上杉博物館

米沢観光の最後は、伝国の杜・上杉博物館の見学です。

伝国の杜・エントランス

伝国の杜上杉博物館置賜おきたま文化ホール が1つになった施設です。

※『置賜』とは米沢市を含む山形県南部の地域名だそうです。

建物に入ると、いきなり眼の前に能舞台があって驚きます。

この能舞台は、普段は伝国の杜のエントランスホールにあるのですが、ホバークラフト式に浮上して旋回、ホール内に移動して上演に使うことができるようになっているのだそうです。こんな大がかりな仕掛けはなかなかお目にかかれません。

※移動の様子は伝国の杜公式YouTubeアカウントで観ることができます
https://www.youtube.com/watch?v=2b_tJjo0ta0&t=178s

上杉博物館・常設展示室

それでは博物館へ。

前回の米沢訪問時にも見学しているのですが、当時は混雑していてよく見られなかった記憶が…(大河ドラマの影響で直江兼続が人気だった年です)。でも今回は平日と言うこともあってこのとおりガラガラ。奥に向かって伸びる展示室内全体でほんの数人しか見学者がいなかったようです。おかげでじっくり観られました。

展示室の最初コーナーには米沢に縁の深い武将の前立て(兜の前面につける飾り)が展示されています。これは2009年の大河ドラマで一気に有名になった直江兼続の『愛』の前立て。
軍神である『愛宕権現』または『愛染明王』から取ったものとされています。

金色に耀く日輪の前立ては初代米沢藩主の上杉景勝のもの。『摩利支尊天』『日天大勝金剛』『毘沙門天王』の三軍神の名が鋲留めされています。

仏教への信仰厚い上杉謙信の前立ては、飯縄明神です。白狐に乗り剣を構えた烏天狗の姿をした神です。狐や天狗というモチーフからしてもとは日本古来の山岳信仰発祥といわれていますが、神仏習合により仏教の守護神のような存在になり、上杉謙信や武田信玄など戦国武将に信仰されていました。

米沢城の古絵図。三の丸までの縄張りの様子がよく判ります。現在は中心の本丸の周りの水堀しか遺構らしい遺構が残っていません。

のぞきからくりで米沢城下の暮らしを観られるコーナー。これは紺屋町だったかな。

米沢藩江戸藩邸に勤務していた米沢藩士大熊弥一右衛門が赤穂浪士の吉良邸討入の様子を本国に知らせた書状。吉良上野介の正室・梅嶺院は米沢藩第2代藩主の上杉定勝の娘であり、また当時の米沢藩主・上杉憲綱は上野介の実子だったので、赤穂事件はまったく他人事ではない、実家に強盗が入って父親とその部下が多数惨殺されたという大事件でした。

米沢藩の文化について紹介するコーナー。イラストパネル展示のみですが、上杉家に伝わる能面など。

火縄銃についての解説コーナー。本当は火縄銃の模型を持ってみる体験ができるようなのですが、不具合かコロナの影響か体験はできませんでした。

二の丸東部で発見された水路の復元模型。

米沢藩の都市部・農村部の様子を表した巨大なジオラマ。作りが細かくてなかなか面白いです。

このあたりは都市部ですね。

このあたりは農村部…

さらに山に近い地域など。

各地での仕事・生活の様子の解説があるのですが、よく見るとジオラマの中にすべて反映されています。

これは1つ前の写真で解説されている鍛冶屋の様子。解説イラストと同じポーズの人形が配置されています。

これは古手屋(古着屋)。他の解説イラストもすべてありました。屈んで家の中を一軒一軒覗いていかなければ見えないものが多いなど、探すのはかなり大変でしたが…。

『鷹山シアター』と名付けられた上映室。二本とも鑑賞しました。

『上杉鷹山の戦い』は実写ドラマ仕立てなんですが、西村和彦・紺野美沙子など出演者がやたらと豪華です。

『上杉鷹山・ふたたびの改革』はアニメーション(ほとんど紙芝居)で、内容は実写作品の方と似た感じです(まぁ同じ人物の功績を解説する動画作品だから当たり前ですが)。こちらもナレーターに眞島秀和という人気俳優を起用。なかなか力が入っています。

シアター内は撮影禁止なので動画中のカットは紹介できません。

屋外展示

展示室を出て、屋外展示(伝国の杜の建物の裏手にあります)、『置賜の庭』を観に行きました。

屋外展示コーナー全景。それほど広くはありません。

薬草園』。回虫駆除効果のあるサンショウ、尿道結石や肝炎に効果があるとされるカキドウシ、リューマチに効くとされるイヌサフランなど、上杉鷹山が栽培を推奨した、なんらかの薬効のある植物が植えられています。

こちらは『かてもの園』。ハコベ、ゼンマイ、ツユクサ、ウワバミソウ、メナモミなど、食糧不足に備えて上杉鷹山が栽培を推奨した、可食部のある植物が植えられています。

山岳信仰が盛んな置賜地方では、男子の成人の儀式として飯豊山などに登拝する習わしがありました。これはその前に身を清めるために籠もる『行屋』という建物で、実際に江戸時代の終わり頃に使用されていたものだそうです。中は狭いです。

草木塔』。草木にも魂があると考え、草木を伐採したときにその霊を鎮めるために建てた石塔です。…松が岬第二公園近くの解説では『全国に34基』とあったのですが、こちらは『70基』になってますね。

まとめとデータ

シアターやジオラマなど面白い展示が多く、また他にも『上杉本洛中洛外図屏風バーチャルウォーク』、特別展示『上杉氏と国絵図の世界』などがあり、どれもとても興味深く見学しました(バーチャルウォークと特別展示は撮影禁止なので写真はありません)。

Webサイト伝国の杜公式サイト
地図GoogleMap
アクセス米沢駅から2km(徒歩20~30分)
または『上杉神社前』バス停
開館時間9:00~17:00
休館日4~11月:毎月第4水曜、12~3月:毎週月曜、年末年始
入場料一般410円、高校・大学生210円、小・中学生110円
備考展示室の見学所要時間はシアターで動画2本とも観賞して90分くらいでした

コメント

タイトルとURLをコピーしました