今日は森美術館で開催中の【メタボリズムの未来都市展】を見てきました。
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メタボ展は二回目の見学。
1回目は混雑&駆け足見学であまりよくみられなかったのですが、今日は時間がたっぷりあり人も少なかったのでじっくり見てきました。
メタボリズムとは『新陳代謝』のこと。
建築用語としては、『生物が代謝を繰り返しながら成長していくように建築や都市も有機的に変化できるようデザインされるべきである』…という建物設計や都市計画のコンセプトのこと。
これが提唱されたのは1960年代の日本。
丹下健三、黒川紀章といった、建築にはまったく詳しくない僕でも名前を知っているような有名建築家たちがこのコンセプトの元に様々な都市デザインを発表しています。
その源流として、展覧会の最初の一室を使って紹介されているのが、広島の平和公園にある平和記念資料館。1階部分がない、建物全体が宙に浮いたようなデザインも独特ですが、建物1つだけのデザインに留まらず平和記念館~慰霊碑~原爆ドームが一直線に並ぶという公園全体の配置、そしてその直線が大通りと垂直に交わるという工夫によって、あたり一体が街の構造まで踏まえた巨大なモニュメントになっているのですね。
※1回目に見に来たときは『都市計画』という部分がよく判らないままでした…。
次に、実現していない(しなかった)東京湾岸の再開発計画。
DNAの二重螺旋を思わせる支柱に支えられた空中都市や、
三角錐型の人工の台地を東京湾全域につくるアイディアなど、
途方もない物が模型・図面・CGで見られます。
40年前に発表された物ですが、今の目で見ても未来都市です。
大阪万博で発表された数々の建築。
日本が万博で作った物と言えば太陽の塔が有名ですが、
この展示会では太陽の塔ではなく太陽の塔が建てられていた『お祭り広場』の空中展示室にスポットを当てています。構造、工法とも当時の日本の建築技術の粋を集めた物。
パビリオンなども含め、今となっては当時の建物がほとんど残っていないのは残念です。しばらく残っていた物も、最近10年くらいで次々に解体されてしまったんですよね…。
ユニット式の『カプセルアパート』。
ビジネスホテルのシングルルームのような、ベッド・つくりつけの机や棚・シャワールーム、さらに電話・タイプライターなどをユニット化・プレハブ化して組み立てたワンルームマンションが実在したんですね。なかなか面白い。
最後に海外での事例。
地震で大きな被害を受けたマケドニアの都市の再開発と、中国での事例が紹介されていました。いずれも日本の建築家が全体の計画を立てたそうです。
日本国内では都市丸ごとのような大規模な建設は難しいと思いますが、たとえば大地震で大被害を受けた東北の街などは、これをチャンスと捉えて災害に強く平時も産業が強い街をうまく作れないものでしょうか…。
CGアニメ、模型などが多数あります。
建築や都市計画に興味のある人には面白いと思います。