鞠智城 1

九州旅行3日目です。続100名城登城17城目、熊本県北部の鞠智きくちへ行きました。

鞠智城について

歴史

鞠智城について正確なことは判っていませんが、鞠智城は天智2年(663年)の白村江の戦いの後、唐・新羅に対する防衛のために大和朝廷によって築かれた城だと考えられること、また続日本紀に文武天皇2年(698年)にこの城を修復したという記録が残っていることから、7世紀後半に築かれたものとされています。築城当初は大野城などと同様、海外からの侵攻に備えるための軍事施設でした。当時九州地方を統治する政治の中心であった太宰府と、それを護る大野城などに食糧を送る兵站基地であったと考えられています。その後、奈良時代には役所としての性格が強くなり、平安時代には食糧備蓄基地となっていったと考えられています。このように役割を変化させながら、10世紀中頃まで約300年にわたって存在を続けました。

ところで鞠智城は『鞠智』・現在の地名は『菊池』と、読みは同じ『キクチ』でも字が違うのですが、これは平安時代に変化したもので、鞠智城も平安時代の文献では『菊池城』と記述されているそうです。

構造

鞠智城が築かれたのは標高90~171mの台地に築かれた古代山城です。城の周囲の谷や崖を生かし、稜線に沿って土塁を築いて防衛する、朝鮮式山城という型式です。日本100名城や続日本100名城になっている福岡県の大野城(86番)や基肄城(184番)、長崎県対馬の金田城(186番)も同じ型式です。

山城といっても中心部に広く平坦な領域があり、そこには多数の建物が並んでいました。さらに物資を貯蔵する大きな池を有するなど、独特の構造を持っています。それらを囲む稜線に土塁が築かれ、その周の長さは3.5km、総面積は55haにもなります。

見学ガイド

中心部となる広場には複数の建物が復元され、温故創生館(展示館)や飲食店(2022年4月オープン予定)もあり、駐車場も整備されています。これらを見学するだけなら軽装で大丈夫です。

稜線の土塁や展望所、それを超えた先にある門跡まで見学する場合は、最低でもトレッキングシューズなど舗装されていない道を歩ける用意が必要です。

公共交通機関でのアクセスの場合、鞠智城公式サイトには熊本市からバスで菊池プラザまで行き、そこからタクシーを利用する方法が紹介されていますが、一寸榎いっすんえのきバス停からなら1.5km、徒歩20分ほどです。ただし一寸榎を通るバスは本数が少ないので時刻表をよく確認しておく必要があります。

九州産交バス時刻表検索はこちら

一寸榎バス停から鞠智城までの徒歩ルート例はこちら

いざ登城

天気は無情にも雨。最初は朝イチで登城して午後は熊本市に戻って美術館見学でもしようかと思っていたのですが、昼過ぎから天候が回復するという予報に希望を託し、昼前に現着、食事&資料館見学で時間を潰して天候回復を待つ…という計画に変更しました。

菊池プラザ・市民広場前

桜町バスターミナルから菊池温泉・市民広場前行きバスで1時間、終点の菊池温泉・市民広場前に到着。山鹿温泉方面のバスに乗り換えですが、間が40分ほど空いているのでその間に周辺を散策します。

なお、菊池温泉・市民広場前にはバス停が1つしかありません(地図で観るとけっこう広い駐車場・ロータリーがあるのですが…)。乗り場がどこか迷わなくてすむ反面、複数の路線が1つのバス停を共用しているので、乗り間違えないように注意が必要です。

広場中心にある騎馬武者像は菊池武光。鞠智城よりずっと後、鎌倉時代末期から南北朝時代にかけて活躍した武将です。南北朝時代には南朝側の懐良親王に従って戦いました。

バス停近くには足湯があります。が、この時点ではかなり強い雨が降っているためか利用者は少ないです。僕を入れて最大瞬間3人くらいだったかな(ってしっかり浸かってきました。タオル持ってなかったけど)。

観光物産館。食べものも売っていますが飲食スペースはありません。

なんと!鞠智城のマスコットキャラのグッズがありました。ころう君というそうです。兜のデザインは、キャラ名からしても八角形鼓楼がモチーフでしょう。

こちらはきくちくん、菊池市のキャラ(非公認)だそうです。

『頭はメロン 眉毛は温泉 目は菊池一族の家紋 鼻は米 口は桜の花びら 腕はゴボウ 足は酪農 尻尾はホタル 顔は菊池渓谷 オールインワンの菊池市非公認ご当地キャラのきくちくんばい!永遠の39歳独身肉食男子』(Instagramのプロフィールより)

地元名物の盛りあわせのようですが…

こちらは菊池観光交流館。普通の観光案内所かと思いきや…

小規模ながら展示室があり、菊池周辺の城についての展示がありました。
※常設展示というわけではなく、基本的に貸出スペースのようです

鎌倉時代?の鎧。

この刀は、地元の小学生たちが製作したものだそうです。砂鉄から玉鋼を作るところからやったようで、なかなかすごいな…。

他に、屋根付き広場(水道がありバーベ-キューなどができるらしい、要予約)とか、

遊具広場もあります。雨のせいでかなり淋しい感じの写真になってしまいましたが…

一寸榎

山鹿温泉方面のバスに乗車、10分ほどで一寸榎バス停へ。

ここから徒歩で鞠智城に向かうのですが、周辺に一切案内板などがなく、バス停付近から道が5本方向に伸びていてどちらへ進むのか判りにくいです。僕と同じくバスで登城する方は上の写真を参考にして下さい。

バス停標識は山鹿温泉方面の側にしかなく、帰り(菊池温泉方面)はその向かいあたりで待っていてくれ…とバスの運転手さんには言われたのですが、待つスペースがありません。幸い僕がいったときは交通量が少なかったのですが、もし車の多い時間帯だったらちょっと恐いかも。

鞠智城へ

一寸榎バス停から鞠智城までは、ところどころ緩やかな上りで1.5km、徒歩20分ほどで着きます。道は舗装されていて歩きやすいですが、ガードレールで護られた歩道はないので、交通量が多い時間帯や暗い時間帯は十分ご注意を。僕がいったときは雨天とはいえ真昼で明るく、車もほとんど通らなかったのですが。

鞠智城に到着。シンボル的存在の八角形鼓楼は車道からすぐ見えるところにあります。

昼から天候が回復という予報でしたが、現着した11:30の時点ではまだ雲が分厚く小雨が降り続いています。

さらにショック。長者館(鞠智城物産館)が改装のため閉店!早めに下調べしていたのが裏目に出ました。ここで食事できると思っていたのに…手頃な値段で地元料理が食べられると聞いていたのに…。昼食抜き決定。

城に突入しないうちに普段の1記事分くらいの文章量になってしまいました。続きは別記事で…。

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