森美術館【ターナー賞の歩み】展

六本木での打合せの帰りに、森美術館に寄りました。
今日の展示は
【ターナー賞の歩み】
です。
ターナー賞はイギリス縛りというだけで作品のジャンルはなんでもよいらしく、
絵画・彫刻・写真・動画など変化に富んでいて面白く観賞。
ここに関連記事→ http://www.excite.co.jp/ism/concierge/rid_1694/pid_1.html


最初の方は、テーマはともかくいわゆる『美術作品』です。
抽象画のようなテイストの風景画。
測量器具に鳥の脚、馬の蹄、トカゲの脚などが生えている奇妙なオブジェ。
ポップな色遣いで写真をコラージュした巨大な作品。
でも進んでいくうちにとんでもない物が。
デミアン・ハースト『母と子、分割されて』
本物の牛の親子を縦に2つ割りにし、ホルマリン漬けにしてガラスケースに入れてあるという…美術作品というより、内臓の観察標本にしかみえないんですが…。生と死がどーのこーのという話らしいのですが、つい『牛の大脳って本当に人間の拳大しかないんだ!』とか『ここが第1胃で…』とか考えてしまうのが理系の性。
発表当時は動物愛護団体などから非難囂々だったそうです。
…今回の展示ではこれを目当てで見に行った人も多いようなのですが、僕はまったく予備知識無しでこれを見てしまいました。衝撃的。
次に、
マーティン・クリード『ライトが付いたり消えたり』。
その名の通り、何もない部屋で明かりが5秒間隔で点滅しているだけ。
これは…美術作品なんでしょうか。
展示している会場の条件でかなりテイストが変わってしまいそうですが。
…そこまで含めての『作品』ということでしょうか。音楽で言えば【4分33秒】みたいに。
グレイソン・ペリーもターナー賞の受賞者だったんですね。
金沢で見た時よりは大人しい作品しか展示していませんでしたが、それでも
『私たちはあなたの子供の死体を発見しました』
という、なんともアレなタイトルの作品が。
金色に塗られた壺に、よくみるとぐったりした少年を何人かが囲んでいる様子が描かれています。…発表当時問題になっていた児童虐待を風刺した物らしいですが。
動画作品も沢山ありました。
ジリアン・ウェアリング『60分間の沈黙』。
警察?の制服を着た人が30人ほど、整列して撮った記念写真…と思いきや、しばらく見ていると後列で立っている人たちがもぞもぞと動いているのが判り…。
モデル達は60分間じっとしているように指示されているのですが、前列で椅子に座っている人たちはともかく立っている人たちは時間が経つうちにいかにも辛そうな様子に。…60分経った途端にガッツポーズを取る人がいたり。お疲れ様でした。
同じくウェアリング『サーシャとママ』。
なぜか下着姿の女性(サーシャ?)に、その母親と思われる女性が暴行を加えているというシチュエーション。それを所々逆転で見せるという、意味がよく判らない作品。
マーク・ウォリンジャー『スリーパー』。
ベルリンの美術館内に、クマのヌイグルミを来て閉じこもったというパフォーマンスを撮影したビデオ作品。
このヌイグルミが、リアルな物ではなくデパートの屋上で風船でも配っていそうな漫画的なもので、それが誰もいない夜の美術館のロビーで手を振ったり…。
解説によると『ガラス張りの美術館の中のクマは、外から常に見られている。冷戦時代の、秘密警察に常に監視されていたというこの街の過去を重ね合わせてみることも出来る』…って、あの動画をみてそんな発想の飛躍は出来ません。
大きな作品が多かったせいか、点数は少なめだったかな。
面白かったのですが。
~~
今年から森ビルの屋上が開放されるようになったというので、上ってきました。
通常の展望台からさらにエレベータで3階分のぼって、機械室の間の通路を抜けて、到着…。
森タワー屋上
海抜270m。東京タワーの特別展望台より20m高い位置です。
しかも、オープンスペースです。
でも写真の通り意外に狭いです(笑)
東京タワー、お台場のフジテレビ、船の科学館、新宿の高層ビル群が案外近くに見えます(って去年展望室から見たときにも同じような感想を書いた気が)。
この高さだと雨天時には雲の中ということになりそうですが(それはそれで面白そうですが)、晴天時のみの公開ということです。日が落ちてから行くと夜景がキレイだろうなぁ。

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