井倉洞

3日目。
1日岡山県内をあちこち回る予定。
6時に宿を出て駅で朝食。
伯備線の普通電車で井倉へ。
今日はもう平日。車内は通勤・通学らしき乗客で満員。
数駅進むうちにだんだん乗客が減って、窓外の景色に見える建物も減って、、、
8時頃に井倉駅着。


…降りたのは僕一人。
駅前広場にも人っ子一人いないし。
とにかく現地へ。
石灰石の採取場があるようで、狭い通りをダンプカーが次々に走っていきます。
井倉堂ゲート
そして井倉洞(駐車場)ゲート発見。
…業務車両しか停まっていません。
井倉洞SL
駐車場の奧になぜかSLの実物が。
昭和40年代まで伯備線を走っていた機関車だそうです。
D51…通称『デゴイチ』ですね。
#そういえば子供の頃よく遊びに行った場所にも
#本物の蒸気機関車が1台飾ってあったような…。
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井倉洞への道
SLの脇に入って高梁川沿いの道に出ると、目の前には高さ200mを超える断崖が直立しています。白っぽく見えるのは石灰岩でしょうか。視界いっぱいに広がる雄大な形。これだけでも早起きしてきた甲斐があります。
土産物店や飲食店などの並ぶ道を抜け、井倉洞入洞ゲート前に付いたのは8:25。本当は開場8:30ですが僕の姿を見た係の人がすぐ鍵を開けてくれました。
#駅到着から25分も経っていますが、
#駅前でジュースを飲んだりSLの写真を撮ったりで時間を使ったからです。
#寄り道しなければ駅から井倉洞入口まで10分弱です
さあ、巨大鍾乳洞・井倉洞の中はどうなってるのか!
井倉洞石灰岩壁
チケットを買って、カメラ以外の荷物はすべてロッカーに預け、
橋を渡って対岸の断崖の麓にある入口へ。
井倉洞入口橋
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井倉洞は西日本で秋芳洞についで二番目の規模を持つ鍾乳洞だそうです。
井倉洞入口
見学コース全長は1200mとたしかにかなり長いのですが、
中に広大な空間の広がっている秋芳洞と違って、井倉洞はずっと狭いのです。
井倉洞・入ってすぐ.jpg
道幅は人がすれ違うのがやっと。手を広げれば両側の壁に同時に触れます。
天井も低く、ところどころ身をかがめないと通れないところもあります。
足下にはすべり止め加工をした金属板が敷かれて道になっていますが、、、
その両脇にはちょろちょろと水が流れ、
壁の表面は濡れていてヌルヌルした感触。
頭の上からもポタポタと雫が落ちてきます。
照明は最小限。
説明もほとんど無し。
ところどころに岩の名前や歩いた距離が掲示されているだけです。
耳に聞こえてくるのは、
水がしたたり落ちる音。
水が流れる音。
かすかな、滝のような音。
あとは自分の足音だけ。
この中にいるのは、多分僕一人。
これこれ、洞窟探検やるならこうでなくっちゃ!
井倉洞の中をどんどん進んでいきます。
井倉洞・月ロケット
まだ入って100mもいかないうちにある『月ロケット』。
ちょっと笑えるネーミングです。
井倉洞・ありさの滝
ありさの滝。
【ありさ】とは、このあたりに残っている伝説の悲恋のヒロイン、阿里佐のことでしょう。ゲート前のパネルにいろいろ解説文が書かれていました…が見出ししか読んでこなかった…。
井倉洞・高い階段.jpg
高い階段を上ったり降りたり…。
井倉洞・金すだれ銀すだれ
前半で一番大型の岩、金すだれと銀すだれ。
このあたりが一番広い『部屋』かな…?
井倉洞・地軸の滝
ここからもう少し進むと一番の見所『地軸の滝』があります。
滝壺の数m上から見下ろす位置。
水量は多くはないのですが、落差50mは洞窟中の滝としては日本で最大規模。
暗闇の中からざあざあと音を立てて水が流れ落ちてくる姿は不気味でもあり神秘的でもあり。
そこすぎると、比較的広い通路状に整備された、カーブしながらの登り。
登り切ると地軸の滝の真上に出ることができます。
今度は足下からはるか下へ水がおちていきます。
覗き込むと真っ暗。月並みな表現ですが吸い込まれそう。
#暗すぎて写真がまったく撮れませんでした。残念…。
#もっと感度のいいカメラと三脚でも用意しないと無理かな…。
この位置は入口から300m。全体の1/4ほど進んだ場所です。
ここでは、なぜかウィンナワルツが流れています。案内放送用のスピーカーなのでヒドイ音質ですが。
井倉洞・リタイア口
脱出口への分かれ道の案内板も用意されています。
暗所・閉所恐怖症気味の人にはそろそろキツくなってくるのかも。
…でもそんな人が洞窟探検になんかくるのか??
僕はむしろワクワクしているくらいです。
残り900m。しばらく登りが続くようなので一休みしてから出発。
井倉洞・狭い階段
地軸の滝の先はますます洞窟が狭く暗くなっていきました。
そのせいで写真が…。
井倉洞・鬼の手袋.jpg
巨大な岩の手袋が垂れ下がっているような『鬼の手袋』。
井倉洞・瀬戸の海.jpg
岩壁の途中の棚状になった部分に地下水が溜まった『瀬戸の海』。
鍾乳石で出来た『スフィンクス』。
井倉洞・武人の館
なぜか小銭が投げ込まれている『武人の館』。
通路の真ん中に石筍が立っている『とうせんぼ』。
…って身体を横にしないと通れません(笑)
石筍・脊柱が林立する『竹林』。
井倉洞・水衣
大きな円錐状の鍾乳石『水衣』。
表面が濡れてかなり不気味です。
井倉洞・見返りの滝
終盤近くにあるちょっとした池、『見返りの池』。
深さ数センチの、池というよりは水たまりなのですが、、、
水は完全に透明で水面にはさざ波すらありません。
井倉洞・音の滝
そして最後にもう一つの滝、『音の滝』。
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ここで『鍾乳洞』見学路は終わり。
ここからは比較的広く整備された下り階段で出口へ向かうだけです。
なぜか弦楽四重奏が流れていて妙な(というかちぐはぐな)雰囲気。
唐突に目の前が明るくなって、そこはもう外。
阿里佐を祀った小さな社があったので参拝。
…縁結びの神、ということですが、さて…w
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洞窟探検、堪能しました。
巨大な空洞の中にダイナミックな形を見られる秋芳洞もいいのですが、
狭く暗い道を進んでいく井倉洞もオススメです。
再びゲート前に戻ってきて、職員の方になぜ弦楽四重奏を流しているのかと尋ねたところ、女性一人客などで「恐い」という人もいるので有線放送を流している、とのこと。特に選んで室内楽曲なわけではないようです。
つーか女性一人で洞窟に突入する人もけっこういるんだ?!
そのくせ最後の最後になって『恐い』って言うんだ?!
この説明もなんだかチグハグですが。
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【井倉洞】
JR井倉駅より徒歩10分
入洞時間:8:30~16:30
休業日:年中無休
入場料:1000円

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