鶴ヶ岡城

続100名城登城36城目は、山形県鶴岡市の 鶴ヶ岡城(108番)です。

現地(大手門跡)案内パネルより

鶴ヶ岡城について

歴史

鎌倉時代、出羽国大泉荘の地頭に任じられた武藤氏が、室町時代になってこの地に築いた大宝寺城が鶴ヶ岡城の前身となりました。大宝寺城を本拠地とした後、武藤氏は大宝寺氏と称するようになりました。

慶長5年(1600年)の関ヶ原の戦いの後に最上義光がこの地を支配することとなりました。義光は大宝寺城を改修し、城の名を鶴ヶ岡城としました。義光は鶴ヶ岡城を自らの隠居の地としましたが、元和8年(1622年)のお家騒動で最上氏は領地没収となり、変わって酒井忠勝が鶴ヶ岡城に移りました。忠勝は鶴ヶ岡城の大改修に着手し、その後3代にわたる改修によって、鶴ヶ岡城は近世城郭としての体裁が整えられました。以後、幕末まで鶴ヶ岡城は酒井氏の居城となりました。

構造

鶴ヶ岡城は、長方形の本丸を水堀が囲み、その外側を二の丸、さらにその外側をまた水堀、さらにその外側を三の丸…と、順に曲輪が周囲を囲んでいく輪郭式の構造を持つ平城です。復元地図で見るとほぼ『回』のような形の堀が見られます。

見学ガイド

現在、本丸と二の丸の一部が公園として整備されています。ただし市の中心部ということもあってか市街地化が進み、建物や門はまったく残っておらず、城時代の遺構は本丸や二の丸の水堀の一部しか残っていません。本丸には荘内神社や博物館などがあり、参拝・見学が可能です。

鶴岡駅からは少々離れていますが、市役所に隣接しているのでバスなどでアクセスは容易です。加茂水族館方面のバスも鶴ヶ岡城の近くを通るので、1日にハシゴ見学するのも可能です。また周囲には歴史的建築物や致道博物館などがあるので、併せて見学するのが良いでしょう。

いざ登城

加茂水族館から鶴岡駅行きのバスに乗車、致道博物館前バス停で途中下車して、まず致道博物館をひととおり見学した後に鶴ヶ岡城周辺を見学しました。

現在の鶴ヶ岡城周辺の様子がこちら。本記事冒頭の復元図と見比べると、外堀は北側(この図の右側)と西側が残り、内堀は大手門から直接本丸に入れるように一部が埋められていることが判ります。下車したバス停は図のやや左上寄り、道がゆるいS字に湾曲しているあたりです。

まずバス停のすぐ前は、本丸をぐるっと囲む二の丸の西側、馬場跡です。いまは『鶴岡公園』という公園になっています。滝や東屋などがあり、散策には良さそうです。

が、ここで写真でも判るほどの激しい雨が突然降り始めました。ついさっきまで天気がよかったのに!

内堀に沿って東(先ほどの図の下方向)へ。橋で本丸へ渡れるようになっています。
この橋は新しいものだと思いますが、位置は復元図(本記事冒頭)にある本丸中橋とほぼ同じだと思います。

本丸

まぁ実質本丸しかないんですよね…。

橋を渡ってすぐ、本丸御殿玄関跡です。遺構があるわけではありませんが、復元図でも確かにこのあたりが御殿の玄関になっていますね。

大寶館

橋を渡ってそのまま進むと、大寶館があります。ちょっとした博物館のようなものでした。入場無料。
館内は撮影不可だったため写真は建物外観のみです。

空が真っ暗です。雨はますます激しく、傘があってもけっこう濡れてます…

藤沢周平記念館

大寶館を見学した後、本丸中心部へ向かいます。写真は藤沢周平記念館です。藤沢周平は地元・鶴岡市出身の作家で、主に江戸時代を舞台にした時代小説を多く執筆しました。『たそがれ清兵衛』『武士の一分』『江戸の用心棒』など映像化された作品も多く、僕もいくつかを観たことがあります。
館内は撮影不可だったため写真は建物外観のみです。

荘内神社

本丸跡の中心部には荘内神社があります。庄内藩歴代藩主のうち酒井忠次・家次・忠勝・忠徳(ただあり)の4人をご祭神として祀っています。

…って、現在はここまで観てきた複数の建物が建っているエリアが、江戸時代まではすべて『本丸御殿』だったんですよね。

荘内神社の手水舎です。花が浮かべられていますが、こういう風習はコロナ禍で手水舎を使うのを避けるようになったために生まれたらしいですね。

荘内神社に参拝、続100名城スタンプをゲットしたところで大手門まで出てきました。
…水堀くらいしかまともな遺構がないし、なにより雨は酷いし。

大きな鳥居のすぐ奥あたりは、本来は内堀で隔てられていて、奥の本丸とは繋がっていませんでした。
撮影のために立っているあたりには大手門があり、そのすぐ背後には外堀がありました。現在は城の東側の外堀は完全に埋められています。

稲荷神社

1つ前の写真の位置から右手に進んでいくと、二の丸北東部にある稲荷神社があります。建物は建てかえられていると思いますが、江戸時代からこの位置にずっと祀られている神社です。何重にも連なる赤い鳥居が印象的です。

今回は異様に写真が少ないですがこれで鶴ヶ岡城の見学は終了です。天気がよいときにもう一度来る機会があると良いんだけどなぁ…。

データ

Webサイト鶴岡市公式サイトの城紹介ページ
地図GoogleMap
アクセス・JR鶴岡駅よりバス『温野浜温泉』『鶴岡市内廻2コース』などに乗車、
『鶴岡市役所前』『致道博物館前』下車すぐ
・JR鶴岡駅から歩いても20分程度(ほぼ平坦)
開館時間城址公園:見学随時
大寶館:9:00~16:30
藤沢周平記念館:9:00~16:30
休館日城址公園:無休
大寶館:水曜日(祝日の場合は翌平日)、年末年始
藤沢周平記念館:水曜日(祝日の場合は翌平日)、年末年始
入場料城址公園:無料
大寶館:無料
藤沢周平記念館:大人320円、高校生・大学生200円、中学生以下無料
備考続100名城スタンプ・御城印は荘内神社社務所
トイレは旧二の丸数カ所にあり
飲料自販機は荘内神社付近にあり

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