高遠町歴史博物館の展示室を出て専用通路をすすむと【絵島囲み屋敷】があります。別棟ですが、見学者は博物館の展示室経由でしか行けません。
江戸中期、徳川家継の時代の有名な『江島(絵島)生島事件』で高遠藩預けの身となった大奥御年寄・江島が、その後の生涯を過ごすこととなった囲み屋敷(復元)です。
※一般的には『江島』と表記されることが多いですが、この資料館では『絵島』となっていました。
絵島囲み屋敷の玄関。ガイダンス音声が流れます。
玄関横に展示されている平面図によると、敷地内には他にも建物がいくつかあったようです。
奥の格子のあたりが絵島の居室だったそうです。
絵島の間。
屋敷全体としてもそれほど大きいものではないのですが、江島はその中でもこの八畳の一間(+奥に厠と湯殿)から出ることはなかったそうです。写真左側に見える格子ははめ殺し。手前側も同様に格子で閉ざされています。絵島はこの部屋で経などを読んで過ごしていたそうです。
玄関の奥にある簡素な台所。
絵島の食事は朝夕二回・一汁一菜の質素なものだったそうです。
屋敷を取り囲む塀はこのように侵入/脱出を阻むような形状。
ここが屋敷に見えて、実はたった一人のための監獄だったということがよく判ります。