遠野の五百羅漢

地図によると、卯子酉様のすぐ近くにもう一つの見学スポット【五百羅漢】があるはずです。
天明の大飢饉による餓死者の供養のために500体の羅漢像が彫られたという物ですが…


遠野・五百羅漢入口.jpg
卯子酉様のすぐ近くから細い道を進んでいくと数分で【五百羅漢入口】と書かれた立て札の前にたどり着きます。観光地図や観光ガイドには地面の起伏はないので、ちょっとした林程度の場所に像が点在しているような光景を想像していたのですが…
遠野・五百羅漢の斜面.jpg
『入口』からからもう少し進むと、そこは道のない山の斜面。
…ああ…やっぱり今回も山登りがあるのね…。
傾斜はそれほど急ではないとはいえ、道がまったくありません。
登れそうなルートを探しながら上へ向かって歩いていきます。
大きな岩がごろごろと転がっていてかなり歩きにくい場所です。
どこまで登ればいいのだろう?
と思いながら、ふと傍らの岩の表面に不自然な線が見えたような気がしてよく見ると…
遠野・五百羅漢1.jpg
そこには確かに羅漢像が彫りつけられていました。
完全な立体像ではなく、絵画のように平面状に浮き彫りになっているものです。
そこからは、あたりを見回して表面に平らな部分のある岩を探しながら上りました。
すると…
遠野・五百羅漢2.jpg
ここにも。
最初の物よりハッキリわかります。
遠野・五百羅漢3.jpg
こちらは2体並んで。
遠野・五百羅漢4.jpg
これもそうですね。
…というわけで、10体ほどの像を確認することができました。
よくみれば登り初めてすぐのあたりから散在していました。
もとは500体、現在も存在が確認されているのは300体ほどだそうなので、僕が自分の目ではっきり見られたのはそのうちのごく一部だけ。
ほとんどの岩はコケに厚く覆われていて、その下に何かありそうには思えるのですが…コケを無理に剥がすのもどうかと思われたので…。
それとも、もっと上までいけば多く見つけられたのでしょうか?
なんとなく天気が怪しくなってきたのであまり深く入り込むのを止めて下りてしまったのですが。
まぁ、少数とはいえ確かに江戸時代に彫られた像を見ることができたのでよしとします。
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写真でも判る通りかなり足場が悪いのにもかかわらず、ミュール&ワンピース姿の若い女性が果敢に斜面に登っていました。僕があちこち見ている間に諦めて帰ってしまったようですが…。舗装されていないのにミュールじゃ危ないよ…。
一般的な地図には道がわかりにくいので、GPSで記録したルートをプロットしてみました↓
遠野・卯子酉様&五百羅漢地図.png
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【五百羅漢】
岩手県遠野市綾織町
GoogleMapで『五百羅漢』を検索するとかなり離れた場所になってしまうので
『卯子酉様』または『遠野 愛宕神社』を目指して行くといいでしょう。
見学自由
※履き物はトレッキングシューズ、荷物はリュックサックなど両手を空けられるものを推奨
※最低限自力で急な階段の上り下りができる程度の運動能力必須。

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