇場三部作のポスター。
あらためて観ると、ガンダムのポスターってなかなかセンス良いですよね。
第1章と第2章の間にある巨大スクリーンでは、昔の人気アニメ・特撮の動画が多数上映されています。何の作品か、いくつ判るかな…。
第2章
次のコーナーでは、『第2章・夢中、或いは我儘』と題して、中高美術部から大阪藝術大学時代、そして『超時空要塞マクロス』でプロのアニメーターデビュー~『不思議の海のナディア』『新世紀エヴァンゲリオン』に至る、作品を作る側になる時代の展示されています。
これは中学校時代の作品だそうですが、『赤!』という色使いが強烈な印象を与えます。
大学時代に参加した第20回日本SF大会での作品、実写短篇『かえってきたウルトラマン』で使用されたミニチュアだそうです。自主製作映画とは思えない高品質なモデルに見えますが、なんと紙製。展示されているのは撮影に使われたオリジナルではなく、同じ作者による再制作物とのこと。
その『かえってきたウルトラマン』も上映されています。庵野氏がウルトラマンっぽいシャツを着て、顔は素顔のままで登場(笑)。パロディ作品なのですが見応えがあります。
たぶん来場者の多くがお目当てにしていたと思われるヱヴァンゲリヲンのコーナー。
ヱヴァンゲリヲンの企画書。よく読んでいくと、アニメ作品として完成したものとはところどころ違っているのが興味深いです。第一稿はタイトルからして『人造人間エウァンゲリオン』だったりします。
壁にはテレビアニメのサブタイトルが。このタイトルの表記もその後の作品に大きな影響を与えていますね。
第3章
『第3章・挑戦、或いは逃避』と題して、エヴァ劇場版より後の作品についての展示が続きます。これはエヴァ新劇場版に登場する戦艦AAAヴンダーの模型。
2012年に東京都現代美術館で開催された『庵野秀明特撮博物館』で上映された短篇実写映画『巨神兵東京に現る』に登場する巨神兵のヘッド。…ってあれもう10年近く前なんだっけ!?
『シン・ゴジラ』の最後の最後で強烈な印象を残した、不気味な尻尾。無数の人型が分離しようとしている形状を間近で見られます。なんちゃって3D写真化。
たぶん今回の展示会で最大の展示物、エヴァ新劇場版の中盤の舞台・第3村の巨大な模型。エヴァ新劇場版はアニメーション作品ですが、構図などの検討用に村全域の模型が作られたようです。ぐるっと一周してみながら、あのシーンはあのあたりだろうか、などと思ってみたり。
休憩室
途中2箇所に休憩室があります。休憩室にもちょっとした展示があるのですが、気付かずに入口前を素通りしてしまっている人も少なからずいたようです。入口が狭くて、覗いてすぐ中の様子がわかるようになっていないせいでしょうか…。
こちらはエヴァンゲリオン他、劇場作品のポスターが並んでいます。
こちらは人間大のエヴァ初号機や関連グッズなどが見られます。
第4章
最後は、『第4章・憧憬、そして再生』と題して、今後予定されている作品についての展示でした。
まずは『シン・ウルトラマン』の…油彩肖像画?何カットか映像も上映されていますが…公開日がまだ未定のようです。楽しみ。
こちらは『シン・仮面ライダー』のヘッド。2023年公開予定だそうです。一人の監督がゴジラ/ウルトラマン/仮面ライダーを立て続けに復活させるって、すごいことですよね…。
そして最後の章、『第5章・感謝、そして報恩』。他の章にくらべて床面積も小さく資料数も少ないのですが、庵野氏が理事長を務めるアニメ特撮アーカイブ機構を紹介する動画があり、非常に興味深く視聴しました。
最後の最後に『シン・○○』三作揃っての記念撮影コーナー。ウルトラマンの目が異様に明るく光ってます…
物販
グッズが充実しています。関連作品のDVD/BDなども多数。
ここで注意。庵野秀明展では、
展示室側からしか物販コーナーに入れません。
また、
物販コーナーから展示室に行くことはできません。
つまり『展示は見ないで物販だけ利用』とか『物販を先に済ませてから見学』ということができません。『財布をロッカーに入れてきてしまった!』という場合はグッズを買えません。
図録はまだできていないらしく、予約制でした。といってもその場で予約ができるわけではなく、予約のためのサイトへのアクセス方法を記した紙を渡されます。会期中に予約すれば送料は無料だそうです。
まとめ
庵野秀明展というタイトルですが、庵野氏が制作に関わった商業作品だけではなく、子供~学生時代に影響を受けた作品やこれから製作予定の作品まで含めて膨大な資料が展示されており、見応えがあります。アニメや特撮が好きな人ならきっと楽しめると思います。
ほとんどの展示物が撮影可能というのも大きな特徴。忘れずにカメラを持って入場しましょう。
※一度展示室を出ると再入場不可なので、あとからロッカーに取りに行ったりできません。
事前予約制(枠が埋まっていなければ当日券もアリ)です。入場は30分区切りの時間指定ですが、滞在時間は制限されていません。最低でも2時間は見学時間を確保することをオススメします(僕は3時間半くらい中にいました。開館直後に入ったのに、危うくランチタイムを逃すところでしたw)。
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