関ケ原ウォーランド

宿泊は三重県の松阪の予定なのですが、滋賀と三重は隣接する県なのに直接移動する経路が細く、小谷城のあたりからだといったん名古屋まで行って近鉄を利用するのが一番早いようです。岐阜・愛知と2県も余計に経由するのにその方が早いとは不思議な感じもしますが。

で。

せっかくなので米原から名古屋まで新幹線ではなく在来線で移動して、関ケ原で途中下車することにしました(在来線利用でさえ名古屋周りの方が早いのです)。

関ケ原には関ケ原合戦時の陣跡などのスポットが点在しており、それぞれ公園などとして整備されているようです。

そして!

ネット上でネタ的B級スポットとして時々話題にされている関ケ原ウォーランドにも行ってみることにしました。
…というかこっちがメインだったりして。

ところで、地名・駅名・施設名のいずれも、『関ヶ原』ではなく『関原』が正しいんですね。

関ケ原ウォーランドへ

JR関ケ原駅は小さな駅で、駅前にはタクシー乗り場と観光案内所があるだけです。
駅構内にはコインロッカーが見当たらなかったのですが、観光案内所内のコインロッカーが利用できました。ロッカー料金は都内より割安だったような気がしますが、案内所自体が17時で閉館してしまい、それ以降は荷物が取り出せなくなるので注意。

途中はいろいろすっとばして関ケ原ウォーランドに到着。
横の駐車場に大型観光バスが何台も停まっていたので、予想に反して賑わっている施設なのかと思ったのですが…バスの乗客はほとんど全員、向かいにある売店・レストランにいたようです。

合戦場

ネットで紹介されている記事を見ると、広い土地にまばらに人形が置いてあるだけのような印象を受けるのですが…意外に人口(人形)密度が高いです。

そして人間の密度は低いです(笑)
僕以外に生きた人間が見えない…

別角度。刀や鉄砲などを構えた各陣営の武将が入り乱れています。それぞれの像の近くには武将の名札が立っているのですが、逆にこの戦場には無名の足軽がほとんどいません(笑

こういう、ちょっと血なまぐさい人形もいます。まぁ彩色も造形もあまりリアルではないのでグロテスクだったり残酷だったりという印象ではないのですが。
ちなみに血塗れの短刀を手に覆い被さっている方は可児才蔵かにさいぞう、身分は高くないのですが関ケ原の戦いでは20もの首級を挙げて家康に賞賛されたという逸話がある人物。

赤い鎧の井伊直政
初代彦根藩主ですが昨日観た彦根城の築城前に死去してしまっているんですよね…

戦場の人形は、必ずしも武具を構えた勇敢な姿ばかりではありません。このように落馬の瞬間だったり…

尻餅をついて『ちょっとタンマ!』な姿だったり。
ってこの人、無名の足軽じゃなくて島左近…討ち死にの場面なんでしょうか。

なぜか武田信玄の亡霊(自称)が登場して
『ノーモア関ケ原合戦じゃ!』
などと叫んでいます。
いまいち意味が判りません。

にんにん城

戦場の一角にはにんにん城なる怪しげな建物が。

中を覗いてみると、二階へ登るハシゴの他、どんでん返し壁や床の隠し扉などがあるようでした。
隠し扉のはずなのにちゃんと矢印などで場所を教えてくれる親切設計…。
全体的にサイズが小さめなので子供向けのアトラクションみたいなものなのかな…?

各武将の陣

中央に合戦場、その周りをぐるっと囲むように各大名の陣がおかれています。

諸将の陣

石田三成の陣地。
この斜面を笹尾山に見立てているようです。
中央奥、一番高い場所で座っているのが石田三成、他に青山宗勝あおやまむねかつ(豊臣秀吉の家臣)、蒲生郷舎がもうさといえ(蒲生家を出奔して三成に仕えた人物)、氏家作兵衛(って誰?) が並んでいます。

島津義弘の陣。奥で騎乗しているのが義弘で、その手前にいるのが阿多盛敦阿多盛淳あた もりあつ、義弘が関ケ原から撤退するときに影武者となって奮戦した人物)。

小西行長の陣。名前の判らない家来が一人だけしかいません。

宇喜多秀家の陣。人が少ない…左の人物の名前が判りません。

大谷吉隆は早くも切腹しようとしています。傍らには湯浅五助湯浅吉継、吉隆の介錯をした人物)が控えています。

小早川秀秋の陣。
稲葉正成(小早川家家老)、大久保猪之助(徳川家家臣の黒田長政が派遣した目付)らが並んでいます。

密かに狙う鉄砲隊。

このあたりをぐるっと観ると、鉄砲隊が狙っているのは小早川秀秋の陣、小早川陣営の武将達が向いている先は大谷吉隆の陣…という風に、ちゃんとストーリーが成り立つように並んでいるんですね。

徳川家康本陣

関ケ原の合戦中、家康は何度か陣の場所を変えているのですが、これは最後の陣の様子を再現したものだそうです。
黒田長政阿部正次、入口近くには大久保彦左衛門など、あまり歴史に詳しくない僕でも名前を知っているような武将がずらっと並んでいます。

家康はどうやら首実検中だったようです。この首は湯浅五助のようです。大谷吉隆の陣にも生きた姿でいました。つーかなぜこの場面を立体化しようとしたんだろう。

ちなみに首視点だとこんな感じ。
つーかなぜこの構図で写真を撮ろうと思った自分…。

まだ首が運ばれてきます。
こんな風に棒にぶら下げて担いで運ぶんですね…露出状態で…

武具甲冑資料館

入口の建物の2階は武具甲冑資料館になっています。

屋外のユーモアのある展示と違い、こちらは真面目な武具・甲冑の展示です。
薄暗いので写真が…

左は馬鎧札具足(馬鎧を改造して人間が着るようにしたもの)。
中央は皮を亀甲形に切り縫い合わせた具足
と、特徴的な甲冑など。

鉄砲がずらり。

講話室、というのかな。講義ができそうな部屋も。

データとまとめ

というわけで、ビジュアル的にはネタっぽいのですが、関ケ原合戦時のエピソードを予習してから行くと案外面白く観られる施設です。
ただJR関ケ原駅から少々遠く、道程1.8km・歩くと25分程度かかるのが難点です。近くを通るバスもないようです。今回は利用しませんでしたが、駅周辺に自転車が借りられる場所があるようなので、それを使って待ちのあちこちに点在する陣跡を巡りつつウォーランドにも行く、というのがいいかもしれません。

Webサイト関ヶ原ウォーランド公式サイト
地図関ヶ原ウォーランド
アクセスJR関ヶ原駅より徒歩25分
営業時間4~11月:10:00~16:00
12~3月:10:00~15:00
休業日年末年始
入場料500円

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