今治城

愛媛旅行最終日、午前は日本100名城79番の今治城です。登城93城目です。

今治城について

歴史

慶長7年(1602年)に藤堂高虎によって築城開始、慶長9年(1604年)に完成しました。慶長13年(1608年)に高虎は伊勢国の津に国替えとなりましたが、その時に今治城天守は丹波国亀山城に移築されたといわれています。その後今治は高虎の義子・高吉が城主となり、さらに寛永12年(1635年)に久松定房が入城し、そのまま明治維新まで久松氏の居城となりました。

構造

本丸・二の丸・三の丸を中枢とし、その周囲を海水を引き入れた三重の堀で囲む構造をしていました。

現在は内堀と本丸・二の丸・三の丸跡地が城址公園となっています。江戸時代からの遺構は内堀と石垣のみですが、鉄御門他櫓が複数復元され、また本丸跡には鉄筋コンクリート造りの天守が建てられています。内堀以外の堀はすべて埋め立てられ市街地になっています。

いざ登城

駅から20分ほど歩いて今治城の堀までやってきました。この写真は駅に近い南西側から撮影しています。写真でも判るとおり非常に広い堀が今治城の特徴です。撮影したあたりでは幅50m以上あります。この堀は北側にある水路で海とつながっているため、魚が多く生息しています。

西側から。南国の植物と和風城郭の取り合わせが面白い景観です。

西の端にある搦手(裏門)より中へ。この西側の橋はもとは木橋だったそうです。橋を渡った正面は搦手の高麗門、その向こうに見えるのは山里櫓です。

搦め手を入ってすぐ、大きく回って坂を登らないと本丸へは入れない仕組みです。

三の丸・二の丸

西の山里櫓側からでも、北の鉄門側からでも、最初に入る場所は三の丸跡です。今治城のパンフレットに掲載されている復元イラストによると、この写真を撮っているあたりから天守に向かって土塀が伸びて初期方向右側の三の丸と左側が二の丸を隔てていました。またいま天守があるあたりには枡形があり、本丸・二の丸・三の丸を相互に行き来する場合は枡形を経由しなければならないようになっていました。いまは土塀や枡形は失われ、二の丸と三の丸は一続きの広場になっています。

こちらは天守から見下ろした二の丸・三の丸です。だいたい左半分が三の丸、右半分が二の丸です。左奥には鉄御門武器櫓、右奥には御金櫓が見えています。

三の丸には築城主である藤堂高虎の像があります。

山里櫓

三の丸西隅にある山里櫓です。平成2年(1990年)に再建されました。現在は古美術館になっていて、陶磁器・漆器・甲冑・日本画などが展示されています。有料施設ですがチケットは天守でしか販売していません。

武具櫓

三の丸北端にある武具櫓です。明治時代の廃城令では破却されなかったのですが、明治4年に焼失しました。平成19年(2007年)に今治城築城400年祭の記念事業の一環として鉄御門や多門櫓とともに復元されました。天守とは異なり、資料に基づいて構造も含めて可能な限り元の形に近い復元です。
武具櫓の中から多門櫓を経て鉄御門まで続けて中を見学することができます。

鉄御門

三の丸の大手にあたる鉄御門です。総鉄板張りのため『鉄』の名で呼ばれています。武器櫓と同じく明治4年に焼失、平成19年に復元されました。この写真は鉄御門の外側からの撮影ですが、ちょうど立っているあたりにさらに高麗門があり、枡形を構成していました。

御金櫓

二の丸東隅にある御金櫓です。もとは東隅櫓といっていたのですが、御金蔵が併設されていたことからこの名になったそうです。昭和60年(1985年)に再建されました。現在は郷土美術館になっています。

本丸

本丸は現在、吹揚神社になっています。

現在、神社の鳥居は本丸址と二の丸跡の境界線の中央あたりにありますが、城時代は土塀が続いていて、現在天守があるあたりからしか入れないようになっていました。

吹揚神社の名の由来は、今治城の別名である吹揚城から取ったそうです。明治時代に、今治市内にあった4つの神社を合祀して造営されました。天照大神、八幡大神、事代主ことしろぬし神、大己貴おおなむち大神、厳島大神、猿田彦大神、宇迦之御魂神の日本古来の神々と、菅原道真、築城主の藤堂高虎、今治藩初代藩主の久松定房を祀っています。

こちらは天主から見下ろした吹揚神社です。

天守

三の丸側から見た天守です。昭和55年(1980年)に作られた鉄筋コンクリート製で、中は博物館です。五層六階の堂々とした見栄えですが、確実な資料に基づいたものではないため(そもそも天守はなかったという説もある)、外観復元というより模擬天守というべきものです。

天守の入口はこちら。

本丸側から見た天守です。装飾が少なく、印象がだいぶ違います。
こちらから天守の中へ入れます。

1~5階には魚介類の標本などの自然科学展示、今治藩ゆかりの武具などの展示、今治藩主や徳川将軍の書画、全国の城郭写真など様々な展示があります。残念ながら中の展示品は撮影禁止でしたので、最上階からの展望を除いて写真はありません。

データ

天気が悪く、写真がイマイチになってしまったのが残念です。建物内の撮影ができず、興味深く見学できますがブログ記事にしにくい城でした(苦笑

Webサイト今治市公式サイト内の今治城紹介
Google Map今治城
アクセスJR今治駅より徒歩20分
100名城スタンプ天守
開館時間09:00~17:00
休館日12/29~12/31
入場料大人:520円、学生260円、高校生以下無料
(天守、御金櫓、山里櫓、鉄御門、武具櫓共通)

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