トム・クルーズ&キャメロン・ディアス主演の映画、【ナイト&デイ】を見て来ました。
予告編ではスパイアクションものに思えたのですが、実際はどちらかというとラブコメのような印象。
『バカップルが世界中で騒動を起こす!』
『オムレツで恋に落ちたアラフォー女!』
…そんな感じ。
ストーリーは…
ジューン(キャメロン・ディアス)は空港で2度もぶつかってしまった男・ロイ(トム・クルーズ)と同じ便に乗ることになり、密かに心をときめかす…などと可愛いものではなく、トイレの中で念入りに化粧を直して頭の中でいかにロイを落とすかをシミュレート。
だが、実はロイは腕利きの元スパイで、機内にいたロイとジューン以外の全員、CAやパイロットまでもがロイを狙う刺客だった。ジューンがトイレで妄想に耽っている間にロイは襲いかかってきた刺客たちと格闘。全員を倒すが、当然パイロットも死亡…。
そんなことを知らないジューンは、トイレを出るとまっすぐロイの席に向かい、彼にキスをする。
おいおい、周りが死体だらけなのに気付けよ…。
ロイは機体を不時着させ、二人は機外へと脱出。
だがジューンはロイに渡されたに薬を飲むと急速に意識を失っていく…。
ジューンが目を醒ますと、そこは自宅のベッド。
何が起こったのか判らないジューンだが(観客にも判らん)、TVでは旅客機墜落のニュースが流れ、ロイの書いたメモや彼が作ったオムレツまで見つけて、前夜の出来事が現実だと確認する。
ジューンは妹の結婚式の衣装合わせに行くが、そこでFBI捜査官を名のる男たちに強引に連れ出される。彼らはロイを『CAIのエージェントだったが錯乱して組織を裏切った危険人物』だと説明する。そしてロイが逮捕されるまでジューンを安全な場所に匿う、と言うが、そのときジューンは前夜にロイが言ったことを思い出す。
『<安全>を強調されたら危険だと思え。決して彼らの車には乗るな、君は殺される』
その言葉通りにジューンを乗せた車が銃撃され、あっという間に同乗していた男たちが死んでしまう。咄嗟に後部座席からハンドルを握るジューン。
そして突然、どこかからフロントガラスに飛び降りてきたロイ。
こうしてジューンは、『永久エネルギー』を巡るCAI、FBI、武器商人たちの争いに巻き込まれてしまったのだ…
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ここまではだいたいパンフレットに掲載されている内容。映画の最初から2割くらいでしょうか。
つーわけで恒例ネタバレ改行。
手のひらサイズで潜水艦を駆動できるほどの電力を供給できる夢の電池<ゼファー>を巡って、ボストン・ニューヨーク・アルプス・名もなき南の島・ザルツブルグ・バルセロナと続く戦い…などと書くと同じくトム・クルーズ主演のミッション・インポシブルのような映画になりそうですが…最初に書いたとおりこの作品は脳天気なほど明るいカラーのラブコメ。
最近のハリウッド映画は『リアル・社会派』路線が多いのですが、この作品は
『非現実的なほど<ヒーロー的な>アクション』
『一歩間違えば臭すぎる<軽妙な>台詞』
『手抜きと言われかねない<都合の良い>展開』
という、ある意味古くさいシナリオをノリノリの演技演出で創ったような感じです。
ジューンの一人称視点に近い構成。
絶体絶命のピンチでも、(薬品や、なぜかスポック掴みで)ジューンが意識を失っている間にすべて解決。
どうやってあの場から脱出したんだ-!
と叫びたくなる展開が、最初の飛行機墜落現場を含めて3回。
最初は銃声が聞こえてパニックを起こしていたジューンが、
中盤で突然『亡くなった父から格闘を習っていた』と言い出すと、その後は戦闘要員に変身。
機転を効かせてロイを助けたり、腕利きの殺し屋に(偶然の要素もあるとはいえ)致命傷を与えたり、ロイの運転するバイクから2丁拳銃で追っ手の車を銃撃したり。
最後には重傷を負ったロイを、CIAを出し抜いて病院から連れだしてしまうという…むしろ最初からジューンの方がコワイ人間なんじゃないか、と思えるほど。
『強いヒロイン』というには方向がいろいろ間違っているキャラで、それを受け付けられるかどうかでこの作品に対する評価が180度変わってしまいそうです。
つーわけで…
小難しい理屈だの社会的問題提起だのを意識せずにいられない人にはお勧めしません。
頭を空っぽにして『ありえねー!』といいながら爆笑したい人にはオススメ。
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で…
キャメロン・ディアスが…
ちょっと歳を感じさせてしまいます…
顔は美人なんですが…目尻にシワが出てますが…
なにより手の甲に歳がでてます…
ストーリーと全然関係ないところでショックを受けてしまいました。