六本木ヒルズで開催中の【天空ノ鉄道物語】展に行ってきました。
展示は内周(森アーツセンターギャラリー、専用の入場券が必要)・外周(東京シティビュー、森美術館や東京シティビューなどの入場券でも見学可)の2つに別れています。
まずは内周エリアを見学。
エントランス
入場するとすぐ、ダッチングマシーンという、硬券(厚紙の切符)に日付を印字する器具があります。入口で渡される硬券に印字して、記念に持ち帰ることが出来ます。
僕が子供の頃には硬券はまだ残っていましたが、駅員が鋏をいれる形式でした。自動印字器の本物を観るのは始めて。
エントランスホールは、1964年の上野駅を模したものでした。
若い人は、3つ並んだ箱状の物がなんなのか判らないのかも知れない…。
国鉄時代
若い人は『このペンチのような物はなに?』となってしまうのかもしれません。
これは改札鋏といって、入場駅が判るように切符に切り込み(駅毎に形が違う)を入れる道具です。エントランスの上野駅の箱形の中に駅員が立ち、通過する乗客の切符1つ1つに切り込みを入れていました。
降車時には、駅員が乗客の持つ切符の切り込みの形と券面に印字された料金が合っているかを目視でチェックしていました。
国鉄時代の特急ヘッドマークなど。
左上の大きな物は通常時は急行『東海』の165系電車に取り付けられていたのですが、本のページのようにめくることができるようになっています。図録の解説によると、次の『ページ』は文字ではなく赤い横線が描かれており、別の路線で運用する際に使われたということです。
新幹線については、国鉄時代のコーナーの中でも大きく扱われています。
0系新幹線の大型写真かとおもったら、先頭のカバー部分は実物です。
開業当初はこの部分が光るようになっていたそうです。
さすがにその時代は知りません(というか生まれるずっと前です)。
0号新幹線、初期使用の座席。残念ながら座ってみることはできません。
JR発足
1987年
次のコーナーはJRが発足した当時をテーマにした展示です。
1987年4月1日、新たに発足したJRグループを周知するため、JR7社がそれぞれ自社車両に取り付けたヘッドマーク。
部屋の中央にあるモニュメント。車輪のような円盤を組み合わせたデザインです。円盤はそれぞれJRグループ各社を表しています。
円盤の中には、当時活躍した列車が走っています。
青函トンネルと瀬戸大橋が開通したのは1988年、JR発足の翌年です。これにより、国鉄時代に開通している関門トンネルと合わせて本州・北海道・四国・九州が鉄道で結ばれました。
吉岡海底駅・竜飛海底駅はそれぞれ青函トンネルの北海道側・青森県側に作られた駅です。北海道新幹線開通前には竜飛海底駅の見学ツアーや吉岡海底駅~竜飛海底駅間のウォーキングイベント等が行われていたのですが、現在はどちらも一般人は立ち入りで気なくなっています。
寝台特急の変遷
JR発足後、1988年に上野~札幌を結ぶ北斗星、1989年に大坂~札幌を結ぶトワイライトエクスプレスといった豪華寝台列車が登場。一方、長らく親しまれてきた従来の寝台特急ブルートレインは航空機や高速バスによって利用が低迷していきました。
寝台特急に関する展示コーナー。
寝台特急北斗星のヘッドマーク。北斗星には1度だけ乗ったことがあります。しかも1日に上り下りそれぞれ4人ずつしか乗れないA個室で。あれはいい旅だった…。
平成の鉄道文化
トワイライトエクスプレス
鉄道が『移動手段』から『乗ること自体が目的』へと変化していった、というお話。
トワイライトエクスプレスの木製模型。『トワイライト』の名は糸魚川付近の日本海に沈む夕日に因んで名付けられたそうで、この模型も糸魚川産のスギ材で作られています。この展示会場では中には入れないのですが、六本木での展示修了後は糸魚川駅ジオパルに移設されて内部見学もできるようになる予定だそうです。
トワイライトエクスプレス模型、中はフルコースディナー用にテーブルセッティングされた食堂車ダイナープレヤデスを再現していました。車体は木製模型ですが車体装飾は実物だそうです。
糸魚川へ移設後は、この食堂車で実際に食事ができるようにするプランもあるそうです。そうなったら行ってみようかな…。
こちらは最後尾車両のA個室スイートの展望リビングですね。共用スペースではなく個室内部なので、1編成につき1組しか利用出来ません。
なお、本物の車両では展望リビングと食堂は別車両でした。
※トワイライトエクスプレス内部の写真は窓の外から撮影しています。車両内には入れません。
旅客サービスの進化
JRグループ各社の制服コレクション。ボタンがシングルだったりダブルだったり、襟に縁取りがあったりといろいろデザインが違います。
車内サービスの向上といえば、東北新幹線や北陸新幹線に導入されたグランクラスも話題になりました。一度は乗ってみたいですね…。
時刻表ライブラリー
時刻表ライブラリーコーナーでは、1964年から現在までの時刻表の表紙が壁一面に並んでいます。
JR発足の年からは『JTB時刻表』『JR時刻表』の両方を展示しています。
てんてつ未来
将来、鉄道がどう変わっていくかについての展示コーナーです。
超電導リニアL0系。リニア中央新幹線は2027年に東京~名古屋間が開業予定ですが、山梨県にある実験線では時々体験乗車(公開実験)が行われています。僕も一度乗車し、500km/hの世界を体験してきました。
アンパンマントロッコと南風アンパンマン列車。トロッコは岡山~琴平・高松間、南風は岡山~高知間を走っている車両ですね。
最近はこのような子供向けデザインの列車を運行することで未来の鉄道ファンの獲得を図っているようです。
未来ノ鉄道物語
見学者が1枚ずつシールを貼っていくコーナー。シールは『安全』『ロマン』『便利』などの『鉄道の未来に求めるキーワード』を特急ヘッドマーク風にデザインした物で、好きなものを1枚選びます。
内周エリア最後の展示は、東日本大震災で大きな被害をうけながら5日後には復古医支援列車を走らせて人々の生活を支え、いままた2019年の台風19号によって一部区間普通となってしまっている三陸鉄道の写真展でした。
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