北野異人館街/ベンの家

神戸の異人館巡り、3つ目はベンの家です。英国館・仏蘭西館(洋館長屋)と国名のついた建物が続きましたが、今度は住人であった狩猟家ベン・アリソン氏の名を取って呼ばれています。場所は洋館長屋のすぐ隣です。 

外観

現在モルタル掻き落とし(モルタル壁の表面をブラシなどで掻き落とし、自然なざらつきに仕上げたもの)になっている白壁は、もとは洋館長屋と同じ下見板張りだったそうです。

洋館長屋と違って塀で囲まれているのも外観上の特徴でしょう。この塀には当時ドイツから取り寄せられた赤レンガが使われていて、神戸市指定の文化財になっています。

1階

1階は、2つの部屋が公開されています。

食堂(Dining room)

部屋に入ると、多数の剥製に驚き!この部屋は図面では食堂となっていますが、とても食事をするスペースには見えません(苦笑)。これらは狩猟家・冒険家だったベン・アリソン氏の収集したコレクションです。いまではワシントン条約で取引出来なくなっている珍しい種類の動物も。

中でも見所は、ホッキョクグマの剥製でしょう。体長2.6m・体重580kg、ホッキョクグマとしても大型の個体で、立ち上がった姿は人間より背が高く威圧感があります。

白オオカミ。カナダで捕獲されたものだそうですが、純白のものは珍しいそうです。

居間(Lounge)

図面上は居間ですが、やはり剥製が所狭しと並べられています。

この部屋ではアメリカバイソンの頭部剥製が目を引きます。非常に大きく、頭だけでも迫力充分です。

複数部屋同時暖房式暖炉。ここで火を入れると隣の部屋も暖まるという型の暖炉だそうです。いまは煙突を塞いでしまったので使用出来ないとのこと。

2階

2階は3つの部屋が公開されています。

居間(Lounge)

この部屋では、一方の壁の大半を占めるシマウマの皮が非常に目立っています。
…でも思ったより小さいような気も…?

トラって動物園では良く見かけるのでありふれた動物なのかと思いきや実は絶滅危惧種で、生きた個体はもちろん剥製の取引にも許可が要るんですよね?

部屋の隅にあって目立たないのですが、実は非常にレアなイッカクの角です。イッカクはシャチやイルカに近い海の哺乳動物で、外見上の特徴はオスの長く伸びる角です(本当は角ではなく牙ですが前方に伸びるので角に見えます)。この角は『ユニコーンの角』と偽って取引されたり、漢方薬の原料になったりします。ここに展示されているほど長く(2.5m)、無傷のものは非常に珍しいそうです。

書斎

2部屋目は書斎のようです。初めて剥製より家具の方が多い、人間が暮らせる部屋に来たような気がします。壁には銃も掛けられています。

この部屋ではこの『砂漠の薔薇』が面白いですね。これは人間が作った彫刻ではなく、自然に成長した鉱物の結晶です。チュニジア産、主成分は硫酸カルシウム(石膏)だそうです。

寝室

寝室のようです。ベッドではなくハンモックというのが冒険家のベン・アリソン氏らしいように思います。それにしても、またしても壁が彩度の高い赤とは…。当時はやっていたのでしょうか…。


というわけでベンの家の見学終了。書斎から直接外に出られます。出口にはなぜか猫のぬいぐるみ、しかも包帯姿。どういうことこれ。

データ

Webサイトうろこグループ公式サイト内、ベンの家の紹介
神戸北野異人館街公式サイト内、ベンの家の紹介
地図ベンの家
アクセス新幹線 新神戸駅より徒歩10分
JR三宮駅より徒歩15分
開館時間09:30~18:00(4~9月)
09:30~17:00(10~3月)
休館日年中無休
入館料ベンの家のみ550円
プレミアムパス(うろこグループ7館)3,000円
備考・駐車場なし。駅前のコインパーキング等にとめるしかない

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