国立科学博物館【黄金の都・シカン】展

国立科学博物館で開催中の【黄金の都・シカン】展を見に行ってきました。


音声ガイド500円を借りて見学開始。
最初のコーナーは『考古学者の挑戦』と題し、『シカン文明』発見の舞台となったペルー北海岸の【ロロ神殿】の全体図、シカン文明とインカ帝国・ナスカなど他のアンデス諸文明との関係等の解説。
日干しレンガで作られた巨大なピラミッドはかなり崩れてしまっているものの、周辺からは多数の墓が発見されているそうです。
#ビデオ上映がそこここにあり、
#まず2~3分程度のビデオを見てからその先の展示を見ると
#理解しやすいようになっていました。
ポスターにも描かれていた黄金飾りの付いた大仮面はそのすぐ先に展示。大きいです。辰砂で赤く塗られた仮面本体は人間の顔の倍の大きさ。さらにその数倍の大きさの黄金で作られた羽根飾りの冠が付くのですから見事な物です。
仮面は『シカンの神』を象った物で、高貴な人間が死ぬと神へと変身する…ということだそうで。
墓の中の再現模型もあったのですが…
膨大な量の副葬品、生け贄として何人もが埋められていたのは、まぁ古代文明ではよくあることとして…
墓の主は、なぜかあぐらをかいた姿勢のまま上下逆さまにして埋まっていたのが不思議です。しかも首を切断され、仮面をつけた頭部は正常な方向におかれていたという…。
素人考えだと、これは罪人の扱いかと思ってしまうのですが。
しかも、近くにある他の墓の主は、みな首も切られていなければ上下逆さまでもなかったようで。
このことについての明確な答えは、少なくとも展示にはありませんでした。
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続いて、副葬品として発見された品々から判るシカン文化の宗教や交易。
儀式用のトゥミ(ナイフ)とケロ(口が広がったコップ)。トゥミで生け贄の首を切り、血をケロで受けた…などという記述も。
交易が行われていた証拠として、遠い地域でしかとれない貝類の出土が挙げられています。この時代、すでにナイペと呼ばれる通貨のような物があったようで、離れた地域からこのナイペが発見されたこともあるおtか。
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シカン文化の技術について。
細かい黄金細工の数々、固く丈夫で黒光りする土器の製法などについて解説。
細工のための道具類も展示。
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人々の生活や環境について。
細工のモチーフとなった動物は、魚・カエル・鳥・クモ・犬・ヘビ・トカゲ・リャマ・ワニなど様々。
これらを労働力として利用したり、または食用にしたりと、案外豊かな生活をしていたようです。
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大仮面とならぶ大物展示、輿の背もたれ部分。
金で装飾され、6つの神殿に各3人ずつ神官がいるという非常に複雑な装飾。見れば見るほど見事な細工です。
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そして最後に3Dシアター。
テレビ番組用に撮影されたビデオを編集し3D化したもの。
10分ほどの作品ですが、ここまでの展示の復習にもなるような内容でした。
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会期末が近いためか平日としては混雑していましたが、前の人に続いてのろのろ歩くだけということはなく、2時間くらいかけてゆっくり見学することができました。
映像は判りやすいのですが、民放の番組のようなやや演出過剰気味なものに感じてしまいました…と思ったらTBSが作っているのね…。
ともあれ、古代文明に興味のある人にはオススメです。
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ミュージアムショップで図録3000円と公式ガイドブック1000円を購入。

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