国立新美術館【文化庁メディア芸術祭】

国立新美術館で開催中の【文化庁メディア芸術祭】へ行ってきました。


印象に残ったものをいくつか。
※写真はありません
アート部門優秀賞【10番目の感傷(点・線・面)】クワクボ・リョウタ
真っ暗な部屋の中を走る模型の鉄道。
その線路の周りの床には様々なもの…電球、洗濯ばさみ、台所で使うようなザル、時計、人形など…が置かれています。
車両には豆電球が取り付けられていて、その光で照らされたものの影が部屋の壁に大きく映し出されます。
…仕掛けは非常に簡単なのですが、この影が面白い。まるで自分が列車に乗って車窓から眺める景色のように見えるんですね。
巨大な山の脇を通り過ぎたり、トンネルに入ったり、ビルの間を抜けたり…と、一方で列車の乗客の視点からの風景を楽しむと同時に、列車が走っていく路線全体を俯瞰もできるという不思議な感覚があります。
アート部門優秀賞【NIGHT LESS】田村友一郎
ロードムービー風の動画作品。『アメリカの田舎町出身者が千葉に留学して…』という英語のナレーションとともに、ネブラスカや千葉、アラスカの街を走り抜ける映像が流れています。
後半は『穴を掘っている女』『サングラスをかけた男』を追っている刑事ドラマの一場面のようです。高速で街から山へと疾走する場面がうつされ、怪しげなサングラスの男の後ろ姿がちらりと見えたりするのですが…
…実はこの映像は全て、Googleストリートビューのものをつなぎ合わせて作られているんですね。台詞もYouTubeなどから得た素材を使っているとか。
ロケーションを一切行わずに作られた映画、面白いアイディアです。
アート部門審査委員会推薦【MindBox】Christian GRAUPNER
スロットマシンのような筐体を操作して3枚の映像を操作する作品。
映像はオッサンが歌ったり踊ったり身体のあちこちを叩いてリズムを取ったりしているもの。
ヒゲだらけのクチのアップなどちょっとキモチワルイ絵が面白い!w
この作品は実際に触ってみることができます。
エンターテインメント部門優秀賞【アルクアラウンド/サカナクション】関和亮
ポピュラー曲のPVでしょうか。ヴォーカルが歩いていく姿をカメラが追っていくと、周囲にランダムに置かれたように見えるオブジェ(文字の断片)が重なり合って歌詞が浮かび上がっていく…というもの。
撮影手法はアナログでCGなどは使っていないと思うのですが、テンポやタイミングが小気味よくつい最後まで見てしまう作品でした。
マンガ部門
マンガはあまり読まないのですが…【ぼくらの】ってずいぶん前にアニメになった作品だと思うのですが、今回の受賞なんですね??ずっと続いていたのでしょうか。
アニメーション部門
大賞はTVアニメの【四畳半神話体系】でした。
優秀賞には劇場作品の【カラフル】、短編の【フミコの告白】など。
審査委員会推薦作品には【宇宙ショーへようこそ】【マクロスF虚空歌姫】【涼宮ハルヒの消失】【Angel Beats!】【荒川アンダーザブリッジ】など。
僕がTVや劇場で観たことがある作品も多数。
奨励賞の【The Wonder Hospital】は(たぶん)全編が上映されています。
人形アニメ風の作品。雪に閉ざされた謎の病院を訪れた少女が美容整形手術を受けようとしているのかな…。奇妙なクリーチャーが現れる病室の中で、最終的に少女はどうなったのか…。
台詞や字幕による説明は一切なく結末も曖昧なままなんですが、十数分の上映時間中は目が画面に釘付けです。
見学コースの最後にはDSやPSP、PS3などのゲームも大量に展示。
実際に遊んでみられるものも多く、残り時間は閉館ギリギリまであちこち遊んでいました。
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アート部門大賞【Cycloïd-E】Michel DÉCOSTERD/André DÉCOSTERD
この作品は国立新美術館内ではなく、ミッドタウンのB1Fに展示されています。
国立新美術館の閉館時刻より遅くまで見学可能です。
長さ1mほどの円柱が5本、関節でつながれています。
また円柱にはスピーカーが内蔵されていて、動きに応じて効果音を発生させています。
関節部分はそれぞれ一定の規則で回転しているのだと思うのですが、全体としては不規則・複雑で有機的な動きに見えます。
踊っているようなオブジェに注目。
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というわけで、今年も楽しみました。
2011.02.13(日)までの開催、入場無料です。

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