横浜税関『クイーンの塔』～資料展示室『クイーンのひろば』

『横浜の3つの塔巡り』をしてみたいと思います。
今回は1つめ、クイーンの塔こと横浜税関本館です。

外観

ベージュ（写真では光の加減でちょっと赤っぽく見えますが）のタイルに覆われた左右対称な建物。

正面から見ると西洋の城のようにも見える5階建ての建物の上に細い塔が建ち、てっぺんにはイスラムの寺院を思わせる緑青色のドーム。

海からも直接見える優美な姿のこの建物は、関東大震災で倒壊した前代の建物に代わり、失業者救済も兼ねて建築されたものです。

ドームの高さは51m。

『日本の表玄関たる国際港横浜の税関の庁舎とするなら、高くすべき…』

という時の税関長の意見を入れ、当初の予定より4m高く、神奈川県庁よりも高く設計が修正されたものだそうです。

この税関本館1階には資料展示室があり、無料で見学することができます。

横浜港と税関の歴史を解説するコーナー。

これは昔の税関職員の制服です。
ほとんどの展示資料が直接犯罪と結びついているなかで、ここだけはほっと一息つけます。

こちらは過去に摘発された密輸の手口を紹介するコーナーです。実際の手口が模型で再現されていて、観ていて非常に興味深いです。

一見、普通のコンテナに見えますが…

壁が2重になっており、すき間に大量の麻薬が隠されていたというもの。
他にも、缶ビールの缶の中に麻薬を入れていたり、何かの装置に見せかけた箱の中に拳銃を入れていたり…。

いろいろ考えるものですね。見破る税関職員も大変そうです。

こちらは輸入が禁止されている動物。ワニだのアルマジロだのいろいろいます。
知らずに持ち込もうとして没収されてしまう人もいるのでしょうね。

こちらはニセブランド品です。

よく似たバッグが2つずつ。
ルイヴィトンとハンティングワールド、どちらも有名ブランドの定番商品のようですが…
実は、そっくりな2つのバッグのうち1つが本物、1つが偽物。
どちらだかわかりますか？

↓正解↓
ルイヴィトンは奧、ハンティングワールドは手前が本物です
↑マウスでドラッグすると正解が見えます↑

言われてみれば偽物の方が作りが材料が安っぽそうだったりデザインが大雑把だったり、のような気もしますが…本物と並べて見るのならばともかく、1つだけ見せられたらまったく判りません。

こちらは有名キャラクター商品ですが…
一方が正規品、一方は無許可のコピー商品です。
どちらが正規品かは…こちらは判りやすいですね(笑)

↓正解↓
右が正規品です。左の無許可品は明らかに顔のバランスがおかしいですね
↑マウスでドラッグすると正解が見えます↑

このようなものを海外旅行で『安いから』などと深く考えずに買ってしまい税関で没収されて泣く…という人もいるのでは？

麻薬・拳銃など直接市民の安全を脅かす品々が国内に流入するのを水際で食い止めている税関の活躍、大変勉強になりました。

場所は神奈川県庁のすぐ近く、赤レンガ倉庫から徒歩数分でアクセス良好です。