第22回文化庁メディア芸術祭

毎年恒例、文化庁メディア芸術祭の受賞作品展に行ってきました。今年はお台場、日本科学未来館7Fとフジテレビの湾岸スタジオが主な会場になっています。

アート部門

アート部門大賞
『Pulses/Grains/Phase/Moire』(古館健)
真っ暗な部屋の中で多数のLEDがランダムに点滅を繰り返しています。部屋の中を歩き回ると『ジジッ』という断続的な音や『ジー』という連続した音が聞こえています。
実はこの装置はLEDとクリック音を発するスピーカーのセットで構成されています。LEDはそれぞれ個別のパターンで点滅し、同じタイミングでスピーカーはクリック音を発するのですが、それが多数重なり合うことによって様々な音の聞こえ方をするのです。
仕掛けが判ったほうが面白いインスタレーションです。

アート部門優秀賞
『Culturing<Paper>cut』(岩崎秀雄)
バクテリアに関する論文を書き、その論文中の主観的な記述を切り取り、研究対象であったバクテリアをその切り取った部分に植え付けた作品。
生物学の論文には意外に『驚くべきことに』などの主観的な表現が多いことに気付いた作者による、科学とアートの狭間にある作品。

アート部門優秀賞
『Lasermice』(菅野創)
60台の小型ロボットにより、ホタルなどの動機現象を再現するインスタレーション。各ロボットは自立して動作しているのに光のリズムがだんだん揃っていくのが面白いです。

東海大学博物館のミツメムレツクリをちょっと思い出しました。

アート部門新人賞
『SPARE(not mine)』
Jonathan Fletcher MOORE
自分から壁にぶつかりに行くタイヤ…たまにしか動かないのでほとんど脚を止める人もなく、

エンターテインメント部門

エンターテインメント部門大賞
『チコちゃんに叱られる!』
実写着ぐるみキャラの頭部をCGに置き換えるという、地味に高度なことをやっている番組。
実は僕は見たことがないんですが…。

エンターテインメント部門優秀賞
『歌舞伎町 探偵セブン』
なんと今回はエンターテインメント部門でリアル脱出ゲーム(謎解きゲーム)が入賞。
もうエンターテインメントのあたらしい分野としてすっかり定着しているので、レベルの高い作品はこうして評価されてもいいでしょう。

エンターテインメント部門優秀賞
『LENNE LENS』
スマートフォンやタブレットを使った図鑑です。

このようにディスプレイにタブレットをかざすと、動物の名前が表示されます。これをクリックすると、

このように詳しい説明を読むことができます。

エンターテインメント部門新人賞
『Pixel Ripped 1989』
VR空間の中でレトロな携帯ゲームをプレイするという、ややこしくて一瞬なにがいいたいのか判らないゲーム。ガラガラなおかげで体験プレイできました。

ゲーム中画面。VRゴーグルをつけると、そこは学校の教室。先生に見つからないようにゲームボーイに似たゲーム機で遊ぶという内容。ゲーム内ゲームがそこそこ難易度が高く、そちらに夢中になると先生に怒られる(最後には机をたたき割られる!)、とけっこう難しい…。2回プレイしましたが第1ステージすら抜けられず。

漫画部門

漫画部門大賞
『ORIGIN』(Boichi)
人間と見分けのつかない外見をもつAIロボットによる殺人が行われている近未来の東京。それらの殺人ロボットと対立し、自らがロボットであることを隠して人間社会に溶け込んでいるロボットを主人公とした作品。
未読ですが面白そう…と毎年受賞作品を見て思うんだけど読む機会がないんだよな…。

アニメーション部門

アニメーション部門優秀賞
『ひそねとまそたん』
自衛隊が密かに保護している龍のストレス解消のため、龍を戦闘機に偽装してときどき空を飛ばしている…という奇想天外な設定の作品です。龍の1匹である『まそたん』と、その『専属パイロット』となった女性自衛官ひそねの心のふれあいが描かれています。自衛隊基地を主な舞台としながら全編がほのぼのとした雰囲気のよい作品でした。

アニメーション部門優秀賞
『ペンギン・ハイウェイ』
町に突然ペンギンの群れが現れる、という、これまた奇想天外な設定の作品でした。そういえばヒロイン(なのか?)の『お姉さん』役は最近突然話題になっている蒼井優さんでした。

アニメーション分門の入賞作品には僕も観て印象に残った物が入選しました。

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