鳥取城 その2

二の丸(つづき)

菱櫓

表御門から続く石垣の上、二の丸南東隅には菱櫓があります。真上から見ないと形状がよくわかりませんが…

菱櫓の上から。
VR写真初期方向正面から右手にかけて三の丸(現在は鳥取西高校)、右奥に太鼓御門(工事中)、擬宝珠橋(工事中)、左手の斜面に三の丸庭園跡、その上に天球丸が見えます。

神社

二の丸中ほどにもどります。
小さな神社(中坂稲荷神社というらしい)があるのですが、実はこの鳥居をくぐると…

さらに上の曲輪へ昇っていく階段があります。

天球丸

登った先は天球丸です。二の丸との高低差は15mほど、山下ノ丸では一番高い位置にある曲輪です。天球丸の名は、初代因幡藩主池田長吉の姉・天球院の館がこの曲輪にあったことから付けられたそうです。

さらに上に続く道もあります。ここから200mほど昇れば天守台などのある山上ノ丸へいけるのですが、前日の竹田城で体力がもうギリギリ(笑)なのと、熊がコワイので今回はパス…。

天球丸北部、表御門を見下ろす位置より。
初期方向やや右、天球丸入口・山上ノ丸への登山口あたりも石垣が複雑な構造になっていることが判ります。

天球丸は二の丸と違って櫓台などの立体構造はなく平坦ですが、古絵図から二の丸側(北西側)に門、奥(南東側)に三重櫓があったことが判っています。

建物跡

天球丸の奥(南東部)に進むと、時代によって異なる建物が建てられていた跡が見られます。写真左、柵に沿って礎石のようなものが並んでいて、それより右(内側)に正方形に近い形状に石が並んでいるのが見えます。
柵に沿って並んでいるのは元和3年(1617年)頃に建てられ享保5年(1720年)の火災で焼失した三階櫓の跡、
右寄りに正方形に並んでいるのは三階櫓の焼失後、天保10年(1839年)に建てられた武具蔵の跡です。

天球丸南西端、1つ前の写真の奥側より。この角度の方が三重櫓の跡が判りやすいでしょうか。

さて、この写真の初期方向奥に、巨大な球状のものが見えます。1つ下の段に降りて近くで見ることにします。

巻石垣

表御門前から回り込んでいくと、天球丸下段の謎の球体の間近に行くことが出来ます。
※2018年9月現在。今後工事のため立ち入りが規制される可能性あり

この謎の球体は巻石垣といい、上段である天球丸の石垣が文化4年(1807年)頃に歪んで崩れそうになったのを押さえるために築かれたものだそうです。岩村城の有名な六段の石垣など似た目的の構造は他にもありますが、球形に作られている例は城郭建築では鳥取城でしか見られない非常に珍しいものです。
ただし、現在あるのはオリジナルではなく、絵図などを元に復元されたものだそうです。

石垣

次にさらに1段下へ。
三の丸から続く斜面には、起伏を活かした庭園がありました。その庭園最上部中央あたりへ進むと、石垣の積み方がちょっと違う場所があります。古い野面積みです。このあたりが鳥取城内で一番古い石垣なんだそうです。

今度は二の丸の下ノ段を進んでいくと、石垣を継ぎ足したような場所もあります。写真左に向かって石垣が拡張されているようです。また上部1/3ほども積み方が違うように見えますので、高さ方向にも積み増ししているのかもしれません。

そして、先ほど通れなかった御三階櫓石垣の下へたどり着きました。
この石垣の上の方をよく観ると…

丸い孔のあいた石が使われているのが見えます。
これは二代目藩主池田長幸の夫人の侍女・お左近の手水鉢だそうです。石垣にこの手水鉢を築きこんだところ難工事であった御三階櫓が無事完成したという伝説が残っているとのこと。

三の丸

最後に三の丸~大手通を行けるところまで行ってみます。

大手通から天球丸方面を振り返ると、表御門からS字型に続いてきた大通りの向こうに、巻石垣などが見えます。石垣全体の形状も複雑でなかなか面白いです。

太鼓御門

太鼓御門。写真の石垣の上に12間(21.6m)×2間半(4.5m)の堂々とした櫓が乗っていました。渡櫓に時を知らせる太鼓が置かれていたことから太鼓櫓の名で呼ばれているそうです。
2018年9月現在改修・復元工事中のようで、門のあった位置を通ることは出来ません(迂回路が設定されています)。もうしばらくしたら中ノ御門から入って表御門まで登城できるようになるのでしょう。
写真奥はすぐ三の丸/現在は鳥取西高校の敷地です。

擬宝珠橋

中御門跡~擬宝珠橋のあたりは、工事のため通行止めでした。
城内からは擬宝珠橋に近づけなかったので、写真は北ノ御門を出て水堀外側から撮影しています。

データとまとめ

鳥取城は巻石垣というここでしか観られない大規模で特徴的な構造

サイト鳥取城(鳥取市観光コンベンション協会による紹介)
Google Map鳥取城
アクセス鳥取市循環バス・くる梨、緑コース乗車、仁風閣・県立博物館下車すぐ
または、
鳥取駅前より路線バス砂丘線などに乗車、西町下車、徒歩300mで北ノ御門
駐車場専用駐車場はないが、周辺に駐車場(有料)あり
開館時間城址は見学随時
定休日なし
入場料なし
見学所要時間30分~
100名城スタンプ仁風閣内
城内トイレ城内にはなし(久松公園内、案内所付近にあります)
飲料自販機城内にはなし

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