関西旅行3日目。
5時台に宿を出発。
阿部野橋から近鉄に乗り、古市で吉野線に乗り換えて7時半過ぎに壷阪山に到着。
今日の最初の目的地は、日本3大山城の1つである【高取城】です。
観光案内などにはバスで壺阪寺までいってそこから徒歩…とあるのですが、バスは始発が10時。さらに50分以上歩かなければなりません。
地図をよく見ると二ノ丸のすぐ近くにある【七つ井戸】までは車でいけそうなので、そこまでタクシーを利用することにしました。
#タクシー代は2000円ほど、バスだと310円です。
というわけで駅から20分弱で【七つ井戸】到着。
地図上は七つ井戸に駐車場があることになっていますが、タクシーが折り返せる程度に道が広くなっているだけ。ここに車を停められるという前提では行動しない方が良いでしょう。
ここから直接二の丸に上がっていきます。
七つ井戸には、その名の通りいくつかの井戸跡があります。
その間を抜けるように上り坂と階段が続いています。
地図で確かめると水平距離100m、標高差で30m以上あるのですが案外楽に登れてしまいました。
登り切ったところが二ノ丸です。
建物はまったく残っていませんが、櫓台の石垣が見えます。
二ノ丸から下の門~上の門と登り、本丸石垣のすぐ下までやってきました。
このあたりの石垣は奇麗に残っています。
本丸の入口、本丸一の門跡。
桝形の構造がしっかり原形をとどめています。
何度か曲がって本丸内へ。
山城としてはかなり広い本丸。
北西角に大天守、南西角に小天守、東側にも櫓跡があります。
本丸からの眺望。
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二ノ丸へ戻って、
大手門から三ノ丸へ。
城の正門である二ノ門へ行くにはここから北へ向かうのですが、
先にいくつかある枝道の方を見ていきます。
まずは本丸の東側を回って城の裏門・吉野口の方へ向かう道へ。
大手門前から下っていってすぐ、ここにも井戸跡があるのを見つけました。
この写真のものの他にも井戸跡がありました。
山城なのに本丸に近い位置にいくつも井戸があるのは、立て籠もるのには有利でしょう。
写真では判りにくいのですが、かなり高い位置に水面があります。
いまでも水が湧いているのか、それとも孔に雨水などが溜まっているだけなのかはわかりませんが。
さらに進んで。
ここは本丸より20mくらい低い位置になります。
右手の石垣のずっと上が本丸。
道の左側はいまはすっかり林ですが、地図によるとここには大きな侍屋敷が多数ならんでいたようです。
吉野口跡。
冠木門かなにかがあったのではないかと思うのですが、遺構はまったくみられず。
標識によるとこの先は吉野道芋峠…僕はこれ以上は進みませんが。
大手門前からここまでは道程約350m。けっこう歩きますが最初の階段以外は傾斜はなだらか。
大手門前からもう1つの枝道、今度は西側に折れて壷坂口へ向かう道を進みます。
写真は壷坂口中門跡。一部に階段が増設されています
壷坂口中門から壷坂口門へ至る道も林の中をつっきっていくようになっています。
ここも両側に侍屋敷が並んでいたはずなのですが、今の姿からそれを想像するのは難しいですね…。
壷坂口門。
ここからさらに下っていくと小さな駐車場があるようですが、一般観光客が停められるのかは不明。
大手門前からここまでは道程150m、高低差50m…そんなにあったっけ?
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三ノ丸、大手門前へもどり、今度は二ノ門方面、北へ向かいます。
ここからしばらくは一本道。
【千早門】跡。
門は奧の右へ曲がった位置です。
手前右手の石垣の上には城代の屋敷がありました。
【宇陀門】跡。
なぜかここからは次の【松ノ門】へむかって急な下りに。
【松ノ門】跡。
まだまだ下りが続きます。
【矢場門】跡。
いままでの門は両側の石垣などがみられたのですが、ここにはほとんど何も残っていません。
矢場門をでた位置でまた枝道に入ります。
東へ100mほど進むと…
【国見櫓】跡。
斜面の上に突出した格好になっています。
国見の名の通り、むしろ本丸からよりも眺めがよく、大和地方を一望できます。
左手には金剛山や葛城山、正面やや右にはかすかに生駒山も見えています。
天候がよければ大阪市内のビルが見えることもあるそうです。
そしてやっとたどり着きました、二ノ門。
ここより内側が【高取城郭内】。二ノ門から本丸までは道程700m、標高差100mもあります。
僕は本丸から降りてきたわけですが、上って行ったらかなり大変だと思います…。
さらに門が10以上。
攻めるのが大変な城だということがよく判ります。
二ノ門のすぐ外にある【猿石】。
飛鳥時代の作が高取城築城時に掘り出され、石材として運ばれてきた物が門外に置かれた…放置?安置?…のようです。
かなりデフォルメされたデザイン。
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というわけで、あとは山を下りるだけなんですが…
これが遠い!
山道が終わる【宗泉寺】下まで僕の足で25分かかりました。
普通の人の足で登るとその倍の50分くらいはかかると思います。
途中、何組もの登城者とすれ違ったのですが、全員が僕に同じ質問をしました…
『ここから城跡まで何分くらいですか?』
頑張って登って下さい…。
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ここが【宗泉寺】。
高取藩主植村氏の菩提寺です。
ここまでは車が入ってこられるようです。疲れたらタクシーで駅へ向かうことも可能?
でもあとは駅までなだらかで舗装された道が3km程度なのと、
経路途中で武家屋敷跡が見られるらしいのでそのまま歩くことにしました。
宗泉寺よりさらに数百m下ったところに【黒門】(高取城のいちばん外側の門)があったはずなのですが、それらしい遺構も看板も見あたりませんでした。
黒門があった(と思われる)あたりからは視界も開けてきます。
川沿いには砂防ダムと公園があったり、
水車小屋があったり。
水車小屋は中も覗けるのですが現役で使われている物のようでした。
さらに進んでいくとだんだん周囲に民家も増えていきます。
建ち並ぶ家の中には、時々
このような、旧武家屋敷もみられます。
写真は【田塩家】の屋敷。
駅まで1kmという位置まで来るとすっかり『町の中』。
ですがここにも城の関連物が。
松ノ門の復元。
オリジナルは高取城廃城の後、明治25年に小学校の校門として移築。
昭和19年に一部焼失・解体されてしまいましたが、焼け残った材木を利用してここに復元されたのだそうです。
案内図によると本来は上に屋根がついていたそうです。
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地元観光案内所で高取城の100名城スタンプゲット。
高取城の案内のビデオなどを上映してくれたり、お茶をご馳走になったり。
奈良産業大学のスタッフが製作した復元CGは見応えがありました。
ここで見られます↓
http://www.nara-su.ac.jp/archives/takatori/
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というわけで、想像以上の規模だった高取城、見応え(&歩きごたえ)がありました。
でも早朝から登っていたのでこの時点でまだ11時前。まだまだあちこち回れます。
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【高取城】
見学自由
本文中にも書いたとおり、多くの観光案内に書かれたコースではなく、
・駅前からタクシーで七つ井戸へ向かう→本丸へ直接登る→二ノ門側へ降りてくる、
というコースが体力的には有利です。
・壷阪寺までバスで行く場合、七つ井戸または壷坂口まで50分ほど歩くことになります。
・宗泉寺側から順に上って行く人も多いようです。
いずれにせよ本丸~二ノ門までの全体を見ようとすれば2時間程度は山道をあるくことになりますのでそれなりの格好でいくことをお勧めします。
高取城の平面図がダウンロードできます。
今回はこの図面を見ながら歩いてみました。
http://www.takatori-guide.net/mapdist.html