【アデル ファラオと復活の秘薬】見て来た。

【アデル ファラオと復活の秘薬】
…という映画を見てきました。
上映館も少ないし(たまたま最寄りのシネコンでやっていたんですが)、
テレビや雑誌やネットで広告を見たおぼえもないし、
予備知識ゼロ…タイトルからしてインディ・ジョーンズの女性版のようなものかと想像して行ったのですが…
まぁこの路線ではネタのつもりで【ハムナプトラ】を見に行ったら予想外に面白かった、なんていうこともあったのですが…


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ストーリーはこんな感じ。
フランスの若き女性ジャーナリスト・アデルはエジプトの王家の谷を訪れた。
墓所の仕掛けを解き、王の侍医のミイラの前にたどり着いた彼女は、襲ってきたライバル科学者や盗賊達の魔の手を逃れ、ミイラの棺ごと脱出しパリに帰還する。
実は彼女には、不慮の事故で瀕死の重傷を負った双子の妹の命を救うという目的があった。
エジプトの秘術を知るミイラを復活させ、妹の治療をさせようというのだ。
一方、パリには翼竜出現の噂が流れていた。
知事を含む3人が襲われ命を落とした、と新聞は騒ぎ立てていた。
実はこの翼竜は、アデルがミイラの復活を依頼しようとしていた学者が、自身の編み出した蘇生の秘術によって博物館に展示されていた恐竜の卵の化石を孵化させてしまったものだった…
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もうこの粗筋の段階でツッコミどころ満載なんですが。
本編は想像を絶する点目モノでした。
今回は完全ネタバレします。
ネタバレ防止改行。
ミイラ復活はだいたい悪役の仕事で、蘇ったミイラが次々に人々を襲う…というのがよくあるパターンなんですが。ヒロインがミイラを強奪する側なんて。
蘇生の秘術を編み出した学者もすごい。容姿は怪人のよう。秘術についてなんの説明もなし。初登場の場面で既に宙に浮いているし。翼竜とシンクロして羽ばたいてるし。
つーかさ、復活の秘術があるんだったら、ミイラなんか持ち出さないでその学者に妹を復活させてもらえば第三者にはまったく迷惑かからずに済んだじゃん。
この妹の初登場シーンもインパクトが強かった。瀕死の重傷というからどんな酷いことになっているのかと思ったら…
青白い顔でベッドの上に半身を起こして座っている状態で、首はネックサポーター(むち打ち症の人がつけるアレ)で固定され、うつろに目をあけたまの『昏睡状態』。
よく見ると、髪留めのピン(といっても長さが20cmくらいある大きな物)が後頭部に刺さり、先端が額から飛び出ている(抜くと死ぬ、といわれたらしい)。
…って、なんのギャグなんですか!
しかもこうなった経緯が酷い。
姉妹でテニスにエキサイトしすぎた結果(回想シーンは映画【PING PONG】のようだった)、姉アデルの放ったスマッシュが顔に当たって転倒、その時運悪くはずれた髪留めがグサリ…というもの。
他にも、全編アホっぽい場面がちりばめられています。
囚われて死刑を宣告された学者を救うためにアデルがとった方法は、一目でばれそうなコスプレで刑務所に潜入すること…何度も失敗して、その度につまみ出されるのですが。
警察官はマヌケばかり、大統領も無能で無責任、悪役もただのアホ。
真面目にやってるのか疑問に思いたくなるようなすったもんだの末、
ようやく(学者の命と引き替えに!)復活したミイラは…
『すまないが、私は医者ではなく原子物理学が専門なんだ…』
ええと。
他の作品ではミイラが喋るのは『怖いシーン』なんですが
このミイラがやたらとフレンドリーでお茶目。
『(復活直後)ヘックション!(頭突きでガラスを割ってしまい)…申し訳ない』
『お茶を淹れてもいいかい?』
『(通行人に)すみません、ルーヴル美術館はどこですか?(通行人失神)』
『マッサージでもしようか?分子の動きには詳しいんだ』
結局、学者の蘇生の儀式の効果範囲が半径2kmもあり、たまたまルーヴル美術館でラムセス2世とその家臣たちのミイラ展をやっていたため全員が復活。ラムセス2世の侍医もその中に含まれていたため、妹をルーヴルまで連れて行くことに…。
棺から起き上がったラムセス2世は、居眠りから醒めたときのようにのびをしたり。
『怒らせると怖い』
という物理学者ミイラの前振りがあったにもかかわらず、あっさり侍医に力を貸すように命じてくれる人の良さ。
侍医ミイラは侍医ミイラで、『抜くと死ぬ』といわれていたピンを無造作に引き抜いてしまい、あとは近くの展示棚にあった壺から『秘薬』を取り出して額の傷に塗りつけて治療終了。
包帯を巻こうとして近くの看護師?ミイラの包帯をほどいてしまったり(時代劇の『あーれーーーー!』状態w)
治療が終わるとラムセス2世の
『さて、この国を見物してこようか』
の台詞でミイラ集団は退場。
こんな暢気で気のいいミイラたちは初めてだ…。
妹もいきなり息を吹き返して、
ええと…ハッピーエンド?なの?
最後の最後、アデルが次の冒険へと旅立つために乗り込んだ船は、某大ヒット映画でも描かれたあの船だった…というところで映画はおしまい。
ええええええっっっっっっっっっっ!
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これだけケチをつけておいてなんですが。
まぁ、面白かったですよ??
どうも僕には、フランス人のシャレがいまいち判りません。
『ここは笑わせたいのかな』
『ここは画面に凝ったのかな』
…とまでは判るのですが。
で、リュック・ベッソン監督の最新作らしいです(見るまでそれすら知らなかった)。
うん、実はこういうB級臭がプンプンする作品も好きなんだな。

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