航空自衛隊浜松広報館

航空自衛隊浜松広報館の見学に行きました。行きはGoogleMapの経路検索に従って美術館前バス停からバスで泉町北に移動、そこから歩いたのですが、炎天下たっぷり20分かかりました…
もう少し近いバス停もあるのですが本数が少ないようです。

屋外展示

展示格納庫前にはF-86Fセイバー。第一世代のジェット戦闘機で航空自衛隊初期の主力でした。ブルーインパルスの初代機体として民間人の目に触れる機会も多かった機体です。ゴジラシリーズなど昭和の特撮映画にも何度も登場しています。

屋外にも何機か展示されています。
これはH-21B救難へリコプター。1960年代にアメリカから供与されていました。胴体後部が大きく上に折れ曲がった独特の形状から『空飛ぶバナナ』というニックネームがつけられていました。この形状は前後のローターが干渉しないように高さを変えるためなのだそうです。

C-46輸送機。1950年代~1970年代にアメリカから供与されていました。日本では『空のデゴイチ』などと呼ばれていたそうです。

地対空誘導弾ナイキJ。冷戦時代、高高度を飛来するソ連の戦略爆撃機を迎撃するためにアメリカで開発され、西側各国に配備されました。大型二段式のブースターが特徴的で、見栄えする外見からか特撮映画やアニメなどに似た形状のミサイルがよく登場しています。

レーダー統制トレーラー(RCT)ただのコンテナに見えますが、この後に出てくるレーダーをコントロールするためのトレーラーです。

補足レーダー(ACQ)。目標(敵機)の現在位置を確定するためのレーダー。

ミサイル追随レーダー(MTR)。こちらは見方が発射したミサイルの位置確認と制御のためのレーダー。

展示施設は『展示資料館』と『展示格納庫』の二棟にわかれているのですが、その間の中庭のような部分には要撃戦闘機F-104Jスターファイターが展示されています。格納庫前のF-86Fの次、第2世代にあたる戦闘機として西側各国で運用されましたが、日本では1986年に用途廃止されました。

尾翼にサソリと南十字星?が描かれています。ちょっと調べてみたら、硫黄島に配備されていた無人標的機のものなのだそうです。実はこれはF-104Jではなく改造型のUF-104Jで(外見は同じですが)、この機体以外の同型機はすべて訓練のために撃墜されました(うーん…)

展示資料館

では展示資料館へ。『密』を避けるためなのか、展示資料館→展示格納庫の一方通行になっています。

展示資料館各フロアの配置はこのとおり。3フロアあります。

1階

1階展示室に入って早速目に飛び込んでくるのが、支援戦闘機F-2の実物大モックアップです。F-2はアメリカのF-16をベースに日米共同開発されたもので、第4.5世代戦闘機といわれています。この浜松広報館に展示されている機体の中で唯一の現役機です。

航空自衛隊各部隊の任務紹介動画など。

こちらはF-2の1つ前にあたる戦闘機F-1。日本が第二次大戦後初めて独自開発した戦闘機で、第3世代にあたります。

2階

2階展示室。

政府専用機をはじめ、航空自衛隊が運用する期待の数々。

ラインメタル対空20mm2連砲。ドイツ製の対空機関砲。運用試験のため数台輸入されましたが正式採用には至らなかったものです。これはちょっと珍しい展示かも。

対空機関砲のVADS。こちらはアメリカ製で、令和3年まで基地防空用に配備されていました。

地対空装備も航空自衛隊の管轄なんですね。こちらはペトリオット地対空ミサイル…湾岸戦争時に『パトリオット』として報道されたのと同じもの…の展示です(単なる”Patriot”のカナ表記揺れ)。奥のミサイル本体は実寸かな?屋外のナイキJにくらべるとずっと小型です。手前のケース内には発射台などのミニチュアが展示されています。

イタリア製の航空機SVA9(ズヴァナイン)、史上初めてヨーロッパ(ローマ)から極東(東京)まで飛行した航空機です。展示されているのは1970年の大阪万博のために作製されたレプリカです。

搭乗員装備品。パイロットスーツの他、射出座席やサバイバルキットなどが展示されています。

3階

日本の政府専用機内の紹介コーナー。記者会見席(上)と貴賓室(下)の実物大セット。航空機の中とは思えない贅沢な空間の使い方です。

フライトシミュレータの画面。僚機とともに離陸、宙返り、着陸という3つのミッションをこなします。

フライトシミュレータの画面。僚機とともに離陸、宙返り、着陸という3つのミッションをこなします。

操縦桿とスロットルを操作…ってこれ市販のゲーム機用の奴だよね(苦笑)
僕の得点は79点、まぁまぁでした。

3階は展示スペースはあまり広くないのですが、このような説明パネルが多数あります。

展示資料館3階には喫茶コーナーもあります。昼食を食べていなかったのですが、あまりの暑さにバテ気味だったためかき氷を食べて一休み。

次は展示格納庫へ。渡り廊下から先ほどのF-104Jを見下ろせます。他の機種に較べて幅が狭い(主翼が短い)ことがわかります。この形状により最新鋭機F-35を上回る最高速度マッハ2.2を実現しましたが、そのかわり着陸直前など低速飛行時の操縦が難しいとのこと。

展示格納庫

展示格納庫全景。飛行機好きにはたまらない光景です。

展示機いろいろ

展示資料館からの連絡通路を出たデッキの上を歩いて行くと、すぐ目の前には零戦が釣り下げられています。グアムに不時着・破損して現地に放置されていた五二型甲を復元したものです。

国内に現存している零戦は12機あるそうなのですが、これでそのうち半分の6機を実際に見ることができました。

中庭にもあったF-104J。戦闘機というよりミサイルに近いような細身のシルエットです。

F-86D。F-86Fと姉妹型ですが、胴体最前部がまるごと吸気口でチクワに翼を生やしたような形状のF型とはちがい、ちゃんと『鼻』があります。

戦闘機F-4EJ改。超音速戦闘機では珍しく5000機以上が製造され、西側諸国の空軍で活躍した名機です。初飛行は1958年ですが、航空自衛隊ではなんと2021年まで運用されていました。末期はさすがに老朽化と性能陳腐化が限界だったと思いますが。
長く活躍しただけあって、特撮映画・アニメ・漫画などの創作物にもよく登場しています。

ブルーインパルス

格納庫前にもあったF-86F。ブルーインパルスの塗装ですね。

こちらは国産の高速練習機T-2。F-86Fの後を継いでブルーインパルスに採用されたことで一般市民にも親しまれるようになりました。展示機もブルーインパルス仕様の塗装です。

T-2のコクピット。格納庫に展示されている機体の多くはコクピットが覗けるようになっています。ただし時間帯によってどの機体が見学可か変わるようです。
コロナ前はシートに座ってみることもできたそうですが、現在は中止…。

T-4高等練習機。ブルーインパルス三代目の機種で、新型コロナ流行に対する『医療従事者応援飛行』や『2020年東京オリンピック開幕記念飛行』を行ったのもT-4です。

救難機など

MU-2救難捜索機。その任務の性質上、全天候で飛行可能、下方視界良好、高速でも低速でも安定飛行可という特徴があります。

V-107救難ヘリコプター…と現地の案内板には書かれていましたが正確には派生型のKV-107II-5だと思われます。V-107は汎用の大型ヘリコプターですが、KV-107II-5は胴体後部に大型スポンソンタンク(朱色の円筒形の部分)・胴体右前部にクレーンが追加され、救難活動に特化した機体です。

V-107は後部ハッチが開いた状態で展示されていて、内部を除くことが出来ます。

VR

格納庫の一角にあるVRコーナー。アクロバット飛行のパイロット視点の映像を観ました…面白かったけど酔いました…。

まとめとデータ

駅からはちょっと遠いのですが、充実した展示内容で飛行機好きにはたまらない施設でした。

Webサイトhttps://www.mod.go.jp/asdf/airpark/
地図GoogleMap
開館時間9:00~16:00
休館日毎週月曜、毎月最終火曜、年末年始など
入場料無料
アクセス『泉四丁目』バス停下車徒歩10分など

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