【トロン:レガシー】見てきた

まさか、続編が作られるとは思っていなかった…。
旧作【トロン】は僕が中1の頃に公開された作品。
劇場のスクリーンに映し出されたCGは、当時の僕にとっては未来の画像でした。
まぁ、いまとなっては家庭用ゲーム機の画像よりショボイんですが…。
あの作品の続編が、最新のCG+3D技術で制作される!
…と聞いては、迷わず視聴決定です(笑
あ、前作もストーリーはけっこうショボかったんだっけ…?


結論から先に言うと…
CGは格段に美しく、リアルになっています。
宙を舞う警戒ゲートや疾走するバイクのデザインは旧作を踏襲しつつ、よりシャープにリファイン。
でも一番すごいCGは、電子世界を描くどのシーンでもないんですね。
冒頭の回想シーン。
普通の実写によるシーンに見えるのですが…
若い頃のケビン・フリン(旧作の主人公)と彼の作った『プログラム』の顔が、なんとCGで作られているんだそうです!
演じるジェフ・ブリッジスはもう61歳。メイクだけでは30代の顔にはならない、ということで、顔にマーカーを付けて動きや表情をキャプチャーし、30歳の頃の顔を合成したんだそうです。
まったく普通のシーンに見えたよ、すげー!
とはいえ…
そういう技術的な面で『すげー』と思えない人にはあまりオススメしません。
というか、旧作に思い入れがある人にしか見る価値がないかも。
娯楽性ならSBヤマトの方が上です。うーんなんだこの究極の選択。
さて内容はネタバレで…
えーと。
CGが長足の進歩を遂げているのに比べて、ストーリーは旧作とあまり変わりません。
~~
ストーリーはこんな感じ。
旧作の主人公ケヴィン・フリンが幼い息子を残して失踪。それから20年以上が経った頃、ケヴィンの親友で会社の共同経営者でもあったアランのポケベルに、ケヴィンのオフィスの番号からメッセージが届く。
会社の大株主でありながら経営に参加せず自堕落な生活をしていたケヴィンの息子・サムは、かつて父親が経営していたゲームセンターを調べ、地下にある隠し部屋にたどりつく。
手がかりを求めてそこにあったコンピュータ端末を操作し、履歴の最後にある謎のコマンドを実行した瞬間、サムは異世界へと飛ばされていた…。
  旧作でも登場した物質転送機ですが、どうやらフリンが一台私物化していたようです。
  全体としてはけっこうなサイズで、どこぞの研究機関の実験棟丸ごと使って設置してある
  …という設定だったような機がするのですが、いつの間にか町中のゲームセンターの地下室に
  こっそりおいておけるほどの小型化に成功していたようです。
  精密機械のはずなのに、20年放置されていた機材が正常に動いたのは驚異的。
  つーか、あの端末、フルキーがタッチパネルだったよ…
  20年前のものっていう設定じゃないのか…。
  表のゲームセンターに置かれたゲームがパックマンやギャラガなどのレトロゲーなのに。
【グリッド】と呼ばれる世界に飛ばされたサムは、わけがわからないまま警戒ゲート(旧作にも登場した、門のような形をした飛行メカ)に発見されて捕らえられ、デスゲームを強要される。
ディスクバトルでなんとか勝ち進み、決勝戦で相手になったのは幾多の戦いをくぐり抜けた屈強なプログラム。
  声がアランと同じ大塚芳忠さん。ってことはこいつトロンじゃね?
  でもどうやら彼は現在のグリッドの支配者に忠実なようで…。
試合の途中に怪我をして血を流したことでプログラムではなくユーザーであると
ばれたサムは、支配者の元へ連れて行かれる。
  …データ化してるのになんで血が出るんだよ…。
支配者は…なんと父、ケヴィン・フリン!
  …かと思ったら、『私はお前の父親ではない』…これって帝国の逆襲のパロディ?
  【トロン】の世界のお約束で、プログラムはプログラマーと同じ顔・声で擬人化されています。
  つまり『クルー』と名乗った支配者は、ケヴィンが作ったプログラムなんですね。
  このクルーは若い頃のジェフ・ブリッジスの顔をしています。
  ってことは、普通に人間の俳優が演じているように見えて、実はCGなのかな…?
次にサムはライトサイクルゲームを強要される。
  直角にしか曲がれなかった旧作と違って、緩いカーブもきれるようになっていたのですが…
  あれは直角にしか曲がれない方が画面が面白かったんじゃないかな…
バイクから投げ出されて危機一髪のところへ、クオラと名乗る女が車で乱入、サムを救って…
…グリッドを出て荒野の中にある屋敷で、今度こそ本物のケヴィンと再会…
  うーん、グリッド以外にもディスクだかメモリだかがたくさんある、という設定なんでしょうか。
  それって、OSが把握できていないメモリがあるということになるような気が…
そこでケヴィンから、自然発生的なプログラム(グリッド内ではすべて人間のように表現)の存在、それを『不完全なもの』とみなしたクルーがケヴィンに対して叛乱を起こしたこと、クルーによる新種プログラムの虐殺…などが語られる。
  うん、プログラムが自然にできていたらかなりキモチワルイと思うぞ。
すったもんだの末、サムは元の世界へ脱出するために『ポータル』へ向かう…
しかし、それこそクルーの思うつぼだった。
クルーはポータルを通過するフリーパスとなるケヴィンのディスクを奪い、それを使って自分自身が率いるプログラムの軍隊に物質転送機を通過させ、現実世界へ転送しようと企んでいた!
  いや…たぶん、現実世界へ出てしまうよりネットワーク上でウィルス的に破壊活動をする方が
  能率がいいと思うぞ…。グリッドの兵器ってそれほど破壊力がありそうな感じはしないし、
  輸送艦1機分の兵器が転送できたとして、世界を支配するほどの戦争は起こせないだろ…。
輸送艦内に忍び込んだケヴィン・サムのフリン親子とクオラはディスクを奪還。
航空機を奪ってポータルへ向かう。
クルーは自ら彼らを追うが、本来の役目を思い出したトロンの体当たりによってクルーの乗機は撃墜される。
  でもクルーはしぶとく生き残ったのに、トロンはそのまま海に沈んでいき…
  トロンというタイトルなのにロクに活躍できないままでした。
ポータルでまちぶせしていたクルーも、フリンの捨て身の行動でなんとかしりぞけて、サムは現実世界へもどることができた。
  クオラも現実世界に来ちゃったよ…。
  人間に…なったのか?
~~
んで、まぁ…
ストーリーには意外性がまったくないっつーか、
予告編見た段階で予想した範囲からほとんど出てきてないっつーか、
そもそも世界観のキモであるプログラムの擬人化がいまとなってはチープっつーか、
うん、まぁ、
旧作と新作の間の27年間にどれほどCGが進歩したかを見られただけでよしとしよう。

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