そーいや3Dカルメンってもう始まっているんだっけ、と検索をかけたら、
始まるどころか15(金)が最終日じゃないか!
最寄りの劇場はレイトショーのみで、翌日も仕事だとちょっとキツイ。
さらに探すと、みなとみらいのワーナーマイカルで17:30からの上映回があるのを発見。
17:30…うーん、授業が終わってすぐ飛んでいけば間に合うか…
というわけで、質問に来た研修生を振り切って桜木町へ(オイ
上映開始10分前に到着。
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今回の【3Dカルメン】は、RealD方式の宣伝?も兼ねて収録された
コヴェントガーデン王立歌劇場の舞台を収録したもの。
とても興味深い、面白い試みだと思っていたのですが…
えーと。
観客は僕を入れて二人。
たぶんいちばん大きな上映室なんですが。
短めのオペラコミック版で台詞も最小限。ギロー版のレチタティーボで歌われるものより情報量が少なく、さらに第2幕、第3幕、第4幕の前の前奏曲・間奏曲と第4幕冒頭の合唱が全カット、第1幕の子供の合唱の後半もカットされていて、たぶん『全曲』と銘打ったものとしては異様に短い演奏になるのではないかと思います。そういう点ではちょっと欲求不満…
しかしカルメンの大胆な演技は3Dの画面と相まって迫力がありました。
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いちばん気になる映像について。
オペラを3D映画として観るのは初めての経験です。
【アバター】の成功以来、商業映画での3D撮影/上映はもう当たり前のものとなっているので、イロモノ感もなく、技術的にはだいぶこなれてきていると思います。
『飛び出す』側ではなく『奥行きがある』タイプの画面づくり。
カメラディレクターがこの作品をよく知っているのか、その瞬間毎に観たい部分を的確に映してくれてストレスがありません。
主役が手前に来ると、従来の映像に比べて存在感を強く感じることができるのは当然なのですが、逆に背景にいる人たちも、むしろ2Dよりよく『見える』んですね。
2Dだと重なったものは一体に見えてしまうのに対して、3D映像だと奥行き方向に距離が感じられるため独立して動いているのがちゃんと判るのです。
そのため、たとえば第4幕前半で舞台の奥の方でカルメンの様子をうかがっているホセの姿が見え隠れするのがハッキリ意識できたり、そのほかの場面でも主役のソリストの背後でちょっとした演技をしているTuttiの姿がよく見えたりします。なかなか面白いものです。
全体として、客席から舞台を見ている、と言うよりは、舞台の上に自分も入り込んでいるような体験ができました。
※舞台上にカメラを置かなければ取れなさそうな構図が多かったので、
※『劇場でのライブ』という体で実は別録りのような気も…
生の舞台とも通常のDVDソフトとも違う味わいのあるジャンルとして、今後に期待します。
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第2幕と第3幕の間に20分間の休憩が入るのですが…
その間、画面はカルメンの花を背景に残り時間を示す時計を表示しつつ、音声では実際の劇場のロビー?のようなざわめきがずっと流されていました。
そして『あと1分で後半上映開始』というところでオーケストラの音合わせの様子が流れるという演出も。
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BDで出たら買うかも…。
カットされた部分はライブでは演奏したのではないかと思うので、それも復活させて欲しいなぁ…。