萩城

萩城について

(萩博物館のジオラマ)

歴史

慶長9年(1604年)、毛利輝元もうり てるもとによって築城が開始され、慶長13年(1608年)に完成しました。輝元は完成を待たず、慶長9年中に入城しています(萩が選ばれたのは幕府の指示で、実は輝元は山口に城を作ることを望んでいたともいわれています)。文久3年(1863年)、13代藩主・毛利敬親もうり たかちかは萩藩の藩庁を山口城に移しますが、萩城はそのまま明治維新まで存続します。

明治になって、廃城令により城内の建物は破却されました。現在は内堀とその北側(本丸、二の丸の一部)が指月公園となり、堀と石垣が復元・保存されています。

構造

海に突き出し、三方を海に囲まれた指月山の山頂を詰城とし、その南側の山麓に本丸をおき、本丸の周囲三方を二の丸で囲み、さらにその外側に三の丸を配置し、三重の堀で囲んだ梯郭式の平山城です。

いざ登城

萩博物館から徒歩で萩城内堀へ。バスもあるのですが本数が少なく、歩いた方が早そうなので…。萩博物館があるのは三の丸ですが、三の丸と二の丸の間にあった堀は埋め立てられ、内堀前までは市街地になっています。

内堀にたどり着いたあたりから天気が急速に悪くなってきました。背後の指月山の上には詰城があるのですが、雨が降りそうなのでそちらは断念。平地部分だけ見学します。

本丸

萩城は現在、本丸と二の丸の一部が指月公園として整備されています。この橋の先が指月公園の入口、本丸東門跡です。ここから先は有料。

博物館にあったジオラマを思い出すと、料金所のあるあたりは枡形になっていて、手前に高麗門、左に曲がったところに櫓門がありました。また橋は木橋だったようです。

志都岐山神社

東門を入ってまもなく鳥居が現れます。本丸の中心部は現在、志都岐山しづきやま神社になっています。志都岐山とは指月山の別表記でしょう。現在の山口市内にある豊榮神社・野田神社を分社して建立されたもので、毛利元就をはじめ歴代の萩藩主が祀られています。

ちなみにこのあたりは2015年に放映されたNHK大河ドラマ『花燃ゆ』のロケ地だそうです。

そのまま直進すると狛犬があります。

鳥居をくぐってそのまま直進すると小さな石の太鼓橋があります。これは万歳橋といい、もとは藩校・明倫館にあったものが移築されました。聖廟の前に池を作って石橋を架けるというのは、諸侯の学校で有ることを象徴する中国上代の様式です。

万歳箸は江戸時代の藩校の貴重な遺構ということで萩市の文化財に指定されてます。現在は渡れません。

城内には多数の桜の木があり、そのほとんどはソメイヨシノなのですが、万歳橋の近くにあるこの1本はミドリヨシノという別の種類です。ソメイヨシノによく似ていますが花びらが純白でガクが緑色なのが特徴。ソメイヨシノより少し早く咲くそうです。非常に珍しい種類で、日本では萩でしか見られない種で、県の天然記念物に指定されています。ここにあるものは樹高6m、根元の幹周1.7m、樹齢は100年と推定されています。

さらに進んで、志都岐神社に参拝。

福原家書院

参道のすぐ近くにあるこの建物は、萩藩永代家老福原家の旧宅の一部で、江戸中期の建築です。他の場所から移築されました。

花江茶亭

狛犬の前まで戻って西へ進むと、花江茶亭があります。もとは三の丸にあった藩主別邸花江御殿の茶室を移築したものです。市の登録有形文化財になっています。

天守台

南へ進んで天守台へ向かいます。
目の前には内堀、左手奥に天守台があります。
この景色、修学旅行の時に来ているはずなのですが、見たが記憶があるようなないような…

この通り現在は天守台しか残っていませんが、かつては附櫓の接続した五層五階復合式望楼型の立派な天守がありました。明治維新まで残っていましたが廃城令で破却されました。

天守台の上はこのように規則的に並んだ礎石が見られます。

天主台の上から内堀を。堀の幅は35mもあります。
奥には先ほど渡った東門前の橋が見えています。

二の丸

次は東へ。現在は境界になる土塀などがないのですが、志都岐神社を超えて東に進むと二の丸に入ります。

東園跡

神社の北東あたり、6代藩主・毛利宗広もうり むねひろの頃に造営された回遊式庭園・東園がありました。

潮入門

東園跡から城の一番東の道を南下していくと、潮入門があります。現在残っているのは石垣だけですが、もとは櫓門でした。ここを出るとすぐ浜辺です。

潮入門を外から。門の左手(南側)には銃眼のある土塀が復元されています。

これで山上の詰城以外はひととおり回ったかな?
天候が急激に悪化してきたのでこのあたりで見学を終了します。天気が良いときにまた来て、今度は詰城も見たいな…

データ

Webサイト萩市観光協会公式サイト内の萩城跡指月公園紹介
Google Map萩城跡
アクセスJR萩駅、萩バスセンターなどより萩循環まぁーるバス(西回りコース)乗車、
『萩城跡・指月公園入口・北門屋敷入口』下車徒歩5分
(一乗車100円、1日乗車券500円)
100名城スタンプ本丸入口料金所
開園時間4~10月:08:00~18:30
11~2月:08:30~16:30
3月:08:30~18:00
休園日無休
入園料大人220円、小中学生100円(旧厚狭毛利家萩屋敷長屋との共通チケット)

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