月山富田城 その1

旅行4日目は朝から月山富田城がっさんとだじょうへ。日本100名城65番、登城81城目です。

月山富田城について

歴史

月山富田城の始まりは鎌倉時代の承久3年(1221年)頃、鎌倉幕府御家人で出雲源氏の祖である佐々木義清ささき よしきよが出雲・隠岐の国守となった頃だと言われています。室町時代に守護代・尼子氏が月山富田城を居城として勢力を伸ばし、戦国時代に至るまで長く尼子氏の根拠地でしたが、永禄9年(1566年)に毛利氏に攻められて落城、月山富田城は毛利家のものとなりました。その後しばらくは毛利家家臣が次々に城代・城督として月山富田城に入城しました。

慶長5年(1600年)、関ヶ原の戦いの戦功で堀尾忠氏ほりお ただうじが出雲国に移封されて月山富田城に入城しますが、慶長16年(1611年)に本拠地を松江城に移し、月山富田城は廃城になりました。

構造

標高197mの月山山頂に本丸を置き、そこから北西に向かって伸びる尾根に二の丸・三の丸などの曲輪が配置された山城です。また山腹に山中御殿さんちゅうごてん、山麓に里御殿がありました。

いざ登城

公式サイトや100名城ガイドブックには、『JR安来駅よりイエローバス・観光ループ線で月山入口バス停へ』と書かれていますが、本数が少ない上に一番早く現着するのが10:19と、あまり使い勝手が良くありません。そこで今回は、本数が倍以上あるJR荒島駅発のイエローバス・広瀬荒島線を利用して月山に近いショッピングセンター前バス停に行き、そこから歩くことにしました。これだと9時前に現着することができるので、ゆっくり登っても昼頃には麓に戻ってくることが出来るはずです。

8時過ぎにJR荒島駅に到着。駅ロッカーがない!
というわけで全荷物を背負っての月山登山決定Orz

ショッピングセンター前というバス停で下車。ショッピングセンター裏手の土手を上ると、登城口でもある安来市立歴史資料館が見えています。ガイドブック等に書かれている月山入口バス停は資料館の目の前のはずなので、それに比べるとちょっと歩く必要があります。といっても道程で700mほどなので徒歩10分くらいです。

歴史資料館に向かう途中にあった赤門。この赤門の近くに記事冒頭の地図があったのですが…今まで登城した中でも五本の指に入る判りにくさです(苦笑)。実際、この後道に迷いました(笑)

赤門から少し登ったところにある巌倉寺です。
左手の黒い碑が山中鹿介幸盛(尼子氏の家臣、尼子氏が毛利氏に降伏した後、尼子氏再興のために尽力した)の供養塔、右手奥に進むと堀尾吉晴(月山富田城最後の城主となった堀尾忠氏の父)公の墓地があります。

堀尾吉晴公の墓地です。

山中御殿

いったん巌倉寺本堂前に戻り、そこからはしばらく道路を歩いて、山中御殿下へ。

山中御殿下より。初期方向正面に山中御殿の曲輪を固める石垣が見えます。その手前にある池は軍用大井戸とよばれる溜池です。山中御殿の奥の山の斜面には三の丸~本丸へ向かう七曲が見えます。

標高70~80mほどの月山山腹にある山中御殿跡。名の通り月山富田城の御殿がありました。周囲は石垣で固められ、塀や門や櫓が曲輪を守っています。また麓からの菅谷口、塩谷口、大手口の3つの登城路はここで合流し、山頂部へ続く七曲に接続します。
現在も整備工事が進められているようです。

櫓跡のようです。

雑用井戸。水面が見えます。

菅谷口登城路が接続する門跡。

塩谷口登城路が接続する門跡

七曲

それではいよいよ登り始めます。山頂部へのアクセスルートはここしか有りません。城を攻めるには難所だったと思いますが、現在はこのようにしっかり舗装された新しい階段が三の丸まで続いているので安全に登ることが出来ます。もっと上の方、斜面の傾斜が急な部分は手すり(というか転落防止の柵?)もつきます。

親子観音

登り始めてすぐにある親子しんし観音

堀尾吉晴の娘婿で家老の堀尾河内守には勘解由かげゆという子がいました。堀尾忠氏の死後、河内守は勘解由を藩主の座につけようと、忠氏の子・忠晴(後の松江城初代城主)の暗殺を企てますが失敗、死罪となった…という伝承があります。この親子観音はその勘解由を弔うためのものと言われています。
(ただしこのお家騒動の顛末自体、いろいろ疑問があるようです)

親子観音を過ぎたあたりから登りが本格化します。七曲の名の通り、ジグザグに折れ曲がった道が続いているのがよく見えます。2016年11月下旬まで山上部への立ち入りを禁止して工事が行われていたのですが、その時に散策路の整備と樹木の伐採が行われ、このように登りやすく、景観もスッキリしたようです。

山吹井戸

七曲登城路の途中、ちょっと枝分かれして、山吹井戸があります。

山吹井戸には水が溜まっているのが見えます。
井戸の近くにはベンチがあり、七曲登城中に休憩できるようになっています。
…一気に登るのはそれなりにキツイので、ありがたいです(苦笑)

長くなってきたので記事を分けます。次は山頂部へ。

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