旧イギリス領事館

旧函館区公会堂の次は、元町公園を通り抜けて旧イギリス領事館へ。ここも10年くらい前に一度見学しています。その時に書いたレポートと同じようなことを書いてしまいそう(読み返してないw)。

函館にイギリス領事館ができたのは1863年、ただし当時は現在とは場所が違いました。文久3年(1885年)に現在の場所に領事館が建てられましたが明治40年(1907年)に火災で焼失。現在残っている建物は大正2年(1913年)に建てられたもので、イギリス領事館としては昭和9年(1934年)まで使用されていました。その後この建物は函館市に買収され、戦後の一時期を除いて市立病院の施設として使用されていましたが、昭和54年(1979年)に函館市の有形文化財に指定され、旧イギリス領事館・開港記念館として整備されて平成4年(1992年)より一般公開されています。

上の写真は見学コースの入口です。建物裏側には洋式庭園があり、6末~7月頃にはバラが見頃だそうです。またその時期に来る機会があったらいいなぁ…。

入口付近には領事館の門章が展示されています。1階の展示はこれだけで、すぐ階段で2階に上って見学するようになっています。

旧領事館としての展示

領事執務室

まずは領事執務室。その名の通り、領事の執務室の様子が再現されています。また、箱館戦争当時の領事で、函館市民から『豆コンシロ(consule=領事)』の愛称で親しまれたリチャード・ユースデン(Richard Eusden)領事についての解説もあります。

窓から覗いているこの方がユースデン領事でしょうか。『豆コンシロ』の愛称から、当時の日本人から見ても小柄な人だったのか?と想像してしまいますが、この人形がユースデン領事の体格をそのまま反映しているとすると、たしかに僕(現在の成人男性平均よりちょっとだけ背が高い)に較べるとかなり小柄な印象です。

領事が使っていた執務机。それほど大きなものではありません。

奥に写り込んでいる三脚は僕のものではなく、部屋に備え付けられているようでした。見学者が記念撮影に使って良い奴なのかな?

家族居室

領事執務室の隣には家族居室があります。こちらの部屋の調度類は領事たちの私生活の場を思わせるものになっています。またユースデン夫人の功績や人となりについても紹介されています。

ユースデン夫人は、自宅で女紅場じょこうば(遊郭で働く女性達のための技術指導や勉学の施設)の責任者に西洋洗濯の方法を教えたり、西洋洗濯伝習所の講師として指導にあっていたそうです。

テーブルの上には、ついさっきまで領事夫妻がお茶を飲んでいたかのようにティーセットが並べられています。

壁には、オシャレな形をした暖炉が。

開港ミュージアム

見学コース後半は開港ミュージアムとして、函館港開港前後の歴史についての解説されています。

函館開港の歴史室

領事執務室や家族居室のあるフロアから階段を下りる(中2階?)と、函館開港の歴史室です。両側の壁にびっしりと歴史の解説が掲示されていますが、右手奥に置かれている2つの樽も実は展示で、のぞき穴から中を覗くと…

1つは、基坂もといざか(旧イギリス領事館のすぐ前、函館区公会堂から海まで真っ直ぐ下る坂)の現在と明治時代の姿が見られます。

もう1つは、覗きながらハンドルを回すと”Camptown Races”の陽気な歌声に乗って人形が踊るアニメーション(ごく初期のアニメーション機器であるフェナキストスコープ)がみられます。

…アニメーションの方は主旨がよく判りません。

ペリー提督に見送られて展示室を後に。

開港記念ホール

函館開港の歴史室をデルと、そこは開港記念ホールという大きな吹き抜けの空間になっています。床全面に巨大な絵は、開港当時の函館を描いた鳥瞰図…なのですが、左の方にはなぜか突然上海やマカオがあります。本州九州どこいった。というか函館だけ異様に巨大ですが。

函館ハイカラスクエア

最後は函館ハイカラスクエアです。開港当時の街の風景を背景にした顔出しパネルで記念撮影ができます(パネルの向こうに鏡があって、顔出しして自撮りができるようになっています)。

データ

Webサイト函館市旧イギリス領事館 公式サイト
地図GoogleMap
アクセス市電『末広町』より徒歩5分
開館時間4~10月:09:00~19:00
11~3月:09:00~17:00
休館日年末年始
入場料大人300円、学生・生徒・児童150円
※旧函館区公会堂、北方民俗資料館、文学館との共通券有り
※4館840円、3館720円、2館500円(学生以下は半額)

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