【インシテミル】みてきた。

移動の途中にちょうどいい回があったので【インシテミル】を観てきました。
邦画実写って久しぶりだな。いままで劇場で観た邦画実写って、
【さよならジュピター】とか【ヤマトタケル】とか大コケしたのばっかりなんだよな。


ストーリーはこんな感じ。
時給1120百円という破格のアルバイトの存在をOL・須和名祥子(綾瀬はるか)にきかされたフリーターの結城理久彦(藤原竜也)は、彼女と共に応募することに決める。
アルバイトとは…周囲と隔絶された環境で7日間生活し、その心理的影響を観察するという『実験』の被験者になることだった。
須和名、結城を含め参加者は10名。
ウェブデザイナー、関水美夜(石原さとみ)
研修医、大迫雄大(阿部力)
大迫の恋人、橘若菜(平山あや)
会社をリストラされた男、西野宗広(石井正則)
大学生、真木雪人(大野拓朗)
職業不明、岩井荘助(武田真治)
世田谷の専業主婦、渕佐和子(片平なぎさ)
アル中の元会社社長、安東吉也(北大路欣也)
人里離れた実験施設【暗鬼館】へと運ばれた彼らは、『この先では非倫理的なことが起こるかもしれません』というアナウンスに不安を覚えながらも中へと入っていく。
一同が用意されていた食事をとっていると、突然飾られていた人形の1つがしゃべり出す…
『事件が起こったら、全員で解決すること。
  探偵役が犯人を推理し、全員の多数決でそれが妥当かどうかを決めること…』
理久彦は場を平和的におさめようとするが、
西野は
『この10人の中に逃走中の通り魔が紛れ込んでいたらどうする?』
『(淵に)あんた、世田谷で幼児虐待をして新聞に載っていた保育園の園長に似てるな』
『(大迫らに)あの安東ってオッサンは奈良で起こった事件の犯人に似ている』
などと、次々に一同を挑発するようなことを言い始める。
ルールに従い、参加者たちはそれぞれ割り当てられた個室へと引き上げる。
夜10時以降は夜が明けるまで個室を出てはいけない…。
しかしその個室は入口に施錠できず、
しかも部屋の中におかれた箱の中にはそれぞれちがった凶器が用意されていた。
そして翌朝。
西野が通路で射殺されているのが発見された…。
~~
面白かった-。
ほとんどの場面が暗鬼館の中なので画面はやや単調なんですが、
ストーリーのテンポはよいので飽きません。
ネタバレ改行。
例によって思いつくことをつらつらと…。
殺される順番は、なんとなくお約束な感じの通り。
最初にみんなの不安を煽っていた西野、
次は他人の部屋に入り込んでいろいろ詮索していた淵、
霊安室で橘といちゃついていたあと一人になった大迫…
など、次はコイツが死ぬな、と思うと、ちゃんと次のシーンで死体になっている。
舞台設定はクリスティの『そして誰もいなくなった』が元ネタなんでしょう。食堂に参加者人数分のインディアンの人形がおいてあるのもそこからきているのかな。
そのほかにも古典ミステリを踏まえたネタがちりばめられています。
ただし『そして誰も…』は殺人実行犯=真犯人(またはその仲間)だったのに対し、この作品では『真犯人』が直接手を下しているのではなく、疑心暗鬼に陥った参加者同士が殺し合うように仕向けた…というもの。ミステリとしての謎解きよりもサスペンスとしての緊迫感を楽しむ方がよさそうです。
劇中で他人を殺害するシーンが明確に描かれているのは3人、自殺や事故死など直接殺害されたわけではない犠牲者の方が多い気も…。
北大路欣也カッコイイ!
さすがベテランは画面の隅に立っているだけでも存在感が違いますね-。
北大路欣也演じる安東が最後どうなるかだけは読めませんでした。
霊安室の棺のフタが閉まっていなかったことに気付くべきだった…。
半端な恋愛要素やお色気要素は出さず、事件の顛末だけを追っていくのはむしろ僕の好みです。最初は結城と須和名がひっついたりするのかと思ったのですが、話が進んでも須和名はクールなまま。それにはちゃんと理由があったわけですが…
内面の葛藤だのかかえているトラウマだの言い出すのが最近のはやりですが、ストーリー進行上絶対必要と思われるもの意外はほぼなし。…まぁそれだけに登場人物の性格が類型的すぎるという批判は出るのでしょうが…。
ガードロボットがイマイチ。
どうも邦画はこういうメカの造形が弱いように思います。
本物のロボットは世界一の水準なのに、映画に登場するロボットはデザインはなぜかチャチくてウソっぽいんですよね…。
最後、生存者が報酬を投げ捨ててしまったけれど…
なぜ一人だけその場で現金を渡されたんでしょう。
『死亡ボーナス』があるということは、(遺族に?)送金・振込という方法がデフォルトのような気もするのですが。
まぁ、いろいろあら探しをするときりがないのですが…
2時間楽しめるのは確かです。
追記…
原作とは、舞台と登場人物の設定を借りただけでほぼ違う内容なんですね。

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