かまど地獄
3つ目はかまど地獄。氏神の竈門八幡宮の大祭に、地獄の噴気で御供飯を炊いていたことからこの名で呼ばれるようになりました。泉質は含芒硝弱食塩泉(ナトリウム-塩化物泉)、温度は98度です。一丁目~六丁目とよばれる様々な色の温泉があり、さながら地獄巡りのダイジェスト版のような地獄です。
ちなみに写真の大かまどは直径1.7m・従量800kgもあるそうです。
一丁目
粘性の強そうな、赤褐色の地獄です。この赤色は粘土が溶け出した色です。
二丁目
かまど地獄のシンボル、かまどの鬼がいます。この鬼は八幡竈門神社の伝承に登場する人を喰う悪鬼で、八幡神との勝負に負けた後、改心して地獄の門番となったものです。
写真では判りませんが、岩の隙間から水蒸気が噴き出しています。
三丁目
三丁目は青色の湯が特徴。温度はやや低めの85℃です。
周囲を縁取る白い物質は非晶質のシリカ(SiO2)温泉沈殿物です。
温泉体験コーナー
飲用の温泉水のようです。
のどと肌の湯、とあるので、この湯気を吸い込めというのでしょうか…。
四丁目
一丁目と似た、熱泥がポコポコとわき上がる地獄。ここも粘土が溶け出した湯です。
4~6丁目では、『たばこの煙を吹きかけると湯気が増える』実演が見られます。
『水蒸気』は目に見えません。が、空気中に煙などの微粒子があると、それを核にしてごく小さな水滴となります。それが目に見える『湯気』です。…リクツは知っていましたが、やはり実際に見ると面白いですね。
五丁目
この池は年に数回、青だったり緑だったり、濃かったり薄かったりと色が変わります。この日はやや緑がかった青白い色でした。色が変わる原因はわかっていません。
六丁目
熱泥の地獄です。昔は灰色だったのが、だんだん変化して現在は写真の通り強い赤色です。これは酸化鉄の色で、地中の鉄分が何らかの原因で溶け出すようになったと考えられています。
ちょっと一服
売店で蒸し饅頭とラムネを買ってひと休み。
鉄輪地獄地帯公園
かまど地獄の先に、鉄輪地獄公園があります。
別府市と友好都市になっている、中国山東省烟台(煙台)市から贈られた八仙人彫刻像。八仙人とは悪を懲らしめ貧しい人を助ける存在で、漢鍾離、張果老、韓湘子、李鉄拐、曹国舅、呂洞賓、藍采和、何仙姑の8人がいます。日本で言えば七福神のような存在だそうです。
郭沫若先生詩碑。郭沫若は中国の政治家・文学者で、ここに刻まれているのは昭和30年(1955年)に別府を訪れた際に詠んだ詩だそうです。
山地獄
次の海地獄へ向かう途中に、山地獄というものがありました。山裾にあり、山の斜面のあちこちから水蒸気が噴出していることからその名がついたのだそうです。別府地獄組合加盟ではないので(でも記事冒頭の地図にはちゃんと載ってる)、共通チケットは使えないのですが、せっかくなのでここも覗いていくことにしました。
動植物園
山地獄は、地獄そのものより温泉の蒸気の熱を利用したミニ動植物園がメインのようです。
入ってすぐ、サボテンの温室。
フラミンゴが多数。
こちらはインドクジャクですね。しばらく観ていたのですが、残念ながら羽を広げてくれませんでした。
人気のカピバラ。温泉好きらしいです。
ヤギは餌やり体験もできるようです。
地獄
山地獄。他の地獄と較べると湯の量は少ないようなのですが、そこここから水蒸気が噴きだし湯気が立ち上っている光景はなかなかの迫力です。
データ
別府地獄組合共通
Webサイト | 別府地獄組合 |
アクセス | ・海地獄・白池地獄・鬼石坊主地獄・鬼山地獄・かまど地獄 JR別府駅またはJR亀川駅よりバス利用、『鉄輪』または『海地獄前』下車 ・血の池地獄・竜巻地獄 JR亀川駅よりバス利用、『血の池地獄前』下車 鉄輪~血の池地獄間のバスもあります(別府駅は通りません) |
入場券 | 共通券(7つの地獄に1回ずつ入れる、2日間有効) 大人2000円、小中学生1000円 |
営業時間 | 08:00~17:00 |
休業日 | 年中無休 |
かまど地獄
Webサイト | 別府地獄組合サイト内のかまど地獄紹介ページ かまど地獄 |
Google Map | かまど地獄 |
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