珍しく試写会の招待チケットが当たったので、公開日前に【ヒューゴと不思議な発明】を見てきました。
無料だけにほぼ満席。いつも半分も入らない映画館なのにw
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父親の形見となった機械仕掛けの人形を修理している少年が、
ふとしたきっかけで人形の動作のとなるペンダントを身につけた少女と知り合い、
一緒に人形を動作させたところ、
人形は不思議な絵を描き始めて…
と、予告編ではこんな感じで、スチームパンク風な味もあるファンタジーを想像していたのですが。
本編を観てみると、もっと上品…ちょっと地味かも?…な物語でした。
人形は予告編から想像するほど活躍しません。
主人公はたしかにヒューゴ少年で、彼の視点で語られ、 彼の行動でドラマが動いていくのですが…
むしろ物語の中心となっているのは当初は脇役に見えた玩具売店の老主人でした。
(公開日3/1を過ぎたので追加)
ネタバレ改行。
実は玩具店店主は、史上初の職業映画監督として有名なジョルジュ・メリエス(実在の人物)でした。
多数の映画を製作して大成功をおさめたものの、戦争の影響で娯楽全体が低迷し映画作りを断念。その後は玩具店を買い取ってほそぼそと暮らしていた…という設定です。
夢が破れて、かつての夢にかかわるものに触れるのも嫌になってしまって。
映画への愛着…落胆から絶望…そして憎悪へ。
養女としたイザベルに映画を観ることを禁止したり。
ヒューゴの持っていた機械人形のノートを燃やそうとしたり。
…そのくせ、自分が製作した映画の場面を描いたイラストは多数保管していたり…それともあれはママ・ジャンヌが勝手にとっておいたのかな…。
そんなメリエスの心を、ヒューゴがどう溶かしていくのか。
見る前の予想とはまったく違い、そんなほのぼのと温かくなるような物語でした。
まぁ、ちょっと後半が上手く行きすぎのような感じもするのですが、
あれ以上危機要素をひっぱっても作品が間延びしそうですしね 。
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イザベル役のクロエ・グレース・モレッツ!
【キックアス】のヒットガールの時は『小さい子』という感じだったのに、
今作ではヒューゴのお姉さんのようにみえる成長ぶり。
10代の子は1~2年で見違えるほど変わるんですね…。
書店だか図書館だかの主人・ラビス役に、クリストファー・リー。
もう89歳!映画用メイクのせいもあるのでしょうが、もっとずっと若く見えます。
登場シーンは少ないのですが、とても印象的です。
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劇中では、あの史上初のSF映画【月世界旅行】のカラー3D版を観ることができます(笑
映画が『これから』の存在として輝いていた時代を想像させてくれます。
作り手の映画への愛情が溢れているような、とても面白い作品でした。