今日は国立科学博物館の企画展示【あしたのごはんのために】を見てきました。
このテーマだと、日本の食糧自給率がどーのこーの、稲作の発達の歴史がどーのこーの、
という話になりがちなのですが…
今回の展示では、
『多様性が失われる危機』
を大きく取り上げていました。
つまり、
今の日本の稲はコシヒカリ系の品種ばかり。
一件合理的だが、すべての稲が同じ弱点を持っているということでもあるため、
ちょっとした原因で一気に日本中の稲が全滅するリスクがある…
という話です。
江戸時代の稲作の様子。いまの稲作と違い、3種類の稲が混在しています。
種類が違うと弱点も違う…というわけで、全滅のリスクを低減しています。
もっとも、当時から遺伝子の多様性を知っていたわけではなく、
『全部米(麦)には違いないから問題ない』
『つーか違う種類なの?』
という感覚だったようですが。
江戸時代の食事。
根菜の煮物と焼き魚、ご飯と汁物。
現在の和風定食屋のセットメニューとほとんど変わりないですね。
ラオスの焼畑による稲作。
1~3年ごとに別の場所に移動するシステム。
ここでも数種類のイネを混在させています。
ラオスの食事。すごーく美味しそうなんですけど。
西南アジアの畑。稲ではなく麦が栽培されています。
自然に掛け合わせがおこって新しい種が誕生することもあったそうです。
西南アジアの食事。
ナンにシシケバブ、サモサ、オリーブの入ったサラダにトマトのスープかな。美味しそう…。
ラオスや西南アジアの料理がむちゃくちゃ美味しそうなんですが…
都内のラオス料理店【ランサーン】と、アラビア料理店【パルミーラ】が製作協力しているそうです。
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遺伝的多様性を失ったために一国の農業が大ダメージを受けることは過去にもたびたびあったそうです。
といいながら…なんだか結局美味しそうな料理のサンプルばかりが印象に残ってしまいました。