宇和島城 その2

本丸

本丸の入口である一の門跡。工事中ですね…。

本丸全景。初期方向正面に天守、後方に一の門、左手やや後方に礎石らしきものが並んでいるのは御台所跡です。本丸もあちこちにロープが張ってあって歩けない場所が多くありました。

天守

いよいよ天守です。宇和島城の天守は全国で12しかない現存天守の1つで、国の重要文化財に指定されています。

現在の宇和島城天守は層塔型三重です。これは藤堂高虎による築城時のものではなく、伊達宗利によって改築されたものです。高虎時代の天守は、望楼型三重・壁も現在の白漆喰ではなく下見板張りと、まったく違う外観であったとされています。

小振りな独立式天守で、天守台の石垣も低めです。他に本丸の建物が復元されていないこともあって、広い中にこぢんまり、ポツンと建っているような印象です。石落としや狭間もなく、あまり実戦的な印象は受けません。大坂の陣から50年近くが経過し、大きな合戦が遠い昔の出来事になった頃に改築されたためでしょうか。

玄関には三種類の宇和島伊達家の家紋が並んでいます。

1階

天守1階です。武者走り(外周通路)と内部の部屋に別れています。

まず目につくのが障子です。天守に障子があるのはかなり珍しいです。
そして床をよく見ると、敷居が単なる障子のレールとしては高く、内部の部屋側からは数cmの高さになります。このことから、内部は畳敷きなのではないかという説もあるそうです。

部屋には、天主模型、鎧、藩主の肖像などが展示されています。
高い位置に明かり取りのためと思われる障子の窓があるのが特徴的です。また外周は梁が剥きだしなのですが、部屋は天井板が張られています。

現存している天守の模型のようですが、玄関部分が省略されています。

2階

2階も基本的な構造は1階と同じです。外周通路と内部の部屋は高い敷居と障子で区切られています。

それぞれの窓の下にあるこのフック状のものは、たぶん銃を架けておく武器ラックでしょう。竹棒は窓の戸締まり用だと思います。

2階内部はこのようになっています。1階に較べると天井は低く、明かり取りの窓もありません。

やたらとカッコイイ屏風絵です。絵のテーマは、左から伊達政宗伊達秀宗宇和島城天守宇和島さんさです。宇和島さんさは宇和島地方の民謡で、宇和島伊達家が仙台伊達家に対抗して歌ったものが元になっていると言われています。

3階

天守3階は全体が1つの部屋になっています。

元禄6~8年(1693~95年)に描かれたと推定されている宇和島城下絵図屏風の原寸大複製。宇和島城を南西から観た構図です。

天守3階よりJR宇和島駅方面を観ています。山の高さ+天守の高さでなかなか眺めが良いです。
中央やや左寄りに宇和島駅、やや右寄りの山の上には宇和島観光の目玉の1つである闘牛場があります。

井戸丸

本丸を出て、先ほどの分岐点に戻り、今度は上ってきたのとは反対の北東側へ降りていきます。

するとまもなく井戸丸に到着します。宇和島城には井戸が3つあるのですが、そのなかでもこの井戸丸のものが最も重要だったといわれています。有事に水の確保は重要なため、門や櫓などで守られていたと考えられています。

井戸はこんなかんじ。直径2.4m、深さ11mの穴が残っています。
格子の下には石の枠が残っているようでしたが、中がのぞき込めるほどには近づけませんでした。

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井戸丸から少し下ったところに、石垣がきれいに残っている場所がありました。

三之丸

下まで降りてきました。
写真は城山の桑折長屋門こおりながやもんです。この建築物はもともと城門だったわけではなく、家老の桑折氏の屋敷に残っていたものが昭和になってから譲渡され、現在の場所に移築されたものです。宇和島城のものではありませんが、武家屋敷の現存建築物ということで市の有形文化財に指定されています。

この門の外は三の丸ですが、現在は一般の住宅や店舗、駐車場になっています。門のすぐ近くに建物があるため門の全体像を撮影するのはムリでした。超広角レンズがあれば良いのかな…。

こちらの登城口から上るコースは、いま降りてきた井戸丸を経由するやや急な階段の他、坂道を上って長門丸(児童公園)裏手に接続する道があるようです。今回通らなかったその道が、たぶんいちばん傾斜がゆるやかです。

というわけで、無事に宇和島城見学終了。
あちこち通行止めだったので、いずれまた訪れて今回観られなかった場所にも行ってみたいです。

データ

Webサイト宇和島市公式サイト内の宇和島城ページ
宇和島市観光物産協会サイト内の宇和島城ページ
Google Map宇和島城
アクセスJR宇和島駅より徒歩10分で登城口(桑折長屋門)
100名城スタンプ天守
見学時間開門時間:3~10月:06:00~18:30、11~2月:06:00~17:00
天守、郷土館:3~10月:09:00~17:00、11~2月:09:00~16:00
定休日無休
入場料天守:大人200円、中学生以下無料
公園散策、郷土館見学は無料

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