今日は、国立科学博物館新宿分館の一般公開へ行ってきました。
新宿分館は研究と資料の収集の場で、普段は『いわゆる(表の)博物館』としての見学はできません。
でも今日は内部が一般公開され、研究者から直接説明を受けられるというイベント。博物館好きとしては行かずにはいられません!
新宿分館は大久保駅から歩いて数分のところにあります。
ちょっと怪しげな通りを歩いて、正午過ぎに現着…。
思ったより混雑している様子。
とにかく端から順に見学を…。
多数の頭蓋骨の標本!
復顔もやっているようです。縄文時代人・弥生時代人・古墳時代人・伊達政宗の顔を比較展示していました。
この写真の棚に収められている頭蓋骨は、主に小塚原刑場跡から発見された江戸時代のものだそうです。
昆虫標本の保管されている部屋。
巨大な蛾!僕の手のひらを開いた状態より大きい!
右に並んでいるのは、色はキレイですが蝶ではなくやはり蛾。
蝶と蛾はどこで見分けるかわかりますか?
…実は、触覚の形状がポイントの1つなのだそうです。
ナウマンゾウの骨が棚に一杯な部屋。
写真は瀬戸内海から発見されたナウマンゾウの歯の化石。
漁の網にひっかかるなどしてかなりの数が発見されているのだそうです。
東京でも、原宿付近で千代田線のトンネル工事中にナウマンゾウの化石が発見されているそうです。
海の無脊椎動物標本が保管されている部屋。
バケツの中にモップの先がつっこんであるだけのようにも見えますが…
これはテヅルモヅルというクモヒトデの一種。
腕が細かく枝分かれしてなんだか訳の判らないことになっています。自分で動かすときにこんがらがったりしないのでしょうか(笑)
よく見るといちばん根本は普通のヒトデと同じく5本なんですね。
魚類の標本の部屋。
写真はリュウグウノツカイの標本。
ホルマリンではなく薄いアルコール溶液に漬けられているだけで、手袋をしてちょっと触ってみることが出来ました。
他にもチョウチンアンコウや鎧のような固いウロコを持った魚(名前を忘れた…)なども。
小さなカブトガニと…
右のグロテスクなのはダイオウグソクムシ?
月から来た隕石の標本。
月に隕石が衝突し、はじき飛ばされた月の石が地球に落ちてきたというもの。
月の石の成分は、小惑星由来の者に比べて地球の石とよく似ているのだそうです。
巨大蜘蛛の解剖…
…ではなく、これは模型。実物大だそうですが。
毒は弱い種類だそうです。
古い時計の内部構造の展示。
今回の公開では機械系の展示はこれだけでした。
引き出しの中に鳥の剥製がギッシリ。
撮影禁止だったのですが、この部屋には貴重な婚姻色のトキの剥製もありました。頭部から背面にかけて薄墨色になっています。
動物骨格や角などが保管されている部屋。
植物標本の部屋。
葉脈標本…昔理科の実験で作ったような…。
他に植物化石なども見られました。
他にも顕微鏡下で微小化石を取り出す体験をしたり、恐竜の化石でクイズをしたり…。
上野本館の展示室のようなわかりやすい『演出』はありませんが、むしろ本物に触れたという感覚があります。
解説も面白かったし…。
とにかくいろいろ見られてとても充実した時間でした。
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今回はもう1つ、非常に印象的なものも見学できました。
それは…
『イルカの解剖』
です。
死亡したイルカの死因を調べるための解剖作業を見学できる、というもの。
見学者も全員手袋とマスク着用。
写真は生々しいので、サムネイルではなくリンクのみにしました。
血が苦手な人はクリックしないで下さい。
生後数ヶ月で死亡したハナゴンドウだそうです。
イルカの解剖1
腹が切り裂かれ、肋骨が取り外され、次々に内臓が取り出されていきます。
写真はほとんど作業終了する頃の状態です。
背骨や皮下組織の断面が観察できます。
イルカの解剖2
一番手前が腸、その向こうは心臓、2つ並んでいるのは腎臓、
係員が作業しているのが肺だそうです。
内臓が次々に台の上に並べられ、大きさを測られ、写真撮影…
…という、調査のための作業が進む傍らで、
メスを握って解剖を続ける係員が見学者向けに説明もしてくれます。
『この部分の筋肉は尾びれを下に振るためのものです』
等々…。
非常に貴重な体験が出来ました。
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【国立科学博物館新宿分館】
http://www.kahaku.go.jp/institution/shinjyuku/index.html
!!通常は所蔵品の見学は出来ません!!
年に1日だけ、このような特別公開を行っているのだそうです。
今回は4/25(土)、12:00~16:00に実施されました。
予約不要、入場無料。