国立新美術館【シュルレアリスム展】見てきた

今日は国立新美術館で開催中の【シュルレアリスム展】を見てきました。


シュルレアリスムというとダリやマグリットの不可思議・不条理な題材…でも画風は写実的、という絵を思い浮かべるのですが…。
本来は『主観や理性によらずに作品を作るとき、現実を超えた現実が出現する』とかいうような思想のことなんですね。
ということで、『自動筆記』や『偶然の産物』、何人かの画家が互いの描くものを知らないままでの『共同製作』というような手法の作品が数多くあり、今回の展示ではそういったものがメインです。
つーか、創作に当たって『主観や理性を別にして』って可能なのでしょうか。
ヘンな絵を描いてやる!という思惑を持ってしまっていないのでしょうか。
絵自体よりその思想がよくわからん…。
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マグリットの【赤いモデル】(靴の前半分が素足のようになっている絵)はこのジャンルの代表格の1つ。
同じくマグリットの【秘密の分身】はこの展覧会のポスターにも使われている作品ですが、人物の顔の半分が作り物の皮のように分離され、剥がれた部分から見える頭部の中身は人間の筋肉や骨ではなく無機的な構造物…鈴が多数飾られた空間、という不気味なもの。【とある魔術の禁書目録】にこんなキャラいなかったっけ?
【甘美な死骸】は数人が折りたたんだ紙の上に、各々他の部分の絵を見ないまま文やデッサンを自由に描いた作品群。
始めてこの手法でつくられた『文』が、
『甘美な 死骸は 新しい ワインを 飲むだろう』
だったことからこのシリーズタイトルがつけられたそうです。
当然、全体としてのテーマがあるわけもなく、部分毎に内容がバラバラの奇妙な作品になっています。
作品は絵画だけではありません。
当時大量に生産されていた器物をそのまま作品にしてしまったデュシャンの【瓶掛け】、
テーブルに手足が切断されたような女性像がくっついているジャコメッティの【テーブル】などの立体作品や、
【アンダルシアの犬】【黄金時代】【眠るパリ】といった映画上映も。無声+字幕がフランス語(たぶん)なのでストーリーがさっぱり判りません orz
というわけで、見ていてなんとも不安になる展覧会でした。
…『不安』とはもちろん貶しているわけではありません。芸術作品は見る・聴く人の精神に影響を与えてナンボですから。

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