象山地下壕(松代大本営跡)

今度は駅から少し離れた【象山地下壕】を目指します。
地図で見ると松代駅から直線距離で1.2kmくらいしかないので、僕の脚なら15分も歩けば着くはずですが…


住宅地の裏路地のような場所を抜けて、
どんどん周囲の風景が田舎っぽくなっていた頃に地下壕に到着。
象山地下壕・入口.jpg
受付でなぜか『どこから来たのか』を聞かれ、
ヘルメットを借りていざ出発。
象山地下壕・入口付近.jpg
地下のためか、かなり湿度が高くなっています。
この象山地下壕は、太平洋戦争末期に大日本帝国の国家中枢機能を疎開させるためにつくられた地下坑道【松代大本営】の一つです。
この象山地下壕だけで坑道延長は5km以上あり、そのうち500mほどが一般公開されてます。
象山地下壕・内部1.jpg
中は案外広く、頭をかがめたり身体を捻ってすり抜けたり…という必要はありません。
ところどころこの写真のように鉄骨で補強されている部分は若干天井が低いのですが、よほどの高身長でも頭をぶつける心配はないでしょう。
象山地下壕・内部2.jpg
入口から離れるにつれ照明は暗めになり、温度も下がってきます。
敵の攻撃を避けるためとはいえ、このような場所で長期間生活すると精神に悪影響がありそうです。
象山地下壕・枝道.jpg
公開されている部分と交差する坑道。
金網で塞がれていますが中は覗けます。
これと較べると、公開部分は地面をきれいに舗装してあるんですね。
象山地下壕・内部3.jpg
道は途中で2回直角に折れ曲がります。
これはその奥の曲がり角。
左右どちらも200mほど続いています。
手持ち式の削岩機はあったのですがシールドマシンのような重機はもちろんない時代。
これだけの規模の地下施設を作るのは大変な労力だったでしょう。
象山地下壕・トロッコ枕木跡.jpg
ズリ(石屑)を運び出すトロッコ線路の枕木の跡が残っています。
荷物の重みに枕木跡が地面にめり込んでしまった…ように見えますが、こぼれた石屑が枕木の両側に積もってこのような形になっています。
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最奥までいくと気温は15℃ほど。
外気温はまだ30℃近いので寒く感じます。
工事で犠牲になった人のためのものでしょうか、千羽鶴が飾られています。
技術屋としては、これだけの規模で直線・水平を保ったトンネルが造れたことに驚きを感じます。
意外に測量技術が高かったのでしょうか?
歴史的にも技術的にも大きな意味のある場所なので、一度は見る価値があると思います。
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いろいろ。
・湿度が高く(夏場は外に比べて)温度が低いので、出口近くでカメラが結露します。というか、しました。おかげでしばらく撮影できませんでした…。
・地下壕内は最小限の照明しかありません。細かいところを見るには懐中電灯を持っていくといいかもしれません。
・ガイドブックには交通手段として『松代八十二銀行前バス停留所から徒歩約15分』などと書いてあるのですが、実はバスを利用しても歩く距離は駅から直接歩いた場合と較べて200mほどしか縮まりません。経路上にも見所がいろいろあるので、少なくとも片道は歩いた方がいいと思います。
・最寄り駐車場は少し離れた場所(徒歩数分)の市営駐車場だそうです。
・見学可能時間が16時までです。一般的な博物館などより早いのでご注意下さい。
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【象山地下壕】
http://www.city.nagano.nagano.jp/soshiki/kankou/22100.html
長野県長野市大字鶴賀緑町1613
見学時刻:9:00~16:00(15:30最終入場)
休業日:第3火曜・年末年始
入場無料
見学所要時間:入口から最奥まで、途中で立ち止まらずに歩いても7~8分かかるので、往復30分程度みておいたほうがいいかも。

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