岡山旅行から東京へ帰る途中。
せっかくJRの長距離切符は途中下車可能なので、日本で最も有名な城【姫路城】に寄りました。
姫路城は現存最大規模の天守を持った壮麗な城です。テレビ時代劇で【江戸城】として登場することもしばしば。…修学旅行の時に一度だけ駆け足で見たのですが、ぜひまた行きたいと思っていました。
新幹線のホームからも、ビルとビルの間に姫路城天守閣が見えます。
駅から姫路城までは大通りを真っ直ぐ。距離は、公園入口までで1km弱。
旧三ノ丸が広大な公園になっています。
ここからも時代劇等でもおなじみの天守閣が見えます。
この公園がとにかく広い!
備中松山城の何倍の広さがあるのでしょう。あちらは山全体が城という考え方も出来るわけですが…。
まぁ、姫路公園は平地なので体力的には心配ないのですが。
公園入口から10分以上歩いて…
【菱の門】に到着。
今回の旅行でも城・城趾をいくつも見たのですが、その中でも群を抜いて立派な城門です。
ここを入ると【二ノ丸】、有料エリアになります。
【天守閣】!
この位置から見ると、大天守と3つの小天守からなる連立構造がよくわかります。
幾重にも重なる、様々な形式の屋根の曲線。
漆喰の白さが輝く城壁。
白鷺城の名にふさわしい美しい姿です。
【るの門】。
巨大な櫓門があるかと思えば、このような裏道・抜け道のような門もあちこちにあります。
通行禁止にはなっていないので、あちこち覗いてみました。
意外なところへ抜け出たりするので面白いです。
(単に城の平面図が頭に入っていないだけなのですがw)
少し進んだところに、【お菊井戸】なる井戸の跡が。
ええと、なになに…
『お菊を恋慕していた町坪弾四郎は、
家宝の十枚揃いの皿の一枚を隠し、
お菊を責め殺し井戸に投げ込みました。
その後、毎夜この井戸から皿を数えるお菊の声が聞こえ…』
って、ずいぶん端折った説明だな、
じゃなくて、どこかで聞いた話…
『いちま~い~、に~ま~い~、、、
、、、いちまい足りな~い~』
っていう、あの怪談ですね。
江戸が舞台の【番町皿屋敷】とほぼ同じプロットですが、こちらは主家乗っ取りの企てがあったり、お菊が忠臣の許嫁で執権家に住み込んで陰謀を探っていたり、一時城が乗っ取られたり…とかなりややこしい物語になっています。
ところで、井戸が実在するってことは…
…今でも出るんでしょうか?w
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さらに進んで【腹切丸】。
本丸の方へ行く途中から脇道に逸れた場所です。
戦時に敵を迎撃する拠点の1つであって、ここで誰かが切腹したという事実があったわけではないらしいのですが、、、なぜか腹切丸という異名が付いてしまったそうです。
本来の呼び名は【帯郭櫓】。
でも、この曲輪の入口はビルの地下へ入っていくような狭い階段で、降りてみれば写真の通りの行き止まり。確かに、時代劇で見る切腹の場のような雰囲気はあります。
菱の門から15分。
姫路城天守閣の間近までやってきました。
見上げると大きさが実感できます。
いよいよ突入!
巨大な連立天守なのですが、入口の大きさだけは備中松山城と同じ…力学的にも軍事的にも大きな開口部を作るのは得策ではないということでしょうか。
姫路城の天守閣は江戸時代以前の構造をそのまま保っており、中に入ると巨大な木の柱や梁が見られます。鉄筋コンクリートで外見だけ復元した物とは根本的に違う質感があります。
復元天守の多くが中身は普通の博物館のようになっているのとは違い、可能な限りオリジナルの天守内部の様子をそのまま残す方針のようです。
武器弾薬のラック。
火縄銃が多数掛けられていました。もちろん模型でしょうが…
窓際に人が乗るための台・石内棚。
窓がかなり高い位置にあるので、弓や鉄砲で外を狙うためにこのような段があったんですね。
急な階段を何回分も上り、最上階まで登りました。
他の城よりもずっと広く、中央には小さな社まであります。
天守閣からの眺め。
姫路駅の方を見ています。
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天守閣から出た所にも見学ポイントが。
まず【姥が石】。
羽柴秀吉が姫路城を築城していた時。
石垣に使う石が不足して苦労している、と城下に住む老婆が知り、自分の石臼を寄付したことをきっかけに国中から多くの石が集まってきたというエピソードがあるそうです。
老婆の石臼は、天守台の石垣に使われたということで…
…と、単に『そういう言い伝えがある』というだけかと思ったら、その石臼がちゃんと見えるところにありました。
上の写真にもちゃんと写っているのですが…
拡大したものがこちら。
ここだけ保護用のネットが取り付けられています。
そのすぐ近く。
他の場所が白漆喰のすべすべした感じに仕上げられているのに対して、一箇所だけザラザラした茶色い塀があります。それが【油壁】。
山土に豆砂利を加え、餅米のとぎ汁で練りあわせて作った物だそうです。
…と聞くと弱そうな気がしますが、実際は非常に固く、400年以上前のオリジナルの壁がいまもしっかり残っています。
このあたりから天守閣を見上げるとこんな感じ。
左手前が【乾小天守】、右手前が【西小天守】、中央奧が【大天守】。
渡り廊下、唐破風、千鳥破風、石落としなどが複雑に組み合わされている様子がわかります。
そこから西の丸・出口の方へ向かうゆるい下り坂は、TV時代劇【暴れん坊将軍】のエンディングで使われて以来【将軍坂】と呼ばれるようになったようです。
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続いて西の丸。
千姫輿入れの時に後から造営されたエリアです。
かなりの広さがあり、現在は庭園として整備されているようです。
西の丸長局と呼ばれる細長い建物があり、内部が公開されています。
ここは千姫とお付きの女官達の住まいとして建てられた物で、長い廊下に沿って多数の小部屋が配置されています。
部屋はそれぞれ8畳ほど。調度品がないためかかなり広く感じます。
途中に頑丈そうな扉があったり(女性ばかりが寝泊まりしている場所なので当然)、雨水抜きなどのちょっとした工夫が見られたり、結構面白く見学しました。
一番端の化粧櫓の中には、婚礼祝いを並べてみている?千姫の人形が。
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帰りの新幹線の時刻が迫ってきたので、姫路城を後にして姫路駅へ。
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【姫路城】
http://www.city.himeji.lg.jp/guide/castle/
姫路市本町68番地
見学時間:9:00~16:00
休城日:12月29~30日
見学料:600円
見学所要時間:90分~
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