旅行5日目は、まず知覧の特攻平和館へ。
鹿児島県南部の町・知覧までは、鹿児島中央駅前からバスで1時間半。
知覧には、太平洋戦争当時に特攻隊基地がありました。基地そのものは現在茶畑になっており、滑走路など大がかりな遺構はのこっていないのですが、特攻隊員たちの遺品が展示された特攻平和会館や特攻隊員たちの多くが通った食堂を展示館に改装した富谷食堂などがあります。
掩体壕公園
特攻平和会館は観光ガイドでも紹介されているのですが、今回は特攻平和会館の西3kmほどの所にある掩体壕公園も見学しました。掩体壕とは爆弾の破片や爆風から航空機を護るための施設です。
知覧の特攻観音入口バス停(特攻隊平和館最寄り)についたのは8時過ぎ。各施設の開館時間である9時まで1時間近くあるので、その間に最近整備された掩体壕公園を見学します。バス停からほぼ真西にまっすぐ3km近く。もちろん徒歩です。朝とはいえ既に気温が上がりはじめています。
道は茶畑の中をまっすぐ伸びています。この道の南側(写真左手)に2本の滑走路を備えた飛行場があったそうです。滑走路は米軍の進駐時代に完全に破壊されてまったく残っていません。
実はあと200mほどというところで道に迷いましたが(苦笑)、とにかく掩体壕公園に到着。駐車場は整備されています。あずまやとベンチはありますが、トイレや飲料の自販機などはありません。
掩体壕とは、爆撃による爆風や破片から航空機を隠すための施設です。屋根付きの小屋のようになっている場合もありますが、知覧のものは半円型の土塁です。当時の爆弾には誘導装置がついていないので土塁で囲まれた範囲内に着弾する確率は低く、土塁の外で爆発があっても航空機に爆風や破片は届きません。
掩体壕の中央には航空機の実物大模型が置かれています。機種がなんだか現地の説明には明記されていないのですが、大戦前から陸軍が運用しており特攻機としても使用されていた九七式戦闘機と似ているようです。
というわけで、掩体壕を見られたことには満足しましたが、今回の旅行でいちばん体力を使いました。特攻隊平和館前からシャトルバスを運行するくらいのことはしないと、よほどの物好きしか見に行かないんじゃないかな…。せめて知覧平和公園周辺にレンタサイクル店があったら…。
知覧特攻平和会館
特攻観音前バス停まで戻りました。
知覧はお茶の名産地でもあるので(先ほど茶畑の中を往復5km以上も歩いたし…)、バス停近くにはこんなオブジェもあります。
特攻平和会館
知覧から出撃した1000名を超える特攻隊員たちのプロフィール紹介、数千点におよぶ遺品、特攻隊の歴史解説展示のほか、一式戦闘機『隼』の実物大模型、四式戦闘機『疾風』、爆弾モーターボート『震洋』、『零戦』の残骸などが展示されています。
特攻隊員が残した
『必中』
『轟沈』
『七生報国』
『お母さん、お元気で。でっかい奴を沈めます』
などの言葉には深い感銘を受けます。
展示はどれも非常に印象深いものなのですが、館内は撮影禁止なので写真は建物外観だけです。
特攻隊平和館の屋外展示、三角兵舎。
特攻隊員の宿舎です。中も見ましたが質素というかなんというか…。せめて出撃前最後の数日くらいもうちょっと寝心地の良さそうな宿舎を用意できなかったのでしょうかね…。
ミュージアム知覧
特攻隊平和館のすぐ隣にあるミュージアム知覧。
こちらは特攻隊とは関係ない、歴史・民俗の博物館です。
南九州の文化についていろいろ展示があります。漁業関係が特徴的で面白かったな。
ここも展示は撮影禁止だったので写真は建物外観だけです。
知覧平和公園
屋外にも陸軍戦闘機『隼』の実物大模型が展示されていました。特攻隊平和館の中に展示してあるものと同じく、右翼に爆弾、左翼に増槽(追加燃料タンク)という装備です。
特攻隊員の像もありました。
知覧平和観音
昭和30年9月28日に建立されました。中に安置されている観音像の体内には、知覧から出撃した特攻隊員達の名簿が納められているそうです。
データ
知覧特攻平和会館
Webサイト | 知覧特攻平和会館公式サイト |
地図 | 知覧特攻平和会館 |
アクセス | JR鹿児島中央駅前よりバス『特攻観音入口』行き利用、終点下車徒歩3分 ※1時間に1本以下の路線なので要時刻表確認 他にJR指宿駅、JR枕崎駅からもバスがあるようです |
開館時間 | 09:00~17:00 |
休館日 | 無休 |
入館料 | 500円(ミュージアム知覧との共通券600円あり) |
ミュージアム知覧
Webサイト | 南九州市によるミュージアム知覧の紹介 |
地図・アクセス | 特攻平和会館を参照 |
開館時間 | 09:00~17:00 |
休館日 | 水曜、年末年始、夏期に燻蒸のため数日 |
入館料 | 300円(特攻平和会館との共通券600円あり) |
掩体壕公園
Webサイト | 南九州市による掩体壕公園の紹介 南九州市観光協会による掩体壕公園の紹介 |
地図 | 掩体壕跡 |
アクセス | 最寄りバス停は特攻観音入口です。 バス停から掩体壕公園まで3km弱あります。 |
開館時間・休館日 | 見学随時 |
入場料 | 無料 |
備考 | 駐車場あり、トイレなし、飲料自販機なし |
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