浜松城

突然思い立って浜松城の見学に行きました。続100名城、登城21城目です。

安政年間古図/公園内案内板より

浜松城について

歴史

浜松城のもととなったのは、室町時代の武将・今川貞相いまがわ さだすけが築いたと言われている曳馬城ひきうまじょうです。曳馬城はその後、今川家の家臣である飯尾氏の城となり、永禄3年(1560年)の桶狭間の戦いのときも飯尾乗連いのお のりつらが城主でした。今川義元が討たれて今川氏は衰退し、曳馬城も永禄11年(1568年)に徳川家康に攻略されてしまいます。

その後家康は曳馬城を拡張し、本拠地を岡崎城から曳馬城へと遷しました。このとき城の名も 浜松城 と改めました。

家康が駿府に移った後しばらくは堀尾氏が城主となりましたが、江戸時代になって徳川家の譜代大名の城となり、明治維新で廃城となりました。

構造

本丸の東~南方向に二の丸・三の丸と曲輪が連なる梯郭式の縄張りですが、天守曲輪が本丸から独立しているのが特徴です。本丸と天守曲輪は丘の上に築かれています。天守曲輪は本丸より一段高く、本丸と反対側は帯曲輪で護られています。

見学ガイド

現在は本丸と天守曲輪、西端城曲輪と清水曲輪の一部が城址公園となっています。天守曲輪には近代建築により天守が建てられていますが、資料に基づいていない(資料がない)ため残念ながら『外観復元』とは言えません。中は博物館になっています。

天守以外では、天守曲輪の入口である天守門が復元されています。

いざ登城

JR浜松駅前バスセンターはまんまる円形でした。浜松城の最寄りバス停は『市役所南』です(『浜松城公園入口』というバス停もあるのですが、『市役所南』の方が天守曲輪に近いです)。1番バス停から発車するバスはすべて『市役所南』を通るそうです。

現在の浜松城城址公園はこんな感じ。城の構造を残しているのはこの図の左下あたり、本丸天守曲輪清水曲輪あたりだけのようです。

『市役所南』バス停からだと天守曲輪の裏手が近いです。天守曲輪の背後を護っていた 西端城曲輪 から 清水曲輪 北端にかけての領域は、現在は遊具が設置されて児童公園のようになっています。

西端城曲輪から天守曲輪を見上げています。天守曲輪のこちら側の石垣は細かく折れ曲がる複雑な形状です。ここまで不規則な形はちょっと珍しい気がします。自然の丘の形状を反映しているのでしょうか。

西端城曲輪から天守曲輪へ。この坂道には、かつて埋門がありました。

天守曲輪

天守曲輪に入ってすぐ、井戸跡があります。浜松城には、この井戸の他、本丸と天守台に1つずつ、二の丸に3つ、佐竹曲輪に4つの合計10個の井戸がありました。現在はこの埋門そばのものの他、天守台の井戸を天守穴蔵でみられます。

天守曲輪ですが…ありゃ、天守周辺が工事中でしたか…。今回の旅行は期間限定の某イベントへいくのが目的で、浜松城の下調べが不足していました…Orz

工事中のため、天守曲輪で歩ける範囲が狭くなっています。この写真で見える範囲で全部かな…。入って来た埋門はこの写真左端奥、右手にあるのが天守門です。

天守の周りは完全に浩二の足場で蔽われていて、その姿がまったく見えません。中には入れたのですが…。

天守(博物館)

1階

外観は補修中ですが、天守内部の博物館は見学できます。
まず1階。『家康 浜松に立つ』と題して(って無印ガンダム第1話かよ)、家康の若き日のエピソードなど。

家康が武田信玄にボロ負けした、有名な『三方原の戦い』を解説するシアター。数分の動画3本立てです。左の人物は若き日の家康。

レプリカ甲冑2点。左は三葉葵入りなので徳川家のものでしょう。右は徳川家家臣・本多家のものだそうです。

地下

小さな部屋1つだけですが地下にも展示があります。地下室には天守台にあった井戸が復元されています。

…まぁ穴を見ると硬貨を入れたくなる人ってけっこういるのよね。

2階

2階は城そのもののについての解説など。この展示は動画とミニチュアで浜松城の縄張りの変遷を解説するものですが、全体が明るくなる瞬間がない…

発掘調査で発見された、歴代城主の下門の入った瓦。桔梗紋(太田氏)、無字銭紋(青山氏)、繋九目結紋(本庄氏)など。

城下町から出土した品々。普通の食器のようですね。

浜松城再建関連グッズなど。

火縄銃や脇差しなど、武家の品々。

馬上筒(いまでいうハンドガンのようなものでしょうか)。三葉葵があしらわれています。

この黄金に輝く甲冑は、徳川秀忠のもの…といっても大河ドラマの衣装だそうです。

本丸南側堀の地層断面標本。

3階

天守3階はお約束の展望室なのですが、工事のため窓は閉ざされていましたOrz
せめて天井だけでも。歴代城主の家紋のようですね。

天守門

次は天守門へ。安政の大地震の時の絵図などから復元されました。

天守門横(前の写真の左手)の石垣の上に鳥居が並んでいるのが見えます。

非常に色鮮やかです。天守の補修や内部展示のリニューアルと同様、最近塗り直したものでしょうか。

次は天守門内へ。有料です(天守と共通チケットです)。

復元された土塀。狭間も復元されています。

天守門内部。天守が近代コンクリート建築による復興なのに対し、天守門は構造も考慮されているようです。

天守門内にも発掘品が展示されています。

見つけるとつい写真を撮ってしまう石落とし。

天守門から天守曲輪の外に出ました。天守門の両側には巨大な鏡石が設置されています。

本丸

天守門前からカーブを描いて伸びる石垣のさきには、かつては富士見櫓がありました。

富士見櫓址付近より天守曲輪を振り返っています。天守に較べて天守門が不釣り合いに大きく感じられますが、実は現在の復興天守は本来の2/3くらいのサイズしかないのだそうです。

富士見櫓址から降りると本丸です。若き日の家康の像が建てられています。

本丸から市役所の脇を通って進んでいくと、三方原から敗走した家康が鎧を脱いで掛けたと伝えられる鎧掛松があります。
…とはいえ、これは植え替えられた三代目で場所もちょっと違うのだそうです。意味あるのかそれ。

美術館

城址公園内にある浜松市美術館を見学しました。常設展示を持たない美術館のようで、僕が行ったときは『アルプスの少女ハイジ』の企画展示でした。

展示室は撮影NGなので、記念撮影OKのスポットのみ。これは日本のテレビアニメでの各キャラクターですね。ハイジは原作だとこんな天真爛漫純真無垢な少女ではなく、もっと知的なイメージのようです。お爺さんは傭兵上がりで眼光鋭く、ペーターはややハイジに依存気味(子供向けのアニメに不向きなため改作されたエピソードもあったり)なのだとか。

2階展示室へ向かう階段には、あのブランコも再現!

まとめとデータ

城の構造が保存されている部分はあまり大きくないですが、新幹線停車駅に近く他地方から見学に行きやすい城です。

Webサイト浜松城公園公式サイト
地図GoogleMap
アクセスJR浜松駅より遠鉄バス30/31系統、『市役所南』下車、
JR浜松駅より遠鉄バス50系統、『浜松城公園入口』下車など
続100名城スタンプ天守1階
見学所要時間1時間~(美術館含めず)
開館時間08:30~16:30(天守、天守門)
休館日年末
入場料大人200円、中学生以下無料(天守、天守門)
備考駐車場あり
公園内数カ所にトイレあり

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