島原城~幾何学的な美しさを持つ城

島鉄バス【雲仙】バス停より約1時間。
【大手】バス停で下車して【島原城】へ。
名前からすると、このあたりに大手門があったのでしょうか?


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島原城は本丸と二の丸が並列した構造。
島原城
バス停から本丸入口の方まで堀に沿って移動。
城の石垣は高めですね。
ギザギザに折れ曲がっているのは、攻撃されたときに弓矢や鉄砲の死角を無くすためのものです。
島原城入り口
本丸入口。
通りから直接、本丸にアクセスすることが出来ます。
島原城天守閣
本丸。天守閣の周りは駐車場になっています。
島原城の天守閣は、破風がなく、各層ごとに一定の比率で屋根が小さくなっていくという特徴的な形をしています。窓の数も5→4→3→2→1と減っていき、窓同士の間隔も一定。色も白い漆喰と黒い瓦のモノクローム。
幾何学的な美しさを持った、立派な天守閣です。
島原城天守閣
近くから見上げるとこんな感じ。
本丸内の諸施設をすべて見学できる共通券520円を購入して入城。
…ロッカーが見あたらなかったのですが、窓口で荷物を預かって貰えました(無料)
僕は利用しませんでしたが、天守閣入口では甲冑などのコスプレをして記念撮影するサービスもあるようです(たぶん別料金)。
この島原城天守閣は、鉄筋コンクリートによる外観復元天守です。
なのに冷房無し!
展示室に入るときに団扇を渡されました。
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さすが島原。
キリシタン文化や、天草四郎の乱についての展示が豊富です。
#1~4階の展示物は撮影禁止なので写真なし
1階の展示。
(…あ、入口は【天守閣】ではなく【天守台】の中にあるため、地下階の扱いです)
日本に、ヨーロッパ文化とともにキリスト教が伝えられるまでの歴史。
踏み絵、
観音像に偽装したマリア像、
花十字…。
禁教となった後もなお、密かに信仰を守り続けた証となる品々。
天草四郎の肖像(色白の美少年として描かれています)、
島原の乱の時代の武具、
攻防を描いた絵。
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幕府軍の指揮官が戦死、3ヶ月近くにおよぶ包囲戦の上にオランダ船に依頼しての艦砲射撃まで行ってようやく鎮圧。
3万7千の一揆農民は全滅。
公式記録では、生き残ったのは内通者だった男たった1人。
さらに、当時の島原藩主はこの責により斬首(同じ死罪でも切腹なら名誉は保たれるので、これは武士階級に対する最も過酷な刑罰)。
…という悲惨な幕切れ。
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一揆軍が立て籠もった原城にも行ってみたかったのですが、、、
残念なことにそこまでの鉄道が廃線になってしまいました。。。
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2階は、郷土資料の展示。
島原藩の、主に武家の文化についての展示がありました。
刀、甲冑、鉄砲。
調度品、生活に使われた品々。
文書がいろいろありました(読めませんが^^;)
…これらもけっこう充実しているのですが、やはり印象が強いのは島原の乱関係ですね…。
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3階は、民族資料の展示。
食器や屏風など一般家庭用のものの他、解剖図など医学関係の資料がありました。
西洋から学んだ科学知識により、かなり高い文化を持っていたことが窺えます。
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4階は休憩所ということで、椅子がいくつか置いてあるのと、国内の有名な城の写真が飾ってあるだけでした。フロア自体、1階に比べると大分狭くなっています。
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5階の展望台。
なぜかかき氷を売っていました。
この日も大変暑く、冷房なしの城内をここまで上ってきたので汗だく。
つい1つ注文。
島原城かき氷
宇治抹茶。
シンプルな(チープともいう)かき氷ですが、大変美味しく感じてしまいました^^;
そして天守閣からの眺めは
島原城天守閣からの眺望
こんな感じ。
駅と、その向こうの海が見えます。
さらにその先にうっすら陸地が見えていますが・この方向だと…向こう岸は熊本県?
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天守閣から出て、周辺の施設を見学します。
まず、巽櫓を改造した【西望記念館】。
西望記念館
北村西望氏は島原出身の彫塑家で、平和公園にある【平和祈念像】の作者です。
櫓の周りに大型作品がいくつか並んでいました。
島原城銅像
島原城銅像2
作品タイトルを控えてくるのを忘れてしまいましたorz
いずれも力強く躍動感のある作品です。
天草四郎の像
これは天草四郎の像だそうです。
館内には小型の作品の展示、作者プロフィールの他、
平和祈念像の試作品がありました。
いろいろ試行錯誤の末、あの形へとまとまっていく様子を興味深く鑑賞。
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続いて、丑寅櫓を利用した【民具資料館】
民具資料館
人々の暮らしに使われた品々を展示する資料館、ですが、、、、
民具資料館資料1
石器?!から…
江戸時代?の農具などを経て…
民具資料館資料2
機械式計算機、日本語タイプライター、ワープロまで。
(この辺は僕が子供の頃に使われていました。懐かしい…)
これらが、時代順でもなく、ジャンル別でもなく、解説もなく、3階建ての櫓の中に雑然と置かれている感じです。
また、展示品はガラスケースに入っているわけでもなく、建物自体にも空調が入っていないのでどんどん傷んでしまいそうです。
なんというか、せっかく収拾した物はもっと大切にした方が良い気が…。
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次は【観光復興資料館】
雲仙資料館
雲仙普賢岳の噴火活動による被害と、その後の復興、島原地方の観光案内など。
噴火活動の様子をまとめたビデオが見られます。
ここまでが有料展示。
すべて共通券で見学できます。
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本丸入口近くまで戻って…
【鐘】
島原城の鐘.jpg
かつては時を告げていたのでしょうか。
【西の櫓】
島原城西の櫓.jpg
何か展示があるような看板があったのですが、
中が真っ暗だったので入りませんでした。
【松倉重政公御祭祀の祠】
島原城の築城主、松倉重政をまつっているそうです。
【梅林】
二の丸に近い一体は梅林になっていました。
展示ではありませんが、駐車場の入口近くには食堂・土産物店もあります。
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梅林の脇を抜けて、二の丸の方へ歩いてみます。
先にも書いたとおり、島原城は二の丸の中に本丸があるのではなく、二の丸と本丸が並んで建てられ、間は堀になっています。
堀に下りるとこんな感じ。
島原城堀.jpg
島原城堀2.jpg
公式ページの絵地図だと水堀のように描かれているのですが、実際にはいっぱいに水をたたえているわけではなく、写真の通り中央に細い水路が一本あるだけ。
現在、二の丸には文化会館などが建てられているようです。
…なぜか風に乗って【椿姫】の第一幕の『ああ、そはかのひとか』がきこえてきました。
本番ではなく練習しているような声でしたが…。
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堀から直接城の外へ出ました。
時刻は13時。
このあたりで昼食をとってから、長崎市の方へ移動の予定。
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【島原城】
http://www.shimabarajou.jp/index.html
長崎県島原市城内
島原鉄道【島原】駅より徒歩10分(本丸入口は駅と反対側)
雲仙方面からバスでアクセスする場合は【大手】バス停が入口最寄りです。
開館時間:9:00-17:00最終入館
入館料:大人520円(本丸内の諸施設の共通券)

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