天岩戸神社

つぎはとうとうこの九州旅行最後の見学地天岩戸神社です。

天岩戸神社は高千穂町内にありますが、バスセンターのある中心部からは7km以上とだいぶ離れています。徒歩で移動するのはちょっと難しい距離なのですが、どうやらバスの本数が恐ろしく少ないようなのでタクシーで移動しました。

天岩戸神社は岩戸川を挟んで西本宮東本宮にわかれています。もとは西本宮は天岩戸を拝むための遙拝所としての簡単な作りで、東本宮が天照大神を祀る中心的な神社だったとも言われていますが、現在は西本宮の方が規模が大きく、多くの観光客・参拝客が集まっています。

西本宮

西本宮は大日孁尊おおひるめのみこと(天照大神の別名)を祀っています。
岩戸川を挟んだ対岸にある天岩戸を御神体としていて、本殿はなく、天岩戸遙拝所から対岸にむかって参拝するようになっています。

西本宮駐車場付近にあった天照大神の像です。

同じく駐車場付近、手力男命戸取像。高千穂神楽で観たのと同じ場面ですね。

一の鳥居をくぐって参道へ。

徴古館

一の鳥居の先にある展示施設です。他の神社の展示館(宝物館)とはちょっとイメージが違って、土器や石器、勾玉、石の鏃など古代の遺物が多く、考古学の博物館のような内容です。
そしてなぜか時代が飛んで日露戦争の頃の砲弾がありました。

芭蕉句碑

参道には芭蕉の句碑があります。

『梅がにのっと 日乃出る山路かな はせを』(はせを=芭蕉)

と刻まれています。この句は芭蕉の句集『炭俵』の中のものですが、芭蕉が高千穂を訪れたというわけではなく、門人が句会を催したのを記念したものだそうです。建立は芭蕉の時代(元禄7年=1694年没)よりずっと後で幕末の安政2年(1955年)、揮毫きごう(文字を書くこと)は江戸の俳人得々庵魚竹です。

二の鳥居をくぐって、さらに先へ。

社殿・御神木など

社殿前の神門

西本宮の中心部へやってきました。初期方向正面に社殿、後方に神門、左奥に神楽殿、右手に遙拝所入口、右後方に御神木があります。

社殿。この建物の向こう側に御神体である天岩戸の遙拝所があります。天岩戸遙拝所には自由に入ることができません。

社殿に向かって左手には神楽殿があります。
天安河原遙拝所でもあります。現在は天野安河原まで歩道が整備されて簡単に行けます。

御神木の招霊おがたまの木です。天鈿女命が天岩戸の前で舞った時に手に持っていたのがこの木の枝で、それが神楽鈴の起源であるとされています。現在、神楽の際に使う神楽鈴は、この招霊の木の実を象ったものです。

こちらは古代銀杏。古代銀杏は葉や実の形が特殊で、高千穂と長野県の諏訪の2箇所にしかないと言われています。

天岩戸

社殿むかって右手にあるこの扉の先は、社殿裏にある天岩戸遙拝所へと続いています。ここから先は自由には入れず、申し込んだあとで決まった時間に集まり、お祓いを受け、神職の案内でやっと中へ入ることができます。

※天岩戸遙拝所は撮影禁止なので写真はありません。

夏場で草木の葉が多く見づらいのですが、岩戸川の流れる谷を挟んだ対岸の崖の中ほどに、確かに洞窟のようなものが見えました。これが1000年以上前(記述を信じるなら2600年以上前)の神話の舞台かと思うと不思議な感慨があります。

天安河原

西本宮を出て、つぎは天安河原あまのやすがわらへ向かいます。

天安河原も記紀神話にある天岩戸のエピソードの舞台の1つ。
素戔嗚尊の乱行に怒った天照大神が天岩戸に隠れて世界が闇に包まれてしまったとき、八百万の神が集まって対応を協議した場所が天安河原です。天岩戸と同じく岩戸川沿い、400mほど上流にあります。現在は遊歩道が整備され、西本宮から徒歩10分程度でアクセスできます。

車道から天安河原につづく遊歩道に入りました。
あっという間に車の音もほとんど聞こえなくなります。

遊歩道の中ほどにある太鼓橋。

周囲を豊かな緑に囲まれ岩戸川の水の音が響く癒やし空間です。

そのまま岩戸川をさかのぼるように数分進んでいきます。

やがて川に向かって大きく口を開けたような岩が見えてきます。

そして到着しました、天安河原。間口40m×奥行き30mもある洞窟状の広場になっていて、仰慕ヶ窟きょうぼがいわやともよばれています。奥には祠(天安河原御社殿)があります。

ここで八百万の神が集まって相談した、という伝説だけでも神秘性を感じますが、現在の天安河原で一番印象的なのは無数の石積!非日常的な光景に圧倒されます。
これは訪れた人が願いを込めて積んでいったものだそうです。

東本宮

最後に、東本宮へ向かいます。

天照大神が天岩戸から出たとき、その最初に住まいとして思金神おもいかねのかみが造営したのが東本宮の始まりだとされています。

岩戸川の対岸に渡るこの橋は天岩戸橋といういわくありそうな名前ですが、この通り普通のコンクリート舗装の橋でした。歩道ガードレールがないのがちょっと怖いですが、車の通りは少ないです。

下を流れる岩戸川からはかなりの高さがあります。

橋を渡ってまもなく、東本宮に到着。

1つ目の鳥居の手前に天鈿女命の像があります。写真でも判るとおり新しいものです。
そして…

…回ります。
センサがついているようで、人が近づくと回り始めるようです。音楽や効果音はありません。

階段を上りきって、2つ目の鳥居へ。正面奧に拝殿、鳥居の左奥に神楽殿が見えます。
観光客・参拝客の多い西本宮と違って、東本宮には人の姿がありません(本当に誰とも会いませんでした…)。木に囲まれているためか車の騒音も聞こえず、静かで落ち着いた雰囲気です。

東本宮拝殿。さらに奥には本殿が見えています。
…そう、西本宮には本殿がないのですが、東本宮にはちゃんと本殿があるんですね。

参拝を済ませた後、境内を散策。
拝殿の右奥、大きな杉の根元には御神水と呼ばれる湧き水があります。台の上に柄杓や漏斗が並んでいるということは、容器を持ってきて汲んで持ち帰っていいのかな…?

さらに奥に進むと、七本杉があります。一列に並んだ七本の杉の木が根元で一体となった独特の光景です。って8本に見えるんですが…。

七本杉の前まで続く遊歩道は平成26年(2014年)完成、3年前にできたばかりだそうです。

この方向にさらに進むと天岩戸の方に行きそうな気がしますが、もちろん遊歩道はここまで。この先は立ち入り禁止です。

というわけで東本宮参拝+プチ森林浴は終了。
午後は高千穂町中心街へ戻って昼食、そして空港へ移動…。

データ

天岩戸神社

Webサイト天岩戸神社公式サイト
Google Map西本宮
東本宮
天安河原
アクセス高千穂バスセンターよりコミュニティバス利用『岩戸』下車(西本宮駐車場近く)
(乗車15~20分、200円。90分に1本程度しかないので要ダイヤ確認)
タクシーだと2500円くらいでした。
参拝時間授与所・社務所:08:30~17:00
天岩戸参拝案内:9~15時台の毎時00分と30分、16:00と16:40
参拝料とくになし
備考西本宮、東本宮は駐車場あり。駐車場内にトイレあり。
境内には飲料自販機はありません(休憩所を除き飲食禁止)

コメント

タイトルとURLをコピーしました