アーツ千代田3331で開催中の『シド・ミード展』に行ってきました。シド・ミード氏は世界的に有名なインダストリアルデザイナーで、『未来の乗り物』を描かせたら世界一の人物です。『トロン』や『ブレードランナー』など、30年以上前からSF映画のデザイナーとしても活躍しています。
まず最初のエリアは、シド・ミード氏自身が所有するアーカイブから、ヴィークルなどのデザイン。大判の作品は、ヴィークルのみならず背景となる都市や人物までが緻密に描かれて迫力があります。ARを使って登場するヴィークルの解説が見られるのも面白いです。
次に、ハリウッド映画のエリア。先に挙げた『トロン』『ブレードランナー』などSF映画デザイナーとして知名度を上げた作品を初め『エイリアン2』『ショートサーキット』など多数の作品に登場するメカニック・未来の風景のデザインが見られます。
そして3番目は日本の映像作品との関わり。
『∀ガンダム』。いわゆる『ヒゲガンダム』です。それまでガンダム初期シリーズ以来デザインの多くを手がけてきた大河原邦男氏とも、永野護氏やカトキハジメ氏ともまったく異なる異質なデザインは当時は物議を醸し…というか、あからさまに言えばかなり評判が悪かったのですが、『ガンダムだと思って見るからこその違和感』を捨てればカッコイイんですよね…。本展示ではこれが『理にかなったデザインである』ことが解説されていました。
こちらは『YAMATO2520』に登場する『第18代YAMATO』。『YAMATO2520』は宇宙戦艦ヤマトシリーズの続編の1つなのですが、ビデオソフト販売のみでテレビ放映も劇場上映もなかった上、全9話(全7話とも)で完結の予定だったはずが第3話発売時点で制作会社が倒産したたため第4話以降が制作されないままになってしまった、という悲惨な経緯を辿った作品です。そのためヤマトシリーズの中では知名度が飛び抜けて低く、このデザインもソフトが販売されていた時期にアニメ雑誌などに掲載された以外はメディアに登場することもほぼなかったと思うのですが…
ヤマトの地球連邦艦船の要素を盛り込みながら、ハリウッド映画にも登場しそうな洗練されたデザインになっています。登場アニメが幻の作品になってしまったのが惜しいです。作画も当時の技術としてはレベルが高かったし…。
※撮影可だったのはガンダムとヤマトの計3点だけでした。
図録が売り切れだったので、後日配送で注文しました。
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