藤ノ木古墳のちかくに【斑鳩文化財センター】なる施設があるという案内が掲示してあったので寄ってみることにしました。
藤ノ木古墳から徒歩3分ほどです。
斑鳩文化財センターは2010年3月にオープンしたばかりなんだそうです。
この記事を書いている時点では、まだ観光ガイドにもほとんど掲載されていなければGoogle Mapで検索しても表示されません。
最新の施設なのに平屋建てで屋根は瓦葺きというのがちょっと変わっています。
入口前には藤ノ木古墳の石棺の模型が展示されています。
先ほど見た、藤ノ木古墳の中のものはうすいオレンジ色に見えましたが、本来は水銀朱で塗られていたのだそうです。
…でもここまで真っ赤だと公園の遊具みたいですね…
受付から展示室へと続く通路は、藤ノ木古墳の石室と幅や長さを合わせてあるようです。
床や壁には実物の石の様子がイラストで描かれています。
玄室(げんしつ、石室のうち棺が安置されている部屋のこと)へ進むと、副葬品が発見された位置もイラストで描き込まれています。
奧にみえる2本の赤い線が石棺の置かれていた場所を表しています。
展示室には出土品(レプリカですが)が展示されています。
これは冠。
いまは平面になってしまていますが、もとはハチマキの上に飾りがたくさんついたような形状。
靴。
上面や側面はもちろん、なぜか底面にも多数の飾りがついています。
…こんなものを履いてまともに歩けるのでしょうか…。
馬の鞍の金具。
非常に凝った精密な透かし彫りです。
細かい部分までよく見ると…
鬼?
さらによくみると、取っ手の部分を口にくわえて支えているというデザイン。
象!
意外にリアルな描写ですが、当時の日本人は象という動物の存在すら知らなかったのではないでしょうか…。
龍?
このように大陸由来のモチーフが多数ちりばめられています。
展示室内にも石棺のレプリカが置かれています。
ここのものは内部の様子まで再現されています。
※もちろん人骨や副葬品は本物ではありません。
発掘時には溜まった水をゆっくりと抜き、
写真を撮りつつ表面から少しずつ出土品を採取し泥を除きながら非常に長い時間をかけて調査が進められていったそうです。
最後に、映写室で発掘調査の様子を記録したビデオを見せてもらいました。
見学者が僕一人しかいない、完全貸し切り上映(笑)
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というわけで、なかなか興味深い物を見られました。
法隆寺方面へお出かけならぜひ寄ってみて欲しい施設です。
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【斑鳩文化財センター】
http://www.town.ikaruga.nara.jp/bun/omo/item_281.html
奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺西1-11-14
開館時間:9:00-17:00
休館日:水曜
入館料:無料
見学所要時間:展示室のみなら30分、ビデオを見ると1時間程度