今日はジャックの塔こと横浜開港記念会館の内部公開に行ってきました。
建物外観
横浜開港記念会館は横浜開港50周年を記念し、市民からの寄付によって大正6年(1917年)に竣工しました。
時計塔とドームをもつ赤レンガの建物は市民に親しまれましたが、建築後わずか6年で関東大震災によって内部が焼失。外壁と時計塔は残ったもののドームは破損してしまいました。
昭和初期に復旧工事が行われましたがドームは復元されないままでした。その後昭和63年にようやくドーム復元工事が開始され、平成元年に完成。ようやく当初の姿をとりもどしたのです。
これがジャックの塔と呼ばれ親しまれている時計塔です。
高さ36mと横浜3塔のなかで一番低いのですが、細身の色鮮やかな赤レンガ造りの塔は美しさでは引けをとりません。
内部
では中へ。
玄関ロビー
まずは玄関ロビーです。左手にある入口を進むと講堂、右手の階段からは2階の資料コーナーへ行くことができます。
通常はこの玄関ロビーと廊下や階段、2階にある展示スペースのみ見学可能です。
1号室
普段は会議などに使われている部屋ですが、今日はドーム復元工事のドキュメンタリー映像が上映されていました。
講堂
普段は会議・講演・コンサートに使われていて、見学目的では入れない部屋です。
1階席・2階席あわせて最大481名収容可能だそうです。
客席天井にはこのような照明が。
階段・広間
続いて2階へ上がってみます。
階段の途中にある飾り窓にも注目。
2階へ上った場所は広間。絵画や開港記念会館の写真などが展示されています。
2階広間からは講堂の2階席に入れます。
2階広間と資料コーナーの間には大きなステンドグラスがあります。
関東大震災で一度焼失したものを昭和初期に復元したのだそうです。
資料コーナー
ステンドグラスや修復作業関連の資料が展示されていました。
修復前のステンドグラスに使われていたパーツだそうです。
これはエレベータ設置のために切り取られた壁の一部だそうです。
開港記念会館の模型がありました。全体の形が良く判ります…全体が『ロ』の字の形になっていて廊下がぐるっと一周しているのかと思っていたのですが、通りに面していない辺が閉じていないのですね。
展示コーナーの一番奧が、時計塔の真下に当たります。
この螺旋階段を上って行くと時計塔に入れるんですね。
(通行禁止です)
2階廊下
時計塔側からドーム側へ向かう廊下です。先ほどの資料コーナーにあった壁は、右手のエレベータのあたり(またはこの真下の1階部分)から切り出したものでしょう。
壁の断面に棒状・板状の鉄が観察できます。これは明治時代の耐震構造である『錠聯鉄構法』によるものだそうです。
この廊下はバリアフリー対応のため現在は上げ底になっていて、廊下の両端の溝のような部分からオリジナルの床の模様が観察できるようになっています。
というわけでちょっと覗いてみたのがこちら。
細かいタイル貼りで幾何学的な模様が描かれています。
特別室
特別室はドーム部分の真下にある部屋です。
8角形の塔内なので部屋もテーブルも8角形になっています。
ステンドグラスと階段
特別室前、2階階段室には、大きなステンドグラスがあります。
このステンドグラスは、ポーハタン号を描いたものと言われているそうです。
ステンドグラス前の階段を下りてきたところ。
大正建築のムード満点です。
このあと1階廊下を通って最初の玄関ホールに戻り、見学終了です。
これで横浜3塔をすべて回ることができました。
次は『すべて回ると願いが叶う』3塔すべてを1度に見ることができるポイントを御紹介する予定です。
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データ
Webサイト | 横浜市開港記念会館 |
地図 | 横浜市開港記念会館 |
アクセス | ・JR関内駅より徒歩10分 ・みなとみらい線 日本大通り駅より徒歩すぐ(出口1から交差点の斜向かい) |
開館時間 | ・通常見学 玄関ロビー、廊下、2階広間、資料コーナーは開館日の9:00~16:00 ※個人での見学は予約不要、20人以上の団体の場合は要連絡 ※全館貸切で見学不可となることもあるので公式サイトで確認を ・一般公開 講堂、一号室、特別室は月一回の公開日のみ見学可能 ※公開日は原則として毎月15日、土日の場合は近い平日になるようです ※個人での見学は予約不要、20人以上の団体の場合は要連絡 ・会議室などの利用は9:00~22:00を午前・午後・夜間の3コマに分けて事前予約 |
入場料 | 見学は無料 会議室等の利用は有料(施設の公式サイトで確認して下さい) |
見学所要時間 | 通常見学10分~ 一般公開20分~ |