【蒼穹のファフナー HEAVEN AND EARTH】みてきた

【蒼穹のファフナー HEAVEN AND EARTH】を見てきました。
TVシリーズ終了から6年も経過してしまった作品ですがまだ根強いファンが多いようで、僕が見た上映回は前方2列ほどを除いてほぼ満席となりました。
女子率が高かったような気が…ファフナーにはBL要素があると<誤解>されているせいか…
劇中ではTVシリーズ最終話から2年が経過。
平和を保ってきた竜宮島ですが、夏祭りの日に人類軍の輸送艦が島に漂着し、中で人型のフェストゥムが発見されたのをきっかけに再びフェストゥムの来襲を受けるようになってしまい…
という内容。
TV版よりずっと絵がキレイ。ファフナーは3DCGで作画されるようになり、画面を所狭しと飛び回ります。
話のテンポもよく、かなり複雑な内容ですが最後まで一気によく見せてくれます。
TV版のファンは見て損はない作品でしょう。
…ただ、TV版を未見の人には何が何だかさっぱり判らないままかもしれません。
以下ネタバレ。


ファフナーはキャラクターを観る作品だと思うので、キャラ毎にいろいろ。
近藤剣司は大活躍!
彼は2年間で大きく成長したようです。
相変わらず(愛情を込めて?)ヘタレ呼ばわりされているものの、後輩の面倒をよく見るいい兄貴分になりました。最終戦を一緒にくぐり抜けた同期たちとも、TV版中盤までとは比べものにならないほど強い信頼で結ばれている様子。
一騎が視覚障害者になり、同化現象でファフナー搭乗も制限されまともに戦えない…というか中盤行方不明…という状況で、リーダーとして全員を引っ張るまでになっていました。
要咲良が復活!
TV版では途中で同化現象により意識不明となり、そのままとうとう最終話まで復活しなかった要咲良ですが、今作では日常生活にはほぼ支障がない程度まで回復したようです。
車椅子が用意されていたものの、劇中ではずっと自分の脚で歩いていました。
精神的にも、フェストゥムへの憎しみで暴走しがちだったTV版と違い、カドが取れて前よりずっといい娘になりました。剣司との仲も以前よりよくなっている様子。
※白石稔さんと新井里美さんが『真面目な子』の役をやっているのを久しぶりに見た気が…
カノンは明るく積極的な性格になっていました。生徒会の副会長として活躍している様子。まぁもともと生真面目でしっかりした性格のようだったので、軍隊以外の常識を身につけさえすれば後輩に慕われるいい姉貴分になる素養はあったのでしょう。…同化発症前の咲良とキャラがかぶってるのかな。
本編中、羽佐間容子のことを何度も『母さん』と呼ぶのが印象に残りました。ずっと戦場で生きてきた彼女にとって、家族と呼べる相手がいることは、島に来る以前には想像もできなかったほど幸せなのでしょう。
真壁一騎は、なぜか喫茶店【楽園】で調理師をしていました。『一騎カレー』や『一騎ケーキ』が楽園の看板メニューになっていますが…どんな味?視覚障害が残っているものの、料理の腕は保っているようです。
今回はあまり戦闘には出ていません。むしろフェストゥムとの『対話』がメインですね。
遠見真矢も同じく楽園でアルバイト中。…たぶん彼女は一騎をそばで支えようと思って楽園でアルバイトしているのでしょう…でも一騎の側はまったくそれに気付いている様子ではありません。ちょっと不憫…。
溝口。
日常のシーンではアルバイトの真矢にこき使われてヒーヒー喜んでいます(笑
が、戦闘が始まると実戦部隊のリーダーとして頼もしい存在に。
新キャラ、来主操は人間型のフェストゥム。春日井甲洋のような同化された人間ではなく純粋なフェストゥムが人間型になったものですが、ちゃんと人語を喋ります。
言葉は通じるのにまったく話が噛み合わない…というのが今回のポイント。
彼は『痛みが増えるのを避けるため』に竜宮島のコアを同化する提案をしますが、それは島側からみれば全面降伏の要求。受け入れられるはずがありません。しかし彼はなぜ拒絶されるのか理解できない。子供がだだをこねるように要求を繰り返し、受け入れられないとマークニヒトで戦闘を始めてしまいます。
彼の『成長』あるいは『理解』が1つのキーですね。
遠見弓子の娘・美羽は最終話より後に生まれたのだから、まだ2歳。それにしてはしっかりしているなぁ…まぁ島の子供は遺伝子操作によってみんな何らかの飛び抜けた力を持つ『天才』である、という設定なのですが。
中盤、美羽の存在が島を救うか…?ということになってくるわけですが、娘を危険にさらしたくない弓子はそれに反抗。母親としては仕方ないとはいえ、叛乱にも近いことをやってしまいます。やってしまうのですが…。
皆城乙姫。
すでに肉体を失った彼女ですが、幽霊のように(違)何度も出没します。
えーと、抱きかかえている赤ん坊は…島の新しいコア?乙姫の子供じゃないよね(違)
立上芹。
TVではオペレータの手伝いだった彼女は今作ではパイロットに。初搭乗の模擬戦でいきなり剣司に頭突きをかまして笑いを…いやいや周囲を驚かせます。『頭から突っ込むか…別の装備が必要になるかもな…』で、次の登場シーンでは乗機に角が取り付けられていました。
柔軟すぎるだろアルヴィスのメカニックたちは(小楯保?)
そのまま戦闘に参加し続けるかと思いきや、中盤からはコアの補助としてカプセルの中へ。一歩間違えば自分の肉体も同化してしまうのに…。フェストゥムの墓を作っていたり、彼女なりに『戦い』ではない道をさがしていたようです。
西尾里奈。
両親の死後口をきけなくなった弟に対する苛立ちと『変性意識』により感情が激しくなったことで、TV版より性格が悪くなったように感じてしまいました。搭乗機の主武装が火炎放射器って…近づかなきゃ使えないじゃん…。
終盤では弟と共にゼロファフナーに搭乗。
真壁史彦。
あいかわらず不器用な父ちゃんですが、今回は以前の核攻撃の後遺症が発症…咳をして血を吐いて、って肺癌にでもなったのでしょうか…。
というわけで、何というか…
中盤からは『主人公以外のカップル』とか『リーダーに反発する後輩』とか『司令官の病気』とか『母さん』とか、死亡フラグの大盤振る舞いに見えてしまいます。
TV本編はハッピーエンドだったものの、その後放映されたスペシャル版【RIGHT OF LEFT】は登場人物が全滅するという悲惨な話だったし…
メインキャラの一部を殺して盛り上げるの、好きじゃないんです。
特に未成年が死ぬ場面は、たとえ虚構の世界でもあまり見たくありません。
主人公を追い詰めるためだけに大人を殺すのも嫌です。
乗機を浸食されかかってフェンリルを起動するカノンとか、
機体を破壊されて脱出したものの、脱出ポッドをフェストゥムに掴まれてしまった芹(かな?)とか、
途中ヒヤヒヤする場面が連続するのですが…
あのラストでよかった。
ご都合主義だと言われようが、僕はこの結末で本当によかったと思います。

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