ベンの家の次はこの坂を登って坂の上の異人館の予定でしたが、その途中にあるプラトン装飾美術館(イタリア館)にも寄ることにしました。
1階
エントランス
建物に足を踏み入れると目に飛び込んでくる金色の飾り。白い壁にとても映えて、豪華で煌びやかな内装です。
松ぼっくりのようですが、1つで大人の手のひら一杯になるほどの大きさがあります。イタリアには松の木が多く(『ローマの松』という曲もありますね)、日本の品種に較べて松ぼっくりがはるかに大きくなるのだそうです。イタリア料理によく使われる松の実は、この巨大松ぼっくりの中から取れます。
イタリアでは松ぼっくりは幸運を呼ぶものとされているようで、松ぼっくりをモチーフにしたアクセサリやオブジェがいろいろあるそうです。エントランスホールに飾られているのもそのためでしょうか。
応接間
壁や柱がダークブラウンでエントランスホールに較べて落ち着いた雰囲気の部屋です。しかし周りをよく観ると絵画や彫刻などの美術品がずらりとならんでいます。
ふと目にとまった1枚は、『落ち穂拾い』や『晩鐘』で有名な19世紀のフランス人画家ミレー(Jean-François Millet, 1814-1875)のエッチング(版画の一種)でした。
額縁は金色ですが、壁の色合いややや落としめの照明のため落ち着いた輝きに見えます。細かい装飾が施されていてそれ自体も美術品のようです。
他の作品と雰囲気の違う1枚は、コクトー(Jean Maurice Eugène Clément Cocteau, 1889-1963)の作品。詩や小説を書く人かと思いきや、絵画作品もかなりの数を残しているんですよね…。
食堂
花で飾られたテーブルには食器が並べられ、いまにも晩餐会が始まりそうです。
実際にこの部屋でディナーパーティなどが催されることもあるそうです。
部屋に配置されているサイドボードやキャビネットは、19世紀のイタリア人彫刻家ビクター・エモーヌ(Victor Aimone/Vittorio Aimone, 1853-1922)の作品です。エモーヌの作品はフランス貴族の間でも愛好されているそうです。
この部屋にある家具類は日本円にして約1,000万円もする高級品だとか。部屋の中を歩きまわるのが恐くなってきた…。
銀製の高級カトラリー12人分セット。柄は貝で、真珠のように輝いています。庶民には恐ろしくて食事になんか使えません…。
キッチン
キッチンは、アンティーク家具や美術品で飾られたここまでの2室とは真逆に、コンパクトにまとまった現代風で機能的なもの。それもそのはず、イタリア館はカフェとしても営業していて、このキッチンは現役で使われているのです。
…でも棚の中に見える食器類は高級そう…。
次の記事では、エントランスホールにあった階段から2階へ上がります。
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