Ken Kagami Retrospective | PARCO FACTORY | PARCO ART
加賀美健は2000年代のはじめより東京を拠点に現代美術のアーティストとして活動をはじめ、今現在も常に進化を続けています。社会現象や、時々ネタをはじめ、美術史で起こる様々な問題、カルチャーなどすべ
渋谷パルコミュージアムで開催されていた【アーブル美術館大々贋作展】を観てきました。
いやまぁ、贋作とか模写とか言うような『本物そっくり』な絵ではなく、まるで子供の落書きのような作品ばかりです(というか実際描いているのは子供なんですが)。しかもカンバスなどちゃんとした土台ではなく、段ボール紙、それも家電製品などの梱包に使われていたあり合わせと思われるものに描かれています。風神雷神図(俵屋宗達の超有名なアレ)なんて、脇に『ニトリ・コタツ』と書かれているのが見えてるし…。
でも、どれもこれも元ネタがなんだかは見た瞬間に判る。元の絵の特徴はよくつかんでいて、それが何の衒いも無く再表現されている。観ていくと悪戯書きのようなタッチさえどれも微笑ましく思えてきて、一枚ごとに『ふふっ』と笑みがこみ上げてきます。そのうち『緻密に似せていこうとする行為はむしろ不純なことかも知れない』…などと考えてしまうほど。
リンク先にあるフェルメールの『真珠の耳飾りの少女』などは冷静に観るとけっこう酷い顔なんですが、観ているとなんだか不思議と楽しくなってきません?
というわけで『商売/売名に乗せられているだけだ!』と言われそうな気がしつつもついつい画集まで買ってしまい、けっこう満足して会場を後にしたのでした…。
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